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黙ってらんないから、指先を動かしている



やっぱり、変だよ。
一度そう思うと止まらない。


フリック入力を指先が間違えてはやり直す。

あたまのなかでは、ヤジ、ヤジ、ヤジ。
息継ぎするように指を止め、そのヤジに耳を傾ける。
ひとつひとつ、指先でメモして拾い上げる。


この声を外に出してあげないと、あたまがうるさくて落ち着かない。
入力画面は文字でびっしりと埋め尽くされていた。



「自分の心を大切にする」講座を受けていた。
そこで一部の受講者を中心にトラブルが起きた。


大人気カウンセラーの運営が、LINEのグループチャットでこう書きこんだ。

「このたびは皆様にご迷惑をおかけして申し訳ございません」


そのメッセージのあと、受講者から次々と書きこみがなされた。

「わたしはとくになにも問題を感じてませんよー!」

「大丈夫だと思います!」

「運営さん、いつもありがとうございます!」


そうやって、いま困っているひとの口をつぐませるのを止めろ。

困ってるひとの声を聞かなきゃダメだろ。

不満なんだって、もやもやするんだって、つらいんだって、言えるようにしなきゃダメだろ。


気がついたら、書き殴っていた。



周囲がざわつく。
これでいい。これがいい。


だれも批判することのない楽園は、誰かが人知れず心にフタをしている。
楽園はおのれを問い直さない。
楽園は人の足を踏みつけていることに気づかない。


この場所は停滞し、暴走した。
終わらせよう。議論を始めるんだ。
みんなに、考えてほしいんだよ。



舌先三寸でだまくらかそうったって、わたしの指先は黙らない




※第三者のプライバシー保護のため、架空事例を用いています。




学んだことって、実践したほうがいいじゃないですか。

今作は藤原華さん主催のnoteコンテスト「なぜ私は書くのか」のリベンジです。


以前、こちらの記事でグランプリ、準グランプリ、特別賞の作品の分析を行いました。


そのとき、これらの賞の受賞作品にはつぎのような共通点があることがわかりました。


①書くことの本質を掘り下げる
②普通のことを言う
③はなしに一貫性をもたせる
④冒頭に情景描写を入れる
⑤必殺のパンチラインを入れる
⑥自分のエピソードは最小限にする


今回は、この6つの条件のすべてを満たした作品を書いてみました。

良い作品になったでしょうか。
それとも、上澄みだけ取り入れても、猿真似にしかならないのでしょうか。


今回この作品を書く上で、「3000字以内に収める」という縛りを設けていました。

書いてみた結果、なんと約600文字。
普段余裕で10000字書くので、驚いています。
600文字で言いたいこと言えるんですね〜!


なんでも、やってみるというのは大事ですね。



優秀賞を受賞したわたしの応募作品はこちら


この記事を書いたのはこんなひと


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ZINE「Domanda」では,ADHDと双極性障害と診断され,様々な挫折と試行錯誤を繰り返してきたわたしが,自身の苦労の中で感じたことのエッセイや,生活の中で編み出したハウツーを綴っています。ご興味のあるかたは,こちらの商品ページをご覧いただければと思います。

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