【1日1冊】顧客と一体するコミュニケーション/リアルビジネス3.0(編)日経トップリーダー
- date:2019.11.21
こんにちは。
本日は、リアルビジネス3.0 あらゆる企業は教育化する を読みました。本書は中小企業向けの月刊経営誌「日経トップリーダー」の特集記事「あらゆる業界の企業は『教育化』する」が基になっているということでした。
本書を読んで感じたことは、斬新的成長(サービスの価値向上)の方法として、「顧客の成功」を顧客と企業が一体となって目指すことで、顧客と企業でストーリーを作ることが重要になってくるということかなと思いました。
本日の1枚まとめ
ここで言われている「教育化」とは、顧客に対して、モノやサービスを提供するだけではなく、顧客の成功に導くために、情報やサービスを提供することを指しています。「教育化」することで、顧客が企業・サービスの「応援者」になり、さらに継続してLTV(顧客生涯価値)をあげてくれることになるとあります。
考え方は、カスタマーサクセスに近いですが、本書は「教育化」をビジネス3.0として定義し、様々な中小のローカル企業の事例がたくさん掲載されているので、ネット系以外の会社でも参考にしやすいかと思いました。
「教育化」を実施している企業例
・東邦レオ
- 人間関係も良くします!住民の対立に首を突っ込む 緑化会社
・花ひろばオンライン
- 部活動型ビジネス 人気集める「花ひろば学園レモン部」
・サトーカメラ
- 顧客一体経営の模範店 カメラではなくではなく、「撮る楽しさ」を売る
・ワコン
- 和歌山の保冷箱メーカー 合言葉は「箱を売るな、温度を売れ」
引用元:リアルビジネス3.0
本書の事例として、東邦レオは、屋上緑化の企画施工では業界トップクラスでしたが、2012年に新たにマンションの植栽管理事業を本格的にスタートさせます。植栽管理事業は、植木の販売や、植裁のメンテナンスになります。しかし、大型マンションなどでは、住民同士が好みの草花やコスト感覚も異なり合意形成が難しいことに着目します。
そして、東邦レオは、顧客へ「良い住環境」の提供するために、マンションの理事会の植裁委員会の立ち上げや、住民間の意見対立の調整、イベントの開催なども実施し、また植裁の手入れもマンションの住民ができるように教育することでコストをおさえる方法を教育しました。このようなサービス単体では収益があがることはありません。しかし、結果として、年商10億円ほどの売上までに成長しています。
他の会社のエピソードでも語られますが、「顧客にあえて商品を売らない」というケースがよくでてきます。「損して得取れ」のように、短期的な売上ではなくマンションの利用者が長期的に植裁を楽しんで、契約し続けてくれること(LTVを最大化させること)を目指し、成功しています。
顧客が「応援者」にかわる瞬間について、企業が顧客に対して販売を目標にしているのではなく、顧客の成功(ここでは良い住環境の実現)を目標として、企業と顧客が一体となっていると感じてもらえたときに変化しているとあります。この企業と顧客の関係性があるからこそ、高いLTVが実現できていると感じました。
この「教育化」は、ファンベースでいうところの、「共感」「愛着」「信頼」のアプローチに思えます。
各事業者の事例をみて、一方的に顧客に知識を発信しているわけではなく、顧客の目的、現状をヒアリングした上で、ソリューションを提供しています。そして、一緒に課題を解決するような体験をすることで、企業やサービスの応援者 / コアファンになっていると感じました。
ただ、この「教育化」をどう設計しマネタイズしていくかという点は、色々な事例があるため単純に自社で導入して成功するとは限らないので、難しいなと感じまいた。
マーケティングやカスタマーサクセスに興味があるかたは、ぜひ一読ください。
本日読んだ本
本日のメモ
・教育化によって、どれだけの自社の顧客が応援者(コアファン)になっているかも計測できるとおもしろいかもしれない。また教育施策も施策がリテラシーの高低や接触頻度の高低などでわけるとよい効果の分析ができるかもしれない。
支援は、コミュニティ研究の取材、サービス開発などに費用にあてさせて頂きます。