読書録#2「形を読むー生物の形態をめぐってー」養老孟司

初版は1986年、著者が49歳のときに書いた本が加筆修正され、ヘッケルによって描かれた海産無脊椎動物の美しいイラストを表紙にして新版として出版された。

形を読む 生物の形態をめぐって (講談社学術文庫)

生物の驚異的な形

生き物の形作りで博論を書いたので、そのときに参照した。改めて落ち着いて読み返した。

この本は大きく２つのパートに分かれる。前半は我々がどのように生物の形を捉えるかという哲学的な話。科学の客観主義と我々自身が脳を介して脳を見ているという矛盾を議論する。後半は解剖学、比較形態学、進化学の歴史を紐解きながら、具体的な形の理解の仕方を議論する。