見出し画像

[Lab #001] Cacao into Chocolate Project / カカオからチョコレートをつくってみた。

青年海外協力隊の活動と併せて、ジャマイカの観光スポットも紹介していますが、今回は趣向を変えて、カカオからチョコレートづくりに挑戦しました。カカオといえばガーナのイメージでしたが、ジャマイカにもありました。しかも道端に。見つけた時は非常に感動しましたが、どうもこちらの人にとってはそこまで貴重なものでもないようで、普通に分けてくれました。

Cacao Pod

カカオの実は手のひら大くらいの大きさで、オレンジ色や黄色、茶色など様々。まずは半分に割ります。白い果肉が「パルプ(Pulp)」です。この中にカカオ豆が入っています。同僚にはこのパルプが美味しいんだと教わったので食べてみると、カカオ感はゼロで、ライチ(Lychee)みたいな味と食感がしました。ただ、チョコレートづくりにはこのパルプも大事な材料なので、味見もそこそこにパルプを取り出します。

なお、このパルプを使用したキットカット「カカオフルーツチョコレート」が今秋誕生するそうです。専門店「ショコラトリー」の店舗と通販サイトでの販売のようです。

Fermentation

カカオ豆は発酵させて作られるってご存じでしたか?発酵は2段階あり、アルコール発酵と酢酸発酵。高校の化学を思い出します。

第1段階のアルコール発酵は嫌気発酵のため、ビンに詰めて発酵させてみました。2,3日間くらい置いておくと発酵完了で、ビンを開けるとプシュッとガスが抜ける音がしました。パルプがドロドロになってちょっと見た目気持ち悪い状態になりました。

第2段階の酢酸発酵は好気発酵のため、毎日かき混ぜて、乾燥を防ぐために庭に生えているバナナの皮をかぶせます。これを3,4日間続けると、カカオ豆の色が茶色っぽくなりました。

Drying

発酵が完了したカカオ豆を天日干しで乾燥させます。ただ、ジャマイカは午後によく雨が降るので、屋外は避けて日当たりの良い窓際で室内干しにしました。2,3日間くらいで乾燥するようですが、うっかり1週間くらい放置していました。この乾燥の工程は、発酵を止める役割もあるそうです。

現地で乾燥まで完了したカカオ豆が輸出されていきます。

Roasting

乾燥させた豆を鍋で焙煎します。しばらくするとカカオの良い香りがしてきました。この工程までは発酵が上手くいってるのかどうか分からずオッカナビックリでしたが、ようやくひと安心。焦げないように気をつけながら煎っていると、時々パチパチッとポップコーンみたいな弾ける音がします。飛び跳ねないかちょっと怖。

焙煎が完了した豆を取り出して冷まします。

Shelling & Grinding

冷めたカカオ豆の薄皮を剥がします。落花生の薄皮を剥くような感覚で、気持ちよく簡単に剥けました。粒はアーモンドみたいな大きさで、甘栗みたいな見た目になりました。

皮を剥いたでカカオ豆を袋に入れて、めん棒の代わりにビンで細かく砕きます。砕きます。

Conching? 

砕いたカカオ豆を湯せんで溶かせば、念願のチョコレートに!・・・と思ったのですが、ちっとも溶けません。板チョコを砕いて溶かすイメージでいましたが、大間違い。しまいには鍋に入れて直接火にかけても、溶けない。この日はギブアップ。

こんな大変な作業なのかと、次の日改めてネット検索してみると、「ロケットニュース24」で同じような目に遭っている記事を発見しました。

普通はすり鉢で粉にするくらいなので、砕き方が甘かったのだろうという結論に。すり鉢はないので、再度地道にビンで細かく砕きます。また、カカオが溶けるのは温度に加えて、粉同士が擦れる摩擦熱も大事なようなので、本当はやっぱりすり鉢がほしいところですが、仕方なく袋に入れて湯せんにかけて、手で粉を擦ってみました。

しばらく続けると、写真のようなかんじでようやく粉がシットリしてきて、少しまとまりが出てきました。が、一向にドロドロになる様子はありません。2度目のギブアップ(画像出典:「ロケットニュース24」サイト)。

Molding

まとまりが出てきたカカオからチョコレートへの過渡期の物体がこちら。化石みたい。気持ちを奮い立たせて、これをもう一度温めて練ります。多少は流動性が出てきましたが、やっぱり液体にはなりそうもありません。

板チョコっぽく広げて固めたものがこちら。砕ききれなかった豆の粒々が残っていますが、ようやくチョコレートっぽいものができました。長かった。疲れた。I did it.

Completed!

出来上がったカカオ100%チョコレートを試食。砂糖が入ってないのでとても苦い。舌触りもザラザラ。でも風味は紛れもなくチョコレートでした。感動、というか達成感。Yes, you can.

これに砂糖やカカオバターなどを加えれば、一般に売られているチョコレートの味に近くなりますが、折角なのでこのカカオ100%を活かしたチョコレートスイーツを作ってみたいと思います。といってもチョコレートは賞味50gほどなのでチョコチップ・クッキーくらいかな。何か良いアイデアがありましたらぜひ。

それにしても、チョコレートができるまでの大変な手間ひまを振返ると、チョコレートへのありがたみが深まりました。

NGO ACE

最後におまけ。チョコレートといえば、世界の子どもを児童労働から守るNGO「ACE(エース)」さんでは、カカオ生産地・ガーナでの支援活動「スマイル・ガーナ プロジェクト」を実施されています。また、24日までクラウドファンディングに挑戦されています。児童労働のないチョコレートがあたりまえに手に入る社会の実現を目指した活動を応援しています。


いいなと思ったら応援しよう!

KJ@Jamaica
ご覧いただきありがとうございます。よろしければ「スキ」ボタン(左下のハートマーク)をクリックしていただけますと執筆の励みになります。noteアカウントをお持ちでない方でもクリックできますので、ぜひ。