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【DAY 8】睡眠と免疫力

みなさん、最近風邪をひきやすいなと感じることはありませんか?実は、睡眠が免疫力に大きく関係しているんです。今日のテーマは「睡眠と免疫力」。睡眠がどのように私たちの体を守り、健康を支えているのかを詳しくお話ししていきます。

1. 睡眠中に体が免疫システムを強化する仕組み

睡眠中、特に深い眠り(ノンレム睡眠)では、体内で免疫細胞が活発に活動します。この時、体は「サイトカイン」という物質を多く作り出します。サイトカインは、免疫反応を活性化し、ウイルスや細菌と戦う力を強化してくれるんです(Irwin et al., 2015)。このように、睡眠は体の防御システムを高めるための重要な時間となっています。

ようは
①睡眠を深くしっかりと取る
②サイトカインを多く作り出し、免疫反応を活性化させる
③体の防御システムが高まり、免疫力が高まる

という効果的なサイクルが睡眠をしっかりと取ることによって自然に作り出されるのです。

質の良い睡眠=サイトカイン(免疫細胞)の活性化

2. 睡眠不足が免疫力に与える影響

睡眠不足が続くと、どうなるのでしょうか?

実は、十分な睡眠が取れていないと、サイトカインの生成が減少し、免疫細胞の働きも低下してしまいます。その結果、風邪やインフルエンザにかかりやすくなったり、病気の回復が遅くなることがあります。ある研究によれば、睡眠時間が6時間未満の人は風邪にかかるリスクが4倍になるという結果も出ています(Prather et al., 2015)。

※基本的に睡眠研究の場では睡眠時間で群分けをする際、6時間未満を「短眠群」、6~9時間以内を「中間群」、9時間以上を「長眠群」のようにして区別します。

7~8時間睡眠くらいが理想とされているよ!

3. 睡眠中の「免疫メモリー」

もう一つ大切なポイントは、睡眠が「免疫メモリー」と呼ばれる仕組みをサポートしていることです。この免疫メモリーとは、過去に体が遭遇したウイルスや細菌を記憶し、次回同じものに出会った際にすばやく対処できるようにするシステムのこと。十分な睡眠を取ることで、このメモリーがしっかり機能し、体が効率よく病原体と戦うことができるんです(Besedovsky et al., 2012)。

同じ病気にかかりにくくなるのはこのメモリーのおかげなんです。しっかりと寝ることは体にとっていいことしかないですね。

まとめ

睡眠は、体の免疫システムをサポートし、病気に対抗する力を高めるために欠かせないものです。風邪が流行る季節やストレスが多い時期には、しっかりと睡眠を取ることで免疫力を高め、健康を保つことが大切です。

これからの季節、空気が乾燥して風邪が流行ってくることが考えられるため、睡眠をしっかりと取ることによって個々の免疫力を高め、大切な時に風邪をひかない強い体を目指していきましょう!

次回は、「睡眠と肥満・体重管理」についてお話しします。一見関係なさそうな睡眠と肥満は、実は大きく結びついています。睡眠をしっかりと取ることはダイエットにもかなり効果的なのです。次回も一緒に学んでいきましょう。

参考文献

  • Besedovsky, L., Lange, T., & Born, J. (2012). "Sleep and immune function." Pflügers Archiv - European Journal of Physiology, 463(1), 121-137.

  • Irwin, M. R., et al. (2015). "Sleep and inflammation: Partners in sickness and in health." Nature Reviews Immunology, 16(7), 448-459.

  • Prather, A. A., et al. (2015). "Behaviorally assessed sleep and susceptibility to the common cold." Sleep, 38(9), 1353-1359.

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