【仕事】チームリーダー
最近読んだ本のご紹介をします。
ネイビーシールズ(米海軍特殊部隊)リーダーズ・マニュアル
【ネイビーシールズとは?】
米海軍特殊部隊。少し昔の映画だと、デミ・ムーア主演の「G・I・ジェーン」がネイビーシールズを取り扱った映画として有名です。
ネイビーシールズという組織は、敵地に最初に潜入し、偵察・工作・上陸部隊の掩護等を行う特殊部隊です。
著者:ジョッコ・ウィリンク(「ネイビーシールズ」元指揮官)
米海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」に20年間在籍、イラク戦争でもっとも多くの勲章を受けた特殊作戦部隊タスクユニット「ブルーザー」の指揮官に就任。退役後、リーダーシップおよびマネジメントについての数百万ドル規模のコンサルタント会社「エシュロン・フロント」を共同設立。
本書では、戦場と言う限られた環境だけでなく、「人」と向き合うと言う点において、おおよそのビジネスや仕事に生かせるヒントがたくさん散りばめられています。
軍事的な知識や戦場という特殊な環境に対する認識が無ければ読めないか?と問われると、そうでもなく、人との付き合い方において、仕事上「人」の育成に参考になる記載が多いと思いましたのでご紹介しておきます。
【リーダーに問われる資質とは?】
人が持つ【1】ある力を【10】にするか、【100】にするか。
それとも【1】以下、【0.1】、【0.001】にしてしまうかは、指揮官であるリーダー次第です。
組織の要となるのは人であり
一番強いのも
一番弱いのも
人です
リーダーは、その人的戦闘力をパワーアップもできれば、ダウンもさせてしまいます。
〇 仕事がテキパキできて上司の評価が高い人
〇 頭が良くて要領も良く、優秀だと思われている人
〇 チームや人をまとめ、引っ張れる力がある人
上司や組織から、このように評価されている人は、年齢や性別に関係なく、何かのリーダーや、まとめ役などに任命されることもあると思います。
短時間で成果を出していける人は、それなりの役職につくのは自然だと思いますが、組織や上司、管理者が「なんとなく出来そうな人」を役職者として指定し「任せるだけ」では機能しません。
十分な教育や訓練を組織や会社が完璧にしてくれていないのに、OJTに依存した社員育成には限界があります。
(先にご紹介した書籍でも、世界最強の軍隊であるはずの米軍ですら、指揮官の指揮・統率はOJTに依存していて、仕える上司の能力によって学びに幅があると明確に書いているのが非常に興味深い。)
リーダーを補佐する人がきちんと示されていて、その人がリーダーを適切に補佐できれば、何とかチームワークや組織力でカバーもできますが、周りが知らんぷりだったり、逆に足を引っ張り合うような雰囲気だと…
特定の個人に負荷が集中したり、偏りが生じてしまい、おのずとその人はキツくなる。優秀であるが故に、なかなか「苦しい」の一言を言い出せない状況に追い込まれてしまいます。
管理者は組織をくまなく鳥の眼で見渡し、時には現場レベルの虫の眼でも観察できなければならない。しかしながら、殆どが現場任せ、丸投げ、人任せになってしまうものです。
職場の職位機能組織図は、箱を並べて線で結んだだけでは簡単に機能しません。
その人が配置されている目的をきちんと理解し、
その役職に必要な能力やスキルを組織が確実に付与し、
本人が自信をもって仕事に臨める態勢が整い、
はじめて機能するものです
ですが、たいていの場合は…
自ら考えろ
見て覚えろ
自分で工夫しろ
人や上司を頼るな
こんな状態になっていることも珍しくないと思います。
人を育てるには途方もないパワーがいります。傍について、手取り足取り、1から100まで丁寧に教え、できているところは褒め、できていないところは、どうすれば上手くできるかを教え、実際にやらせてみて、できない理由を理解させてできるまで根気よく教える必要があります。
(山本五十六の名言が本当に参考になると思います。)
今まで多くの後進者や若手職員の指導・教育に直接従事する機会を多数与えて頂いた身として思うことがあります。
優れたリーダーが育つかどうかは
優れた中堅層が育っているかどうか
新人時代からの地道な人材育成が必要だということ
人間と言う生き物は、いびつで、短所は長所よりも目立ち、性格や能力の足りない所は如実に目に見えてよくわかるものです。ですが、そこだけを指摘して、ダメだダメだと言うだけでは人は育ちません。
管理者が管理者たるゆえんは、人の中に隠された良いところ、長所をよく見定め、その人にとってどんな仕事が一番適していて、どんな指導をすればその長所が伸びるのか、どんな補職につけることが組織として機能するのかを考えること。
それは表面上の優秀さや能力の高さばかりを取り上げて「できる社員」だけでチームを組もうとしない事です。
こいつは使えないから外そう、裏方にまわそう、新しい仕事は任せられないでは、新しい戦力は育ちません。時間やお金という物理的な痛みを被ることが許容できず、やむを得ずそうせざるを得ない事が少なくないのもあるかも知れませんが、最終的に、人をないがしろにし、大切にしない組織に未来は無いと私は思います。
個人的な経験と価値観につき、もし、この内容が気に入らない、受け入れられないと仰る方もいらっしゃるかと存じますが、業種や業界の違いなども含めてどうかご容赦ください。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
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