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ベジ議連第二回リポート

 ベジ議連(正式名称は「ベジタリアン/ヴィーガン関連制度推進のための議員連盟」)は、2020年東京オリンピック・パラリンピックを前に日本のベジタリアン・ヴィーガン環境を整備することを目指す超党派の国会議員による議連です。

 2019年11月の設立総会(リポートはこちらから)に続き、衆議院第二議員会館にて2019年12月2日に総会が開かれました。設立総会のときは話題性もあり、各メディアの取材で賑わっていましたが、この日の報道陣は数社のみ。報道のフォローアップも期待したいところです。

 総会では「ベジタリアン・ヴィーガンのJAS規格化を目指したい」という河村建夫(衆議院議員)会長の挨拶に続き、以下の役員人事が承認されました。

会長:河村建夫衆議院議員(自民党) 顧問:漆原良夫前衆議院議員 会長代行:石田祝稔衆議院議員(公明党) 副会長:荒井聡衆議院議員(立憲民主党) 副会長:岸本周平衆議院議員(国民民主党) 事務局長:松原仁衆議院議員(無所属)

 この日の総会には河村建夫会長と松原仁事務局長が出席。松原議員のサイト掲載の政策ビラフェイスブックでも情報が発信されています。

※ベジ議連については海外の関心も高いそうです。東京ヴィーガン共同代表ナディア・マケックニーさんのご協力により、David Buistさんが翻訳してくれた英語版を日本語版の後に掲載しています。(You can find the English version translated by David Buist, for Tokyo Vegan, below the Japanese version.)

出席者の中には菜食を実践する議員も

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 国会会期中ということで議員会館の会議室では様々な委員会等が開かれており、議員も掛け持ちであちこち参加しているようでしたが、この日のベジ議連には以下の議員が参加していました(順不同)。高井議員、宮地議員、川田議員は設立総会に続いての出席です。各議員のブログやSNSでの発信はリンクを貼りました。

高井崇志衆議院議員(立憲民主党)12月2日のブログ
山本博司参議院議員(公明党)
塩村文夏参議院議員(立憲民主党)12月2日のツイッター
宮地琢磨衆議院議員(自民党)
池田真紀衆議院議員(立憲民主党)フェイスブックに言及あり
川田龍平参議院議員(立憲民主党)
高橋ひなこ衆議院議員(自民党)
大河原雅子衆議院議員(立憲民主党)
小宮山泰子衆議院議員(国民民主党)12月2日のホームページ
杉本和巳衆議院議員(日本維新の会)フェイスブックに言及あり。

 議員の皆さんのホームページやSNS等を見ていくと、動物や食の問題などについて普段から活動している議員も多いことがわかり、非常に興味深いです。これらの問題が国会でどのように議論されているのか、もっと情報が欲しいですね。

 設立総会に出席した堀越啓仁衆議院議員は天台宗僧侶で精進料理に親しんでいる上にミートフリーマンデーも実践しているとのことでしたが、杉本議員も菜食を実践しているそうで、この記事(NHK政治マガジン 永田町・霞が関のサラメシ「菜食ランチで『ヤジ』も消えた!?)によれば、菜食で健康と精神的な安定を手に入れたとか。高橋議員からも「ベジタリアンや有機農法でつくられた食品が以前から大好き」という発言がありました。せっかくベジ議連なわけですし、こういう話題をもっとアピールすることでベジタリアンやヴィーガンの一般化にも役立つのではと思います。

 オブザーバーとして出席した関連団体・個人は以下の通りです(敬称略)。今回は、台東区文化産業観光部観光課からも参加がありました。台東区には上野や浅草など外国人が多く訪れる観光地があり、多様化する食のニーズに対応するための支援を区内の飲食店に行うなど、台東区はいわば「食のおもてなし」の先進自治体です。台東区の取り組みについて私が以前取材した記事もご参照ください。

垣本充(NPO法人日本ベジタリアン協会代表)、川野陽子(NPO法人ベジプロジェクトジャパン代表)、小城徳勇(ミートフリーマンデー・オールジャパン代表)、関根彩子(国際環境NGOグリーンピース・ジャパン スタッフ)、利根川正則(㈱グローバル・メディア代表)、ナディア・マケックニー(東京ヴィーガンミートアップ オーガナイザー)、幡太樹(㈱フレンバシー/ベジウェル 代表取締役 )、室谷真由美(NPO法人ヴィーガン認証協会代表理事)、山路ケン(日本エシカルヴィーガン協会副代表)、宮澤亮(台東区役所職員)、大垣祥(台東区役所職員)、小野なりこ(千代田区議)

この日のベジ弁当

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 この日もベジ弁当が参加者に配られました。左上:ヴィーガンストロガノフ、左下:五穀米のターメリックライス、右上:ヴィーガンハムカツとヴィーガンエビナゲット、右下:焼き野菜のマリネ。美味しくいただきました!

関係各省庁からの報告

 この日の総会の主題は、前回の設立総会で出された関係団体からの要望や議連での議論も踏まえてどのような取り組みがなされるのかということについての関係各省庁からの報告です。以下、それぞれの省庁の発言要旨になります。特に重要と思われる部分は太字にしました。

消費者庁 食品表示企画課 五十嵐麻衣子課長

訪日外国人だけではなく我が国においても消費者の嗜好が多様化している。ベジタリアン、ヴィーガンの方が適切な食品選択をできるよう情報提供を行うということは重要だと認識している。ベジタリアン・ヴィーガン認証については現在統一基準がないと承知している。今後、ベジタリアン・ヴィーガンについての日本において認証の統一規格が策定された場合には、消費者が認証と誤認するような紛らわしい表示が行われないよう、検討したいと考えている。

農林水産省 食料産業局食品製造課 西川真由基準認定室長

河村会長からベジタリアンに向けてのJAS規格という話があったが、JAS規格のJASはJapanese Agricultural Standardsの頭文字であり、食品・農林水産分野において農林水産大臣が定める国家規格である。伝統的には、国内市場に出回る食品・農林水産品の品質や仕様を一定の範囲・水準に揃えるための基準である(例:しろしょうゆ、集成材、有機農産物など)。日本国産の食品・農林水産品は世界に誇れる水準であり、ここからさらに日本産の特質をアピールするJASに生まれ変わっていきたいと考えている。日本の強みをアピールする多様なJASの制定に向けて官民連携で検討・作業を進めている(例:日持ち生産管理切り花 2018年3月制定、障害者が生産行程に携わった食品 2019年3月制定、有機料理提供飲食店の管理方法 2018年12月制定 など)。その中には、品質・基準だけではなく生産管理の方法やマネジメントの方法なども含まれる。JASは日本の中の規格ではあるが、ルールメーカーとして、また海外での認知度・影響力を高めるものとしてアピールしていきたい。その際、JASのまま海外に浸透・定着させる、Codex規格にしていく、ISOにしていくなど色々な方向に向けて展開を考えている。ベジタリアンについては国際的統一基準ができていない。ただ、ISOについてはベジタリアンに向けての食品規格について議論されているという情報がある我が国発のベジタリアン規格を策定し、日本ブランドとして海外にアピールしていきたい

観光庁 外客受入担当 片山敏宏参事官

訪日ベジタリアン・ヴィーガン旅行者の受け入れ環境の現状については、日本政府観光局や関係者によるウェブサイト等で多言語による情報発信をしているが、訪日ベジタリアン・ヴィーガン旅行者からみると①必ずしも情報を一覧できる形で整理されておらず、また②掲載の基準が関係者により異なる等により、わかりにくいのではないかと思われ、情報発信を質量ともに充実するとともに一覧性かつシンプルでわかりやすい形で提供する仕組みが必要と思われる。もうひとつは、受け入れる飲食店等の取り組み数や認識がまだ十分でないと考えられ、ベジタリアン・ヴィーガン旅行者のニーズを飲食店側に正しく理解してもらい、対応店舗数を底上げする取り組みが必要と思われる。観光庁として調査は始めており、ベジタリアン・ヴィーガン旅行者のニーズを把握しつつ、また国内外の海外サイトを参考にしていく。飲食店側への理解促進等に向けては、ムスリム対応での経験も活かし、ベジタリアン・ヴィーガン受け入れのための基礎知識やニーズ、先進事例等をわかりやすく提供する手引書等、共通素材を無償で提供していくことを検討している。

東京都庁 産業労働局 坂本雅彦総務部長

都内を訪れる訪日外国人の増加に伴い、ニーズが多様化している。最大公約数に対応するのではなく、きめこまかく対応していきたい。ベジタリアン・ヴィーガンにどういうかたちでおもてなしができるのか、ていねいに発信をしていかないといけない段階にある。将来的には東京産の農林水産物をできるだけ使って、ベジタリアン・ヴィーガンの方々に満足していただけるような食を提供していきたいとは考えている。

東京都庁 産業労働局 松本明子 観光部長

東京都として、様々な国や地域から東京を訪れる方々に安心して食を楽しんでもらいたいと考えており、そのような環境整備が必要との認識の下で平成26年から多様な文化や習慣に配慮した取り組みを進めている。ムスリム旅行者おもてなしハンドブック(食、礼拝、習慣・マナー)を事業者に配布、啓発している他、ムスリム旅行者向けのパンフレットでは旅行者それぞれの価値基準で飲食店を選択できるよう調理法や食材についての情報を25種類以上のアイコンで示している。今年度はベジタリアンやヴィーガン向けの飲食店の紹介パンフレットを新たに作成予定

議員からの質問と回答 〜JAS規格策定に向けての課題〜

 これらの発言に対し、議員から様々な質問が上がりました。以下、ベジタリアン・ヴィーガンに関する質問と回答を紹介します。

 高井議員からの「ベジタリアン・ヴィーガンのJAS規格制定の課題は何か」という質問に対し、農水省から「JAS規格は国家規格ではあるが、民間の関係団体が使える規格となるようプロジェクトチームを作って案を作ることがスタートになる。農水省がベジタリアン・ヴィーガンの規格を作るといっても、実際に使える規格でないといけない。プロジェクトチームが作った原案を元にJAS法に基づくJAS調査会で公の場で議論をし、パブコメ等も募りつつ、まとめていくプロセスになる。現在は民間で独自の認証システムがあるが、その中で国家規格をつくるにあたり、各団体の意見がまとまれば進んでいけると考えている」という回答がありました。

 これを受ける形で、高井議員からは「関係団体の皆さんにお聞きしたいのだが、皆さんからみて『ここは課題だ』という点は何か」という質問があがりました。

 さらに宮地議員からは「ハラルは(統一規格を作る際)、関係する各団体の求める水準が異なっていたことなどから、なかなかうまくいかなかったと聞いている。前回の議連でも、あまり厳格な基準にするとかえって普及を阻害するという意見もあった。ハラルと同じく、ベジタリアン・ヴィーガンも関係団体はそれぞれ多種多様な考え方、捉え方をしている。ハラルにおいては認証も各団体が行っており、国民の皆さんに共通理解として普及していない状況があると聞いている。その反省も踏まえて、ベジタリアン・ヴィーガンの政策については、どの役所がイニシアチブをとって進めていくのか」という質問がありました。

 これらの質問を受け、松原事務局長からの指名で、日本ベジタリアン協会の垣本充会長とベジプロジェクトジャパンの川野陽子代表から以下の発言がありました。

日本ベジタリアン協会・垣本充会長

国際的基準はないという話が出ているが、2011年にFSA(英国政府食品基準局)が英国ベジタリアン協会、英国ヴィーガン協会とガイドラインを作成した。それが2011年にEU規制としてEU議会で承認され、私達はその基準に則って推奨マークを出している。今の日本の問題点は、訪日外国人に的確な表示を提示できているかどうかということ。英国ではスーパーなどが勝手にベジタリアン、ヴィーガンのマークをつける状況になり、それが2011年の規制につながった。2014年、2015年に農水省からベジタリアン特定JAS規格策定に向けてのヒアリングがあり、それは実現しなかったが、今後も取り組んでほしいと考えている。新たな提言書を提出するが、EVU(ヨーロッパベジタリアン連合)、英国ベジタリアン協会、英国ヴィーガン協会の基準は、すべて生産工程のチェックが必要とされている。原材料だけ(のチェック)でコンタミネーションがおこらないとは考えられず、そこは非常に重要である。

 ベジプロジェクトジャパン・川野陽子代表

 各団体がまとまれるかという話があったが、最低ラインの基準はやはり動物性を原材料に含まないことが一番大事になってくる。その上で、GMOがない、コンタミがない、プラスチックフリーなどいろいろな概念があるが、それは最低ラインにプラスするものとして考えている。この部分も含めての国際基準はないのが現状である。私達はヨーロッパベジタリアン連合ともやりとりしているが、2011年にガイドライン化されたという情報は、つくらないといけないということが決まったという段階であり、(管轄するDEFRA予算削減などにより)機能していない。(認証に関する)現在の流れは、原材料に動物性を含まないことを前提にしつつ、GMOも含めるなどの高い基準にしてしまうとベジタリアン・ヴィーガンの推進を妨げるという考え方だと捉えている。

議員からの質問と回答〜その他〜

 高橋議員からは「岩手県二戸市では、地元の酒蔵である南部美人がヴィーガン認証を取得し、また町ぐるみでも取り組みを進めようとしているが、こういうことに対する支援はあるか」という質問がありました。これに対し、観光庁からは「地域の皆さんに啓発セミナーを行っている。オリンピック・パラリンピックに向けて今後開設する特設サイトなどでも、そうした取り組みを紹介していきたい」との回答がありました。

 大河原議員からは「ベジタリアン・ヴィーガンの市場の大きさをどのように見込んでいるのか、またこの分野の市場を健全に育てていくためには監視機能が必要だが、その仕組みをどう構築していくのか」という質問があり、観光庁からは「今後の調査の中で明らかにしていきたいと考えている。ベジタリアンやヴィーガンが多いインドの調査を昨年行ってはいるが、具体的な全体の数字はまだ出ていない仕組みについては、一番重要なのは『このサイトにはこういう基準で載っている』ということを明確にすることだと考えている」との回答がありました。

 小宮山議員からは「今日出席の関係団体にお聞きしたいのは、訪日ベジタリアン・ヴィーガンはどこで情報をとっているのか、またどの省庁にイニシアチブをとってもらうとやりやすいのかということ、また、選択のしやすさという点ではサインなどで情報開示をする形も考えられるのではないか」という質問がありました。これについては、ベジプロジェクトジャパン・川野代表からベジプロジェクトジャパンで作成しているマップの紹介や国内外のアプリ、ウェブサイトが利用されていること、また「東京都等で行われているアドバイザー派遣等もぜひ活用してほしい、自分たちも問い合わせに毎日対応しているが国としてバックアップしてもらえたら心強いしスタッフも増やしていきたい」という説明がありました。また日本ベジタリアン協会・垣本会長からは「世界中のベジタリアンやヴィーガンに利用されているハッピーカウというサイトに協会のサイトからリンクを貼っている」という話もありました。

 松原事務局長から「いろいろな議論がある中で、各団体の方々の団結と努力により、ベジタリアンの統一規格策定を目指すということを打ち出していきたい。2020年東京オリンピックはおもてなしの精神で素晴らしいものにしたい。その上でみなさんにご相談していきたい」とのまとめがあり、河村会長の挨拶で終了しました。

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 JAS規格策定のプロセスやISOでの動きなど、農水省の話は勉強になりました。ただ、2020年オリンピック・パラリンピック目前というタイミングで、各省庁の取り組みのスピード感・規模感は全般的に物足りないという印象を受けます。あと半年もない中、どこまで挽回できるでしょうか。

 ベジタリアン・ヴィーガンJAS規格策定(しかもそれを海外に発信していく)という方針は、ベジタリアン・ヴィーガンに対する理解が進んでおらず、飲食店等でのメニューも少ない今の日本ではかなりハードルが高い目標かもしれません。松原事務局長のまとめにあったように、今後、ベジ議連がさまざまな議論をどう形にしていくのか、引き続きリポートしていきます。

The second meeting of the Vege-Coucil was held on December 2nd 2019 at the House of Representatives Second Building.

In his opening address, the Council Chairman, Representative Takeo Kawamura, said that he wanted to move toward the establishment of vegetarian and vegan standards.

The following members were approved as officers of the Council:
Chairman: Rep. Takeo Kawamura (LDP)
Advisor: Mr. Yoshio Urushibara (Former member of the House of Representatives)
Deputy Chairman: Rep. Noritoshi Ishida (Komeito)
Vice Chairman: Rep. Satoshi Arai (CDP)
Vice Chairman: Rep. Shuhei Kishimoto (DPFP)
General Secretary: Rep. Jin Matsubara (Independent)

From their webpages, it can be seen that many members of the Diet are already active in the areas of animal welfare and food policy. Indeed, there are some Diet members who practice vegetarianism. Representative Keinin Horikoshi is not only a Buddhist priest but also observes "Meet Free Mondays". According to a recent magazine article, Representative Kazumi Sugimoto is a vegetarian. Representative Hinako Takahashi has said that she has come to appreciate vegetarian and organic food more than previously.

People representing a number of organizations attended the meeting as observers. Staff from Taito City were also there. Taito City includes the districts of Ueno and Asakusa, which receive many foreign tourists, and therefore has become one of the most progressive local governments in catering for people with diverse dietary needs.

A vegetarian lunch box was distributed to those at the meeting, containing vegan stroganoff, turmeric rice with mixed grains, vegan ham cutlets, vegan prawn nuggets, and marinated roasted vegetables.

Reports from Civil Servants

Ms. Igarashi, head of the department responsible for food labeling in the Consumer Affairs Agency, noted the increasing diversification of consumer tastes not only among inbound tourists but also among the citizens and residents of Japan. She acknowledged the need to establish labeling standards enabling vegetarians and vegans to make appropriate consumer choices. She also said that they would consider measures to prevent misleading product labeling.

Ms. Nishikawa, head of the office for standards in the food department of the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, explained that the original aim of the Japanese Agricultural Standards (JAS) was to provide common quality standards for goods circulating in the domestic Japanese market. Nowadays, however, with increasing interest in the export market for Japanese products, JAS is becoming part of the branding of Japanese products overseas. It is also necessary to expand the standards beyond product quality to include production management criteria (such as shelf-life management, provision of job opportunities to workers with disabilities, and organic food production). The incorporation of JAS into international ISO standards is being seen in the context of promoting Japanese products in the export market. International standards for vegetarian products have not yet been established and are currently under consideration in the ISO. By establishing Japan’s own standards, market opportunities should open up for Japanese products overseas.

Mr. Katayama, who is responsible for inbound tourist reception at the Tourism Agency, spoke about some of the problems faced by vegetarian and vegan visitors to Japan. Although the Tourism Agency already provides information in multiple languages for vegetarian and vegan visitors, there is a need to improve the format and consistency to make the websites and other media more accessible to the target audience. It is also necessary to educate Japanese restaurants about the needs of vegetarians and vegans, and encourage more of them to cater for such visitors. The agency is looking into creating a handbook and other materials for this purpose.

Mr. Sakamoto, who is in charge of the Industry and Labor Department at the Tokyo Metropolitan Government, spoke of the need for detailed measures to improve catering for the large number of foreign visitors to Tokyo. He also expressed a desire to provide meals for vegetarians and vegans using food produced in Tokyo as much as possible.

Ms. Matsumoto, who is director of tourism in the Industry and Labor Department at the Tokyo Metropolitan Government, spoke about plans to create a guidebook introducing restaurants in Tokyo that cater to vegetarians and vegans. The Metropolitan Government is conscious of the need to accommodate visitors from diverse backgrounds. Previous efforts have focused on improving the catering for Muslim visitors. The plan is to extent these efforts to include vegetarian and vegan visitors.
8:37
Questions from Diet Members: Tasks towards the Establishment of Standards

In reply to a question from Representative Takai about the tasks that must be accomplished for the establishment of vegetarian and vegan standards, the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries explained that any standard established by the government must be designed in such a way that it can be used by non-government organizations. To achieve this, the Ministry is to set up a project team to make proposals that will then be subject to public comment. At present, private organizations each have their own standards, and the establishment of a government standard will require synthesizing opinions from those different organizations.

Hearing this reply, Representative Takai asked those from private organizations attending the meeting to offer their opinions.

In addition, Representative Miyaji raised concerns about the difficulty of establishing a common standard when the demands and opinions of the interested organizations are so different, citing the previous case of similar difficulties encountered when trying to establish a Halal standard. Stating that a too narrowly defined standard may not achieve widespread acceptance in society, he asked, "Which government office will take the initiative in promoting the establishment of vegetarian/vegan standards?"

Representative Matsubara then called on Mr. Kakimoto of the Japan Vegetarian Society and Ms. Kawano of Vege Project Japan to make statements.

Mr. Kakimoto said that the labeling mark promoted by the Japan Vegetarian Society followed the same standards as the Vegetarian Society and Vegan Society of the United Kingdom. These standards were legally recognized by the UK Parliament in 2011 in order to prevent any confusion caused by supermarkets and other businesses each following their own standards. Despite hearings conducted in 2014 and 2015, no unified standards have yet been adopted in Japan. The Japan Vegetarian Society will present its own proposals, but it should be noted that the standards adopted by the European Vegetarian Union, the Vegetarian Society UK and the Vegan Society UK all require that the entire production process be checked. It is not sufficient to only check the ingredients for non-vegetarian or non-vegan contaminants.

Ms. Kawano said that establishing a minimum standard excluding animal ingredients was most important. There is no internationally accepted standard beyond this and attempting to implement any more stringent standards is liable to impede the promotion of vegetarianism and veganism.

Questions from Diet Members: Other Issues

Citing the case of Nanbu Bijin, a sake brewery in Ninohe (Iwate-ken) that has obtained vegan certification, Representative Takahashi asked if there was any way to assist such local efforts. In reply, the Tourism Agency said that it wanted to increase awareness of its seminars for local businesses and its website.

Representative Ogawara asked about how the size of the vegetarian and vegan market could be estimated and how a system could be developed to monitor this market in order to promote its healthy development. The Tourism Agency said that it had conducted a survey of the Indian market last year, but further surveys would be needed to determine the actual size of the market. In terms of monitoring, the most important thing was to make clear the criteria used on each website.

Representative Komiyama asked where vegetarian and vegan visitors to Japan obtain information and which ministries should take the initiative in providing information. In reply, Ms. Kawano explained that the map produced by Vege Project Japan is one source of information, in addition to various apps and websites. She also hoped that the government would provide backup for her organization's efforts. Mr. Kakimoto said that the Japan Vegetarian Society has a link on its website to the internationally known Happy Cow website.

In his concluding remarks, Representative Matsubara said the following: "Through various discussions, and with the unity and cooperation of every interested organization, I hope we can move forward to a unified vegetarian standard. I want to make the 2020 Olympics something wonderful with a spirit of hospitality. On this, we will continue discussions with you all."‪ (edited) ‬‬



 

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