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パレスチナと日本のエシカルを繋ぐ会

日本で盛り上がりつつあるエシカルという言葉。パレスチナにも動きがあるんです――。

先日行ったオンラインミートの内容をシェアします!イベントタイトルは「Online Open Chat on Veganism+Eco Worldwide!」で、日パから6人の方にご参加いただき、パレスチナでの社会活動の現状や日本への活動の展開など、幅広く中身は濃くお話しいただきました。

そもそも架け箸の店主髙橋は「エコ」や「エシカル」「諸生物の権利」もろもろに関心がありまして、その経緯からパレスチナのそうした界隈の方々にコンタクトを取ってみよう!と片っ端から連絡してみたのがきっかけで、相手方にいいね!と言ってもらい、

定期的に日パに留まらず各国の活動家が集まって意見交換ができるような場作りをということでスタートしました。

※活動家という言葉は、ここでは社会に何かしら改善点を感じていて、それを何とかしたいと思って行動している方々を指すのに使っています。

という訳で以下目次です。

Palestinian Animal Leagueの活動とコロナ下の状況

パレスチナアニマルリーグは、名前のように動物福祉をテーマに活動されています。子供たちへのワークショップや、アニマルシェルターの運営、獣医師とのネットワーク、ドキュメンタリーの製作などをしていて、最新情報ではパレスチナに動物の救急車を走らせる計画なんだとか。

日本にもないよ!

って思わずツッコんでしまいました。人間の救急車さえ占領下の検問で止められ、病院に間に合わず命を落とす人もいる過酷な環境(!)で、動物たちに目を向けてその生きる権利も守ろうとするのは勇気あることだと思います。

コロナで町の行き来が出来ないなか、団体では各地のスタッフと連携して動物の世話に当たっているそうです。この団体は世界にも繋がりを持っていて、ここでの交流を通して日本でもひとつ協働できる素地が出来たらとお互いに思っています。

②聖典にある動物の扱い方と現代の違い

アニマルリーグ創設者のひとり、アフマド・サーフィーさんは

「人々は動物の扱い方を忘れてしまっている。本来パレスチナにあった教えは、動物の権利を保障し、荷運びのロバなどどうしても使役しなければいけない時は処遇の仕方を適切にするというものだった」

と言います。食用で動物を屠殺するやり方もイスラム教に規定がありますよね(他宗教もありますがここでは出た話をします)。

そして、そもそもパレスチナは肉食文化じゃないよ~という視点から伝統的なビーガン、ベジタリアンの食事を広めているのがSacred Cuisineのイゼルディーン・ナクシュバンドさん。曰く、

「ビーガンという概念はヨーロッパで提唱されるようになり東にも入ってきた。でもパレスチナには元々きわめて菜食な文化がある。我々がするべきことは、元あったその伝統的な土地の食文化に光を当て、人々に味わってもらうこと」

ピリッとしてますね。話のなかでエドワード・サイードの名前も出していました。
オリエンタリズムという言葉を大流行させた学者なんですが、言っていることは西洋が東洋(日本も入ってます)を発見したときに、やたらとエキゾチックな他者としての像を作り上げ、自分たち文明とは違う劣った地域だという理解で政策を決定し、その偏見を持ったまま植民地として支配下に置いたりメディアに取り上げたり色々してきたんだ、ということ。

そういう見方がどこかにあって、また現代においても「西洋が考えた素敵なビーガニズムという生き方」を「遅れている中東やアジアに根付かせよう」という図式になっていると、イゼルディーンは言っていたわけです。

私ははっとしました。

パレスチナにエコやビーガンの団体は無いだろうかと探していた時、似たような考えを持っていたからです。

「パレスチナにはビーガンはまだないかなぁ」と。

そして見つけた団体の人に「私たちはもともとビーガンなんていう概念の前から菜食の文化や動物を敬う文化を持っていたんだよ」と言われて「なるほど!」と。


元々菜食だったというのは、確かに農業民がほとんどだったパレスチナでは頷ける話です。
世界の他の多くの地域と同じように、昔は動物の肉はお客さんが来た時や特別なお祝いの席で提供するものであり、その際には動物を苦しませないやり方で殺す。その方法が聖典に載っているもの。そして、農業や運搬でどうしても必要な時は動物を使ってもよいと。

資本主義や畜産業がやってくるまで、そういう暮らし方が当たり前だったのです。

Sacred Cuisineの活動とビジョン

そんなイゼルディーンさんが手がけるのは、美味しい美味しい料理の数々…!パレスチナの土地の物を使ったお料理、はたまた外国から来たゲストにも腕をふるってもらい、世界の食をパレスチナに持ち込む活動もされています。
ポップアップキッチンで各地を回り、寿司パーティも開かれたとか。

醤油の大ファンで、パレスチナの食材を使って新たな醤油を作るのが目標だそうです。笑 日本にも来られる予定だったのがコロナで延期になりましたが、日々ご自宅から料理動画を挙げていらっしゃいます。

彼は話し出すととても熱い人で、こんな話もシェアしてくれました。

パレスチナの問題は、ここだけの問題じゃないんだ。支配と被支配の構造は今までの歴史で繰り返されてきたこと。土地と密接に結びついた暮らしを送り、豊かな文化を持っていた人たちを、資本主義や経済合理性だけを求める価値観が征服しようとしているという構図だ。
占領は土地も家も文化的遺産もすべて奪ってくる。でも、それだけじゃなく今心や尊厳を侵略されてしまった人がいるのが何より危険な兆候なんだ。

だからね、と彼は言っています。

自分の心に正しく生きることが何より大切なんだ

自分たちが不利な状況で、こうした言葉を抱いて活動をしていらっしゃる、そんなパレスチナの人たち。彼だけじゃないと私は思います。

彼らとの交流から学ぶこと、刺激をもらうことがたっっくさんあるんじゃないかと思ってます。



お二人への単独インタビューもできれば渡航して制作予定・・・!

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架け箸はこれからも継続的にパレスチナを訪れ、日本に出回らない生の情報を発信したいと思っています。いただいたサポートは渡航費用や現地経費に当てさせていただきます。