NETFLIXの最強な組織の作り方 / NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX
・スター以外は、退職させる
・ルールを設けることで、クリエイティビティは低下する
・有能だが、協調性のないやつはいらない
上記は、「NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX」にある内容です。NETFLIXは、サービスとして利用しているユーザではありますが、どういう会社かは知りませんでした。本書にも書かれていますが、NETFLIXはカルチャーをWeb上(こちら)に公開していますが、マネージャーが引き止める必要がないと思えば、チームから切り捨てられるとあります。また本書でも、「スター以外には即座に十分な退職金を払い、スターを採用するためのスペースを空ける」というショッキングな内容が記載されています。
優秀な社員を採用するということは、どこの会社でも実施しているかもしれません。しかし、スター以外を退職させるというのは、グローバルで展開しており、8000人超という社員数では、中々見られない組織ではないでしょうか。
Netflix は、少数ではない最強の精鋭組織の作り方のひとつが提示されていると思いました。導入すべきかどうかは企業によって異なると思いますが、経営者や人事は必見の価値があると感じました。
Netflixではマネージャーが部下に対して行う「キーパーテスト」という判断基準を重視しています。あるメンバーが他社への転職を考えている場合、直属のマネージャーはそのメンバーを引き止める努力をするかどうかを天秤にかけます。これをキーパーテストといいます。マネージャーが引き止める必要はないと判断した場合、Netflixはその社員の意向を受け入れて直ちに十分な退職金を提示し、そのポジションにより適した人材を探して、ドリームチームを強化します。チームから切り捨てられることは残念でしょうが、恥ずべきことではありません。ドリームチームの一員として刺激的な日々を過ごしたことは自身のキャリアにおいて、そしてプロフェショナルとして良い経験になることでしょう。
引用:Netflixのカルチャー
スター以外は、退職させる
Netflix が、スター以外は退職させるという方針は、Netflix が過去の危機から得られた教訓のようです。それは、2001年のドットコムバブルがはじけた際に、当時の120名社員のうち、1/3 になる40名をレイオフしています。レイオフはつらい経験であり、その後も社内の雰囲気は良くないだろうと考えていましたが、実際には、社内の空気は良くなり、少ない人数で以前よりも多くの仕事に情熱をもってやり遂げることができました。
そして、その要因は、「能力密度」が劇的に高まったからとあります。能力密度とは、一人あたりの能力の高さを表す言葉として使われています。つまり、レイオフにより社員の数は減りましたが、社員数における優秀な人数の比率が高くなり、能力の総量は減少しましたが、能力密度が高くなったとあります。そして、優秀な社員は優秀な人と働きたいと思うので、能力密度が高い環境では、前述したように情熱をもって仕事をやりとげることができるとあります。
ルールを設けることでクリエイティビティは低下する
Netflixの創業者リード・ヘイスティングスは、最初に「ピュア・ソフトウェア」という会社を創業した際の経験から、Netflixでは、ミスを防ぎ、ルールに従うことよりも、柔軟性や自由やイノベーションを重視しています。それは、ピュアソフトが成長し社員が増えるなかで業務のなかでミスが発生するのを防ぐために様々なルールや管理手続きを増やしていきました。
そして、上記のようなルールや管理手続きを増やした結果、効率はあがったが、クリエイティビティが低下したとあります。
これは、ルールや管理手続きが増えたことにより、ルールのなかでうまくやれる人が出世していくようになりましたが、クリエイティブな一匹狼のようなタイプは会社を辞めていったからです。
実際にスタートアップで働いていると、企業が大きくなる段階で創業初期にいたメンバーが抜けていくことがあります。そういうメンバーは、前向きな理由も大いにありますが、企業が大きくなることで縦割りの組織や細かいルールなどが嫌で辞めていくこともよくあると思います。Netflixのやり方は、たしかに優秀な人材を維持してもらうための重要な施策だと感じました。
有能だが、協調性のないやつはいらない
これだけ聞いていると、どこかの金融系企業のように能力だけで判断しているように感じますが、Netflixの採用要件は能力だけではないところが今までの成果主義一辺倒の企業と異なる部分だと感じました。
本書にありますが、「有能だが、協調性のないやつはいらない」とあり、Netflix の職場では、能力だけでなく、協調性も重要視されており、またフィードバックをする際にも、そのためのガイドラインも設けられており、ただ仕事ができるものが優遇されるわけではないようです。
Netflixの職場は、一見すると心理的安全性が高いとは言い難いですが、実際には、能力だけでなく、協調性も含めて一流の人たちを獲得していることが、強さの源泉になっているのではないでしょうか。
驚いたのが、Netflixについて調べていると、2019年に発表された社員の幸福度ランキングでは、1位にランクインしていたという記事がありました。
ビジネス特化型匿名SNS「Blind(ブラインド)」は1月16日、1万人超のビジネスパーソン(勤務先のメール認証済みのユーザー)を対象に、自分の働く職場環境についてのアンケート調査を実施。結果を「従業員の幸せ度ランキング」として公表した。
質問は「現在の職場で働いていて幸せですか?」だけで、ブラインドの認証ユーザーが所属する企業の絶対数に影響を受けやすい面もあるが、参考値として、ランク入りしたトップ15社を見ていこう(数字はすべて2020年1月21日時点で判明しているもの)。
引用:https://www.businessinsider.jp/
本書では、ルールを撤廃・廃止することでどういうトラブルがあり、どう対処してきたかが書かれており、実際の現実で起きそうトラブルを知り、どう対処するかが見える具体的な内容でした。
支援は、コミュニティ研究の取材、サービス開発などに費用にあてさせて頂きます。