【1日1冊書評】「○○とは」という問いに向き合う思考法/問い続ける力
・答えを求める「では派」と問いを求める「とは派」
・イノベーションを生み出す問い
・一流と呼ばれる人たちの問いと思考法
・長沼伸一郎(物理学者)
・出口治明(立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命保険創業者)
・御立尚資(ボストンコンサルティンググループシニア・アドバイザー。京都大学客員教授)
・寺西重郎(一橋大学名誉教授)
・岩佐文夫(フリーランス/編集者。元DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集長)
・若林恵(編集者。元WIRED日本版編集長)
・二村ヒトシ(アダルトビデオ監督)
・松嶋啓介(料理人・レストラン経営者)
・松王政浩(北海道大学大学院理学研究院教授)
本書は、前半が「問い」について、深く思考されていき、後半は著者が一流の人たちと対談し、「問い」や「思考法」について理解を深めています。
<問いの重要性>
「ニュータイプの時代(著)山口周 」に、「正解を出す力」に価値はない、「問題解決から課題設定へ」とあります。20世紀後半のテクノロジーの進化により、日常生活に存在していた課題の多くは解決されました。現在は、解決手段が過剰供給される状態になり、「問題の希少化」が発生しており、問題を発見し、提起する人が重要になるとありました。
<そもそも論>
本書では、「では派」と「とは派」、ニュータイプの時代では、「正解を探す」と「問題を探す」と対比がありますが、答えを見つけるのではなく、「あるべき姿」を探すということが重要になります。
本書のなかで、一流の人の「問い」として、日本初プロゲーマーの梅原大吾さんの「うまさとは何か?」、また元プロ陸上選手の為末大さんの「足が速いとはどういうことか?」といったような、一流の人々は、そもそもの「問い」の考えるはじめる場所が違います。
これが、「どうやったら操作スピードをあげられるか?」「どうやったら足の回転速度をあげられるか?」という解決手段であれば、ある程度答えは存在していたかもしれません。しかし、「そもそも論」ともとれるような誰もが考えていない部分から考えることで、新しい「問い」を発見できることに繋がるのではないでしょうか。
<問い続ける方法>
「問い」が大事とはわかっていても、「問い続ける」のは非常に難しいです。特に、本質的な「問い」になればなるほど、考えがまったく進まないため、わかりやすい答えに走ってしまいます。本書では、著者が問いがまったく進まない場合に、どう考えていたかというプロセスを紹介してくれています。
研究の世界で、思考が進まない要因
・そもそもの問いの設定が間違っている
・→ 問いを取り組みやすい形に小さく分解する
著者の経験から思考が進まない要因
・問いが難しすぎる場合
・知識があまりに足らなすぎる場合
・→ 似たような問いが過去にないかを調べる
本書では、簡単に「問い」を見つけたり、「問いの答え」を見つけるための正解は、提示されていません。しかし、一流の人たちが「問い続けている」ことを知ることができます。まずは、答えがすぐに出せないことになれ、「問い続ける力」を身につけていくことが大事だと思いました。
「問い」が重要になってくる上で、どう「問い」と向き合うかの心構えを磨くことができる本だと思います。ぜひ、読んでみてください!
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