【1日1冊】レガシー企業でイノベーションを起こす方法 / 市場を変えろ 既存産業で奇跡を起こす経営戦略(著)永井俊輔
- date:2019.11.20
こんにちは。
本日は、「市場を変えろ 既存産業で奇跡を起こす経営戦略(著)永井俊輔」を読みました。著者は、クレストホールディングス株式会社代表取締役社長。永井氏の父親が創業した看板の製作施工やショーウィンドウディスプレイの設計施工が主軸の株式会社クレストに入社されます。その後、看板事業でデジタル化を図り売上を4年間で2倍に成長させ、ショーウィンドウやディスプレイの効果検証ができるリアル店舗解析ツール「エサシー」を開発されるなど、まさにレガシー産業・中小企業でイノベーションを実現されている方です。
本書では、LMI(Legacy Market Inobation)というフレームワークを提供してくれていますが、まさに先日の両利きの経営(記事はこちら)でも言えることであり、そのなかの①レガシーの斬新的成長は、まさに中小企業やローカル企業で感じている課題を解決することで実現しています。
そして、そのアセットを活用し、②イノベーションにチャレンジし、③LMIの実現 をするというフレームになっています。
本日の1枚まとめ
本書の中では、レガシー企業の弱みとして、熱意や能力をもつ働き手がいない、新しいテクノロジーの知識やノウハウがない、そして、資金調達が難しい。とありますが、それ以外の強みがあるため、LMIというフレームワークでイノベーションを実現し、成長することが可能だと述べられています。
強みの部分は、過去の活動を通じて蓄積されている顧客、その関係性、その業界におけるバーティカルな専門性、既存事業の収益などがあるとあります。そして、デジタル化が進んでいないからこそ生産性をあげ収益化させる可能性がある とあります。(これはまさに実感しています!)
このあたりは、なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書)を読むと学びが広がっていきます。(*こちらのLは、ローカルのLです。)
そして、大企業になると、より保守的な傾向が強くなるため、中小企業であることで小回りがきき変革がしやすいということをプラスにしています。中小企業、たとえば、30〜100人程度であれば、社長が音頭をとり、主要メンバーを巻き込むことでデジタル化を進め、既存事業の生産性をあげ、得られた収益で新規事業を生み出すことも可能かもしれません。
最初の①レガシーの斬新的成長を起こすために、クレストが取り組んできた7つのフェーズを紹介してくれています。これは中小企業の変革フェーズではテンプレートにすることがえきると思います。
特に既存事業のやり方が染み付いている人たちに、突然、「デジタル化だ!」といっても反発されるか、素直に従いながらも何もやらないというのは往々に発生します。
これを理解してもらうためには、相手の懐にはいり着実に変化をしていく必要があります。どうしてもデジタル側が得意な人はこの相手側の気持ちが理解できずにうまく行かないことが多いです。何十年もやってきた方法をいきなり否定されれば変化を拒絶するのも当然の結果だと思います。
本書では、どうやってレガシーな企業を変化させるかも参考になります。
①オーガニックフィットフェーズ
- 会社に文化に自分をフィットさせる
②共感フェーズ
- 社内に仲間を見つける
③構造化フェーズ
- レガシーアセット、事業の分析
④デジタル化フェーズ
- 非効率なアナログ業務の効率化
⑤クイックウィンフェーズ
- デジタル化の小さな成功体験
⑥データドリブンフェーズ
- デジタル化で業務を可視化する
⑦経営理念浸透フェーズ
- 経営理念を最上位概念とし定義し浸透させる
中小企業にかかわるかた、地方企業で何とかイノベーションを起こしたいと考えられている方は、ぜひご一読ください!
本日の一冊
読んで頂き、ありがとうございました。
メモ
以前、まとめた「なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書) 」はnoteの記事にしてなかったので、まとめの1枚だけ載せておきます!
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