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第五話🧙‍♂️ これが新生日本代表の戦術なのかと驚かされた事実

ここは、日本バスケットボール協会が主催する、日本代表 新監督 就任記者会見の会場だよな…?💦

野球場ではないよなっ??


私は1塁ベースのふわふわした感触が忘れられず、いつまでも“ 錯覚 ”を起こしていた。

しかし確かにここは会見会場である。

私は水をもう一口飲み込み、
ようやく我に返れた。

いつも使っている手帳と、
ペンケースも置いてある。

(自分のものだ。夢じゃない。)


私は背中に大量の汗をかいており、
会見を冷静に聞くことができなかった。

私はまだ、“野球場”と“会見会場”を行ったり来たりしており、その不思議な“反復横飛び”を止めることができなかった。


私の体は極限状態にまで追い詰められていた。


しかし、ペンを動かす手だけは止めることができない。

私は自分を信じた。

上の空で聞いているこの状態であっても、自分のバスケ勘を信じ、記者魂を信じて、手帳に文字を書き続けた。


新ヘッドコーチだけではなく、司会者の女性にも視線を向けることを忘れなかった。
いつまでも、その“暁”を視界に入れながら、私はペンを走らせた。

もしかすると、そのときの私は“記者”ではなく、“汽車”になっていたのかもしれない…。




私のお腹がぐぅと鳴った。

会見はまだ続いている。

時計は付けていなかったので、体感で30~40分が経過した…といった感じだっただろうか。

私の使っている手帳の余白もなくなってきた。この時点で相当の文字を書いている…。

その時 私は気づいた。
自分の手が、こんなにも毛深かったことに!!



おかしい…

まるで、自分の手ではないかのようだ…。

少し皮膚もゴワゴワと厚くなったような気がする。肌は依然、青白い。

昨晩切ったはずの爪は伸び、今夜も切らないといけないのでは…と思うくらいに長い。

一番変わったと感じる部分は、指と指の間の水かきである。
あきらかに、水かきが大きくなっている…!!



それでも私のペンを持つ手は止まらなかった。

頭の中は上の空、何を考えているのかも分からない。大量の汗をかき、脚はガタガタ震えている。それなのに、ペンを持つ手だけは、確実に、何か文字を書き続けていた。



走り出したら止まらない、、、、

そして、ワニのような するどい手、、、

まさに、“ ゴードン ” であり、
“ パチョレック ” ではないか!!



この時の不思議な出来事は、私の手帳にしっかりと書き残されていたのだった…。



つづく🧙‍♂️