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【アニメ】ロボットモノのアニメはスキですか?/銀河漂流バイファム編

(全3,333文字)
みなさんこんばんは。
毎週金曜日は日替わりカケウドン定食『アニメの日』です。

今日は、1980年代のテレビアニメ作品『銀河漂流バイファム』について書いてみようと思います。

【ご注意】本作品は戦争ものです。そう言うのが苦手な方はご視聴をお控えください。

過去のアニメ関連記事はこちらにまとめています。

第1話

(最初に動画リンクを貼っているため、本編よりも先に説明しておきます。残念ながら本作品は1クール目ほぼ主役ロボは登場しません(汗))

銀河漂流バイファム

1.概要

1983年10月~1984年9月まで、JNN系でテレビ放送された、全46話のアニメ作品です。

23話までが毎週金曜日の夜7時、24話から時間帯がかわって毎週土曜日の夕方5時に放送されています。

制作:日本サンライズ
原案:冨野由悠季
監督:神田武幸
メカニカルデザイン:大河原邦夫
スポンサー:バンダイ

当時、日本サンライズに入社したての永野譲氏も参加された作品。
(重戦記エルガイムの企画のため、永野氏は途中降板)

…こう聞くと「機動戦士ガンダム」の流れ?と誰もが思うかも知れません。

スポンサーのバンダイは冨野氏を監督にと考えていたようですが、同氏は当時他作品を手掛けていたのもあり、「原案」に名前を残すのみとなっています。日本サンライズ作品ということで、作品のコンセプトがガンダムやダグラムに共通したイメージが垣間見えるのも何となくうなずけますが、実はただのロボットアニメではなく、ガンダムとはまた違う作品でもあります。(理由はのちほど)

企画段階では「次のガンダム」といった話はあったと思いますが、放送局は名古屋テレビではなく、毎日放送というはじめての試みもありました。しかしながら、放送当時、同時刻の放送番組に「ドラえもん」が立ちはだかっており、なかなか厳しい視聴率争いだったろうなと予想にたえません。

諸事情から、全46話の放送を最後までできずに途中打ち切りになった地方局もありました。

2.設定・あらすじなど

○西暦2050年代の地球外惑星、イプザーロン恒星系にある植民惑星クレアドが物語のはじまりの場所。

○突如、異星人の軍隊に攻撃され、クレアドは壊滅。衛星軌道上の宇宙ステーションに逃げ延びた民間人・軍人に敵の追撃が迫る。

○逃げ延びた人々は「練習艦ジェイナス」でとなりの惑星ベルウィックへ避難するも人がどんどん4んでいき、軍事基地に到着するころには大人はとうとう1人に。

○異星人の脱走兵からの情報で、親兄弟が捕虜としてつかまっていることを知った少年少女たちは、ジェイナスとRV(ラウンド・バーニアン/人型機動兵器)を使って、家族の救出を決意。

○子供たちは、AIのサポートを受けつつ宇宙船とRVを駆使して異星人と戦うが、最後の大人も敵との戦いで生死不明に。

○このあとの展開は2クール打ち切りか、全話放送かで両方のプランが存在。全話放送パターンでは地球への帰還を企画していたものの、ストーリー展開が修正され、敵側の描写を含めた違った展開に。

○第1~2クール:意図的に敵側の勢力内の描写があえてなされておらず、「正体不明で不気味な敵」といったイメージ。3クール目以降に敵母星が舞台となり、敵勢力の説明がメインに。

○地球が植民惑星にしていた星は、そもそも異星人ククトニアンが住んでいましたが、地球はこれを実力行使で手に入れます。侵略者は地球人類側だったというのが真相。

○ククトニアンは平和的に星の返還を地球に求めたものの受け入れられることなく、地球の入植がエスカレートする。後に軍事政権が樹立したククトニアンが反撃を開始する。(←ここが第1話)

(その他)
○次回予告がアイキャッチのみ。
○主題歌が英語。
○主役メカは量産機(ボトムズ風)
○第1クールで主役メカは(ほぼ)登場しない(笑)
○メインキャスト(子供)は1人も4にません。
○操船やRVパイロットは全員子供。
○音声サポート機能のあるAIが子供たちを支援。(このあたりは非常に先進的描写。レイズナーよりこっちが先)

2.感想

(1)全般

短く言うと、本作品のコンセプトは『15少年漂流記』です。でも…

悲しいけど、コレ戦争なんですよね。

リアルに人が4にます。
しかもたくさん4にます。

大人が全員4に、最後は素人の少年少女たちだけで親が捕まっている敵の星に殴り込みに行きます。ちょっとデタラメな話ではあります(汗)

正規軍の兵士がガチで戦って負けてるのに、なんで子供が勝てるねん!?とのツッコミもあるかも知れませんが(汗汗)

当時の子供たちは手に汗を握ってテレビに食いついていたんでしょう。私もそんな一人でした。

ただ、放送時間がいけなかった…(号泣)

うちは姉が2人です。「ドラえもん」の時間帯、絶対に裏番組を見せてもらえることはありませんでした。家にテレビは1台しかなく、まだビデオデッキが高価な代物だった時代です。土曜日の放送時間になるまで、ほぼ雑誌記事でしか見れません。

今でこそテレビは一家に複数あるのは当たり前、しかもスマホやPC、タブレットと、ネット環境さえあれば、様々な配信サービスをいつでも見ることができます。良い時代になりましたね。

(2)メカやキャラ

キャラ:文字数の関係上、全てのキャストを説明するのは避けますが、13人の子供たちが、異星人の正規軍を相手に暴れまくります。

主人公はあどけなさを残す少年ですが、3クール以降はデザインがやや変更されて成長した姿が描かれています。

メカ:デザイナーを務めた大河原氏はちょっと辛口コメントを残していますが、私は好きなデザインでした。

とても細かい話になりますが、宇宙空間で質量のある物体が加速して制動をかけると、おそらくこんな挙動になるんだろうか…。といったバーニアによる逆噴射の描写などはとてもリアルだったなと記憶しています。ガンダム最新作品などでは、そのあたりの描写もとても秀逸に描かれていますが、80年代の作品だったことを考えると素晴らしいとしか言えません。

敵側のロボットも、その正体が一切不明で不気味というのもありましたが、全体的に味のあるデザインで嫌いではないです。プラモは立体化されなかったものが多かったような気もしますが。

(3)関連商品

本作品はファンの署名活動などが功を奏して放送継続を再検討した局もありました。従前のロボットアニメは、どうしてもスポンサーである玩具メーカー(=バンダイ)の意向に沿って、商品展開と切っては切れない関係にあります。

プラモデルの売り上げこそ赤字ではなかったそうですが、他の作品に比べると、あまりよろしくもなかったそうです。それに比して各媒体の関連商品の売り上げは好調でした。ロボットアニメにしてはたいへん珍しい現象だと思います。

それらのことを考えると、本作品はロボットアニメの中核となるファン層ではなく、純粋なアニメファンに支えられた珍しいロボットアニメなのかも知れません。

3.最後に…

現代の価値観からいけば、子供たちが済崩し的に戦争に身を投じて行くことに強い疑問や拒否感を持つ方も少なくないと思います。

いかにサンライズアニメのコンセプトの中に「15少年漂流記」+「サバイバル」などの要素が含められていたとしてもですが、純粋に「戦争はアカン」と思う方は少なくない。いや、当たり前ですが戦争はダメです。

私もそこは強く思います。

でも歴史や事実は「正確に」正面から受け止めることも重要です。

残酷なことは見せない、教えないで本当にいいのかな。と思わなくもないです。(見せ方や教え方ももちろん重要ですが)

今のアニメは、やわらかくて、優しい作品が多く、こういった戦争描写の多い作品は(時間帯にもよるのかもですが)ほぼ姿を消しつつあります。

その是非を問うための記事ではありませんので、ここであえて深くは掘りません。自分で振っておいて何ですが、できれば、そこに振れるコメントもなしでお願いします…。ごめんなさい。



最後まで読んで頂いてありがとうございました。

(補足)1998年、本作品の外伝扱いで【銀河漂流バイファム13(サーティーン)】が制作されていますが、そちらの作品紹介は割愛させて頂いております。


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