仮説/データドリブンで企画を立案し検証していくためのフレームワーク
自分やチームがきちんとデータに基づいて仮説を構築し、その仮説に基づいて施策を立案し、それを検証していく思考ができるようなフレームワークを作ってみました。
イケてるテック企業というのは例外なくエンジニアやデザイナーなどの創り手がイキイキしています。そして、彼らがイキイキしているためにはメンバーからの理不尽なオーダーがない状態、つまり全ての議論や意思決定がデータや仮説を起点にしてなされている状態が必要だと思っています。
自分はMESONという「3DモデルのGoogle」のようなサービスを作る会社をやっているのですが、おかげさまで順調に人が増えてきました。
MESONは今後人数が増えていってもエンジニアやデザイナーがイキイキしている会社にしたいので、それを仕組みで実現するためにこのフレームワークを作りました。
チームの議論や意思決定を、よりデータドリブンかつ仮説ドリブンにしていきたいと考えている方は是非このフレームワークを試してみて頂けると幸いです。
基本思想
まず大前提として、基本的に全ての施策立案は以下のフローをたどるべきだと考えています。
1)分析ツールなどから得られる定量データやユーザーインタビューなどから得られる定性データを起点とし仮説を構築する。
2)その仮説に基づいて施策を立案する。その際に動かしたい数字(KPI)とどうなったら施策を成功とみなすかの成功基準を決めておく。
3)施策の結果、狙ったKPIが狙った成功基準に達したかを確認する
4)施策の結果から次の仮説の構築やデータの収集に戻るなどして次のサイクルに移る
PDCAと基本的に言ってることは何も変わらないのですが、自分が最初PDCAサイクルを見た時にピンと来なかったのでこういう整理の方が納得感ある人が多いのでは。
データドリブン/仮説ドリブンに施策を回せるフレームワーク
では上記のようないきなり思想で施策の立案と検証を回せるかというと、思考のパターンを変化させるのは意外と難しくてできない人が多いです。
なので以下のようなフレームワークを作ってみました。
基本的には以下のフォーマットを埋めていけば自然とデータドリブン/仮説ドリブンな施策を回していけるかと思います。
穴埋めのテキストパターンと、1枚のフレームワークシートの2パターンを作成したので、使いやすい方を使って頂ければと思います。
穴埋めテキストパターン
仮説ドリブンで施策を考えて実行していく際には、毎回の施策で以下文章を埋める形で考えていく。
「(a)というデータから(b)という仮説が考えられ、(c)という施策は(d)という結果に繋がると考える。そして、上記一連の施策仮説が正しかったかは、(e)というKPIが(f)になるかどうかで判断できる。」
()内の要素
a. 起点となる定性/定量データ
b. データから導き出され施策の前提となる仮説
c. 施策詳細
d. 施策の結果、期待する効果
e. 施策が成功したかを判断するためのKPI
f. 成功したと見做すための達成基準
具体例(3Dモデルの検索エンジンサービス「heymesh」)※数字は適当です
「(モデル詳細画面からモデル掲載サイトへの遷移している率がUUベースで24%と低い)というデータから(現状の「BUY NOW」ボタンが掲載サイトへの遷移ではなく直接カートに入れるアクションだと勘違いされている)という仮説が考えられ、(「BUY NOW」の表記を「VISIT&GET」に変更する)という施策は(モデル詳細画面からモデル掲載サイトへの遷移率を向上させる)という結果に繋がると考える。そして、上記一連の施策仮説が正しかったかは、(モデル詳細画面からモデル掲載サイトへのUUベースの遷移率)というKPIが(24%から30%以上)になるかどうかで判断できる。」
更に施策を行ったあとは以下の問いを埋める形で振り返りを行うと良いかと思います。
g. 施策の結果、KPIは狙いどおり向上したか?
h. 他の指標、特にKGIに悪影響を及ぼしていないか?
i. KPIが未達だった場合、それは仮説が間違っていたのか、施策が適切でなかったのかどちらか?
j. 施策を通して得られた学びは何か?
k. 上記一連の学びから次にやるべきアクションはなにか?
フレームワークシートパターン
以下のシートを埋める形で施策のサイクルを回して頂ければ、自然とデータドリブン/仮説ドリブンで施策を進めていけるかと思います。
以下にPDFのダウンロードリンクも貼っておきます。
このフレームワークが皆さんがデータや仮説に基づいて施策を回していく際の助けに少しでもなれば幸いです。
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