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筋金入りのワル

私は筋金入りのワルだ.
私がどれだけのワルなのかを紹介したい.

〜小学校入学前

時は1990年代.
ドラゴンボールが空前のブームを巻き起こしていた.
私は,漫画を描くのが大好きな子供だった.
悟空が好きで,特にその髪型の刺々しい感じが大好きで,友達が外で遊んでいるのをよそに,それはもう泣きながら,自分の顔面を精一杯,紙に近づけ,ものすごい筆圧で,表情も悟空と同じ顔で,うまく書けるまで,何度もその髪を描いたものである.
また,ゲームボーイも近所の兄ちゃんに貸してもらい,親に隠れて星のカービイをプレイしていた記憶もある.

小学校低学年

漫画を描くのが好きなことや,ゲームボーイに熱中したのが祟り,小学校1年生の視力検査では,左目C,右目Cという結果を叩き出す.

世はスーパーファミコンが圧巻せられた時代である.ストⅡで指豆を作りながら,達成感を覚えていたあの時代だ.

それを母親が黙って見ているわけがあるまい.
小学校2年生から転校したのだが,それと同時に,スーパーファミコン禁止令が下り,バッテリーを隠された状態が1年ほど続いた.

マリオカートや,ロックマンなどキラーコンテンツを一度も保有せず,小学校時代を終えるのだが,そんな律儀に言いつけを守る子供がどこにいようか.友達の家で宿題すると言いては,ゲームに勤しんでいた.

小学校3年生になり,いよいよ黒板の字も見えにくくなり始めた頃,親から先生に対して,座席を最前列にせよという声が届いたらしい.
好きな子と横になれるかなと,1ヶ月に一度のワクワク,ドキドキの席替えイベントが失われてしまった.ここからメガネをかける小学校5年生まで,前列を陣取る.

お気づきの方もいるだろうが,筋金入りのワルとは,超ど近眼を意味している.

視力検査

視力がワルくなってくると,視力検査が最も苦痛なイベントになる.それが学期始まりの年3回ほどあるのだから,その重荷は,視力の良い方からは想像できないと思う.

学校によると思うが,保健室にクラス全員が入り,一人ずつ,みんなの視線を浴びながら,円の空いている方向を声に出していう.そして,みんなから,「えーあれ見えないの」とか,そういったヤジを受けなければならないかった.幸い自分は,出席番号が真ん中だったから,必死に前の人がやっているのを記憶して頑張っていた.

小学校高学年になると徐々に目がワルくなる友が増えるため,あくびで涙をためて,擬似的にメガネを作り出す技や,指で目を引っ張り上げる技を学び,なんとか視力検査を乗り切っていた.

小学校高学年

4年生になった時,コンタクトレンズというものをひょんなことで知った.ハード,ソフト,度数等,当然ながらなんの知識もない自分は,これをつければ,目が見えるものだと思い,視力検査の前日,母親に
「めっちゃ見えるようになってきた.明日は,BB出すわ」と宣言をする.

そう,何を思ったか,無謀にもコンタクトレンズをはめて,視力検査に臨もうとしていたのである.実に浅薄である.

胸が高鳴る中,両親が起きないよう,床をゆっくり踏みしめながら洗面台に向かう.
何度挑戦したか,ようやく入ったものの,

「いったー!」

親にコンタクトを外してもらうよう懇願する.

「だから,あんた明日目が見えるゆうたんか!」と怒られ,
それから,視力回復センターに,月一程度収監されることになる.

そこでの訓練は,室内凝視訓練法という訓練法で,八角形の形をした土台で,8つほど例の円が並んでいて,それを順に空いている方向を答え,あっていれば,徐々に後ろに下がっていくというものだ.

家でも訓練するために,おそらく高額だっただろうが,機械を購入していた.恥ずかしかったので,友達が家に来た時は,見つからないよう戸棚に仕舞い込んでいた.
テープに合わせて,訓練するのだが,いまだにそのリズミカルな音楽を口ずさむことができる.

その訓練効果は正直今もわからない.親が高額を支払っていることは察していたので,前述の擬似メガネ創出技法で,回復したことを装っていた記憶がある.

メガネと自分

小学校5年生からメガネをかけ始める.
ちなみにすでに左,右両方とも0.1~0.2位だったと記憶している.
この位だと,裸眼で黒板とかの文字は3列目くらいから見えないが,ドッジボールといった球技や,遊ぶことに関しては問題なかったので,授業中だけメガネをかけていた.

この頃はまだメガネをかけている人が少なかった記憶がある.40人のクラスでおそらく3人ほどだった.
遠視用メガネをかけている人も一人くらいはいたのだが,遠くは見えるのだから,それはメガネ友達ではなかった.
遠視の方の苦しみがわからないため,語弊を生んでしまうが,ど近眼の自分からすると,遠くを見えるというのが羨ましかった.

どれだけ,初めて授業でメガネをかけるのに度胸を要したか..
今は,もう少しメガネ人口が増えている可能性もあるので,わからない感情かもしれないが,とてつもなく恥ずかしいことであった.
ちょうど同時期にメガネを購入した友達がいたので,お互いに目を見合わせて,今,俺かけたぞ!とテレパシーを送って妙な安堵感を得ていた.

中学校

中学校入学直後のイベントに野外活動というイベントがある.制服を着たり,やたらと校則が厳しくなり,反抗したくなる年頃ではあるが,そんな中で結束力を高めようというイベントだ.

その野外活動の中で,球技大会としてドッジボールがあり,それだけは楽しみにしていた.なぜなら,小学校時代ドッジボールが得意だったからだ.

しかし,フィールドにたった途端,自分の視野に愕然とする.

ボールが見えないのである.

微かにボールの赤色がぼやけて見えるだけで,勘でボールをさばかなければならなかった.

この時点でおそらく0.1を切っていたことが想定される.

中学校2年からは,メガネを常着用生活であった.コンタクトも一時期つけたが,手入れ等が難しく当時の自分にはまだ早かった.

受験勉強も相まって,視力が落ち,メガネをかけると目の大きさが半分くらいになり,メガネ越しにゆがんだ風景が映るほどの厚底のメガネを着用していた.

この時点で目のワルさで自分の右に出るものはいなかった.

高校

高校からはメガネをやめて,コンタクトレンズをつけることにした.最初の頃は1dayのコンタクトをつけており,夕方に寝てしまい,コンタクトが目に張り付いて取れないという恐怖を何度も体験する.
度数は-7位だった記憶がある.

大学〜30半ば

以降は,コンタクト一筋である.
コンタクトの度数は-9.0.
この度数を上回る猛者を,自分の周りでは聞いたことがない.
調べてみると今は-16.0位まで作っているメーカーもあるようだから,自分よりど近眼の人はもしかしたらいるかもしれない.
全国民の近眼者の上位5%には入っている気がしている.

現在

20年くらい,肌身離さずコンタクトとお付き合いしてきた.
しかし,妻からも失明のリスクが高まるし,やめたほうが良いのではと言う声もあり,牛乳瓶メガネをもう一つ新しく作ることにした.

メガネの作り方で,これまでと一つ異なるのは,妻の知り合いで視力回復アドバイザーなる方がおり,その方の元へ,遥々地方へお邪魔し,メガネを作っていただいたことである.

メガネを作りはするのだが,合わせて,本当かどうかは正直わからないが,超音波を発する,視力回復のマシンを使うと目が良くなるらしいのでそれを合わせて行うというものである.


ちなみに,私は,相当疑い深い.前職でコンサルタントであったのもあり,基本批判的態度が思考癖である.

また,こういう系か.と思いつつも面白いなと思った主張が,

脳で我々はモノを見ており,視力低下は脳の錯覚によって起こっていると言う.錯覚というか,見えない状態を記憶してしまっている.(あくまで私の小さい頭での解釈であるため,医学的な信憑性がなかったり,あるいはその方の主張と認識齟齬があったりするかもしれないことは了承いただきたい)

うまく説明できないが,メガネを作る工程の一つに,十字の影がうまく投影されているかを目で確認するのだが,面白いことに目が十字にしようと自動で補正しているような感覚を味わうことができた.

これは,もしかしたら,見えている状況を脳を錯覚(記憶)せしめれば,視力が回復するのでは?と思った次第である.
超音波は,血行を良くするモノ?であり,別の話ではあるものの,それを補佐するようなものらしい.
メガネは分厚くしていくことが私の中の常識であったが,あえて度数を下げて行って,少しずつ見えるようにするという方法が意外とありうるのかもしれないと思ったのが面白いと感じた点だ.

実はすでに3週間くらい,超音波機器を当てている.
最初はメガネの度数が最初は合っていなかったが,おそらく今は,1.2くらいは見えていると思われる.

疑い深い自分の見解としては,これまでコンタクト一筋で眼輪筋がガチガチだったのが,単純に以前より目を使うことによって,多少見えるようになったのではないかと思っている.

ちなみに,メガネを作ったときの検眼の結果では,私の視力は0.01~0.02位だ.

最後に

取り止めのないワルの話になってしまったが,

要は,視力回復に再度挑戦しようと思っている.

小学校時代,視力検査前の晩に泣きながら神様に視力回復を懇願していた位悩んでいたので,回復したらどれだけ嬉しいことか.

また,自分のように視力に悩む方のいるかと思うので,何かの一助になれないか.

そのために,これからは目や,視力回復に関して,圧倒的なワルである利点を活かして様々な視点から考察をしていきたいと考えている.










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