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国家公務員経験者採用試験
はじめに
人事院が各省庁分をまとめて実施しているほか、各省庁でも独自に試験を実施しています。
人事院が実施する試験についてはこちらを参照
筆者は、このうちいわゆるキャリア職員を採用する区分である係長級(事務)に合格しています。合格通知書はこちら
席次は合格者中3番です。ちなみに前年度も3番で合格しています。
それでは試験内容を紹介します。直近2019年度試験の最終結果は以下のとおりです。
申込者748名に対して最終合格者34名、倍率にすると22倍ですね。こう見るとかなり難しい試験のように思えますが、実態はそこまでではないという印象です。詳しく見ていきましょう。
第一次試験
2019年度の合格者は106名ですので、対申込者倍率は7倍です。ただ、申込者は多いのですが、欠席者も多いです。公式の統計はありませんが、体感では3割程度は欠席しているのではないでしょうか。なので、実受験倍率は5倍程度と思われます。
基礎能力試験30題 2時間20分
公務員試験では定番の五肢択一の教養試験です。全問必須解答ですが、時間の割に問題数は少なめです。試験対策の時間を捻出できない社会人に配慮していると思われます。問題の難易度については国家総合職程度という評判をよく耳にしますが、旧国I合格者の筆者からすると易し目な感じです。勉強から遠ざかっている社会人には厳しいということの裏返しでしょうか。合格最低点は何とたった3割の9点です。第二次試験以降への持越しもありませんので、試験勉強は基本的に不要かと思います(時間効率も悪いです)。日本語英語の文章理解+資料解釈に時間を掛けて確実に正解し、あとの問題は何となく合ってそうな選択肢を選んでいけば、合格点+αは取れると思います。
経験論文試験1題 1時間30分
一次試験の肝は実はこちらです。基礎能力試験の平均点が11点>9点にも関わらず、受験者の半分を大きく下回る合格者になっているのは、経験論文がダメな受験者が多いからと推測できます。これまでの自身の職務経験を記述して、採用後それをどう活かすかを書くわけですが、これができてないのですね。私見ですが、職務内容そのものは評価対象ではないと思われます。キラキラした経歴じゃないからと諦める必要はありません。書き方さえ間違えなければ合格できます。試験問題は毎年同じで事前に把握できるので、試験当日は暗記した答案を吐き出すだけでよいのです。この辺は筆者の再現答案を提示しつつ、後日まとめていきたいと思います。きちんと対策していれば、倍率関係なしに受かるのではないでしょうか。つまり、実倍率は二次試験のそれに近いと思われます。
経験論文対策の記事を書きました。
第二次試験
2019年度第一次試験合格者106名のうち、最終合格者は34名なので、倍率は3.1倍です。若干欠席者もいるので3倍程度でしょうか。
政策課題討議 概ね1時間30分程度
いわゆるグループディスカッションですね。当日テーマと統計資料等が与えられ、20分でA4用紙1枚でレジュメを作成します。その後、6人のグループになってレジュメの内容を1人3分ずつ発表し、30分でフリーディスカッション、最後に1人2分ずつ結論を発表します。テーマは、専門的なものではなく、誰でも意見が出せそうなものになっています。筆者のときは、働き方改革や死刑制度に関するものでした。司会については、決めても決めなくても自由です。司会をやったからといって評価が良くなるわけでもないので、無理に司会をやる必要はないと思います。評価については、発言回数、発言内容(説得力)、協調性等がポイントではないでしょうか。発言回数が極端に少ない人や逆に長々と喋る人は落ちていました。ABCDEの5段階評価でC以上が必要です。筆者はBで、A該当者がいなかったため、その年度では一応最高評価でした。ちなみに、グループ分けは志望省庁別に行われており、次の人物試験もこのグループ単位で面接官は同じです。この6人の中から2人が合格するイメージですね。
人物試験 20分程度
個別面接です。事前に志望理由やこれまでの職務経験・職務以外の経験(ボランティア等)を志望省庁でどう活かすかなどを記入した面接シートを提出し、それに基づき質疑応答を行います。面接官は3人で真ん中に人事院の職員、両サイドに志望省庁の人事課職員2名が座っています。例えば、第一志望に経産省、第二志望に財務省と記入した場合、面接官は経産省1名、財務省1名になります(受験者の志望省庁のバラツキにより1名は志望省庁以外の職員になる可能性もあります)。評価については、一般的な公務員試験と同じで、職務適性、協調性等を回答内容や面接態度から評価されます。ABCDEの5段階評価で2019年度はC以上が必要でした。筆者のときはB以上が必要で、Cでは合格できませんでした。Aは2名程度で、筆者は残念ながらBだったため、席次は3番ということになりました。想定問答を練る中で、論理的、説得的な回答を用意することと、姿勢を正しくして、面接官の目を見て落ち着いた声で自信を持って話すのがポイントと思います。小手先のテクニックは逆効果の場合もあるので巷の面接本に深入りする必要はないでしょう。
2020年度試験結果の情報はこちら
官庁訪問
最終合格しただけでは採用となりません。志望省庁に官庁訪問して採用面接を受ける必要があります。この辺はまた別の記事に書きたいと思います。
官庁訪問について記事を書きました。
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