アウトプット

【1日1冊】事業からパフォーマンスの高い組織タイプを見極める / THE TEAM 5つの法則(著)麻野耕司

こんにちは。
本日は、「THE TEAM 5つの法則(著)麻野耕司」の紹介をします。
本書は、チームのパフォーマンスを最適化させるために、チーム環境や活動内容などのタイプで分類し、アプローチする法則がまとまったものです。

読書テーマ

「パフォーマンスの高いチームをデザインするには、どうすればよいか?」という問いをもって読みました。

組織論やチーム論については、すべて同じものとして語られることが多いです。「成果を出している企業・チームは、○○の値が高い」という話のようなケースです。

THE TEAM では、「チームづくりに唯一絶対の正解はありません。」とあります。それは、チームは置かれている環境や取り組む活動によって異なるからです。

これは、Google のようなインターネット企業と、コンビニの加盟店のチームとでは、どういうチームづくりがパフォーマンスに効果があるかは異なります。

組織やチームのパフォーマンスを向上させるというMissionがある場合に、どのタイプのチームが適しているかを分析できるようになります。

5つのABCDE法則

THE TEAM では、5つのABCDE法則として紹介されています。

- Aim:目標設定の法則
- Boarding:人員選定の法則
- Communication:意思疎通の法則
- Decision:意思決定の法則
- Engagement:共感創造の法則

チーム作りに必要な要素を体系的に学ぶことができます。

Boarding:人員選定の法則

チームづくりにおいて、誰をメンバーにするかというのがとても大事になります。メンバーは、入り口となる「採用」と、出口となる「入れ替え」が必要になります。
チームでは、入り口部分についてもどういう人物を採用するかは語られる事が多くありますが、同じような人を採用するべきか、多様な人を採用するべきかは、企業文化やスタンス以外に明確な理由をもたないケースが多いと思います。

本書では、2つの軸から4つのタイプにわけ、どういうチームがパフォーマンスが向上するかを分析しています。

事業の「環境変化」と「人材の連携」によるタイプ

チームのタイプをわける 1つめの軸が、「環境変化度合い」、2つめの軸は、「人材の連携度合い」

- 環境変化度合い:大、人材の連携度合い:大 :サッカー型
- 環境変化度合い:小、人材の連携度合い:大 :野球型
- 環境変化度合い:大、人材の連携度合い:小 :柔道団体戦型
- 環境変化度合い:小、人材の連携度合い:小 :駅伝型

スポーツの型としての分類は、対戦相手との接触が多い場合は、環境変化度合いを大きいになっています。また同じチームの連携が多い場合は、人材の連携度合いが大きいになっています。

サッカー型の組織は、スマホアプリ開発のようなチーム。Webサービスの開発など市場の変化するスピードが早く、プロダクト開発に関わるいろんな職種(PM、エンジニア、デザイナー、ディレクター、サウンドクリエイター、、)などとの連携も多く発生する

野球型の組織は、区役所などのチーム。区役所の業務自体は、大きく変化があるものではない。区役所内はいろんな部署に分かれており、各部門で連携することが多く発生する(と思いました)

柔道団体戦型の組織は、学校や塾の先生のチーム。教育の現場は、生徒の状況(理解度や出席状況)によって対応が変わります。ただ授業時間は1名で対応するため、先生間の連携は多くありません。

駅伝型は、コンビニの加盟店チーム。コンビニの業務はレジ打ち、品出しなどで基本的な業務は定型化されており変化がありません。店舗にでているメンバーも1-2名ということが多く、メンバー同士での連携も発生は多くありません。

このタイプ別は、Boarding:人員選定で説明されていますが、

環境の変化度合いが大きい場合は、相手チームの状況によって、自分たちのチームの動きが変わります。ビジネスで考えると、市場がすぐに変わってしまう場合は、それにあわせて適した人材をリストラ(再構築)する必要があります。変化が激しい市場で育成できるのをまっているわけにはいかないため、人材は流動的にならざるをえません。

逆に環境の変化度が小さい場合は、どんなときも、自分たちのチームの動きは変わりません。

ビジネスで考えると、市場が変わらない場合は、最初から適正な人材を採用し、いかに練度をあげるかが重要になってきます。そのため人材は固定的になります。

人材の連携度合いが大きい場合は、メンバー毎によって業務を分担することになるので、多様なメンバーを揃えほうがパフォーマンスがあがります。スマホアプリの開発に、全員PMであれば、開発ができないというイメージはわかりやすいと思いますが、いろんなメンバーが得意な領域で成果をだすことで、1+1を2以上にするということが重要になります。

逆に人材連携度合いが小さい場合は、メンバー毎の分担は発生しないので、同じ用な基準でメンバーを揃え得たほうが全体のパフォーマンスがあがります。塾の先生であれば、先生としての能力が全員高いほうが望ましいのがイメージできると思います。個人毎に同じ評価軸で評価することが重要になります。

チームづくりは、唯一の正解はない

実際のビジネスの現場では、業務環境や連携度合いに関わらず、「メンバーの多様性があったほうがいい」「長く務めている方がいい」などといった、どこかの企業の成功事例を自分たちの企業で適用しようとする場面が多くあります。

たしかに、他社の成功事例は学びが多いです。しかし、自社で適用できるかどうかは、そのまま適用するのではなく、一度抽象化したうえで、自社に適用するにはどうするかというのを考えることが重要です。

まさに、最初にありましたが、チーム作りは、唯一の正解はなく、チーム毎に少しずつ形にしていく必要があると思いました。

本日のメモ

チーム論に、スポーツの例えがすごいわかりやすいですね。

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小倉 研太 / プロマネ x フルリモート
支援は、コミュニティ研究の取材、サービス開発などに費用にあてさせて頂きます。