バスケットボールって蹴ったらダメなの?(僕の解答)
試合中に足でボールを蹴ってしまうと「キックボール」という反則になり、相手に攻撃権が移ってしまいます。
では、試合以外の場所や、選手がアップ中にサッカーのリフティングのようにバスケットボールを足で扱うことって悪いことなのでしょうか?
この議論は真っ二つに分かれると思います。
①バスケットボールはルール上、ボールを足で扱うことはできないのだから、普段から足で扱う(蹴ったり、ボールの上に座ったり…)は止めよう。
という、バスケットボールを“神聖な物”だと心掛けるパターン。
②バスケットボールは“ボールハンドリング”がとても大事。手になじませることで、プレーの精度が格段に上がる。サッカー漫画、キャプテン翼くんで言う『ボールは友達理論』。本当に上手い選手というはボールを体の一部のように扱える。足も体の一部なのだからハンドリングのように扱える。ウォーミングアップのひとつ。
という、バスケットボールを“友達”として全身で扱う(体になじませる)パターン。
僕は、選手がアップ中にリフティングのようにボールを扱うことは変なことだとは思いません。
例えば転がってきたボールを足の甲で拾い上げて、浮いたボールをそのままドリブルに繋げる動作は、別に自然なことだと思います。簡単そうに見えて、案外難しいですから。器用な選手(ボールの扱いが上手い選手)でないと成功しません。
しかし、バスケットボールは大切なものだから、足で扱うなんてもってのほかだ。そういう行為は実際のプレーにも出てしまうよ、という選手がいるならば、その考え方も理解できます。真面目な素晴らしい選手だなと思います。きっと学生時代に指導者からそう教わってきたのでしょう。
「キックボール」というバイオレーション(反則)について考えると、試合中、わざと足に当てて相手のパスを防ぐ(ディフェンスする)選手は多いです。その1本で相手の攻撃を1回切ることができるのですから。「キックボール」は相手に攻撃権利が移るだけで、パーソナルファウルやチームファウルには加算されません。相手に1点たりとも与えたくないという徹底したディフェンスマインドをプレーに移したズル賢い“作戦”とも考えられます。(あまりにも悪質な場合はテクニカルファウルをとられるでしょうが、そんなことする選手は普通はいません。)
Bリーグは、バスケットボールを実際にプレーしたことのない、ただ見るのが好きで、選手が好きで、尊いスポーツとして、純粋な心で観戦しているお客さんがたくさんおられます。
そういう方は、やはり神聖なるボールを(わざと)選手やコーチや審判の方が蹴っているシーンを見たくはないでしょう。すごくよくわかります。
しかし、そういうお客さんに対し「(考え方が)かわいい人だな…」「そんなこと気にしなくていいのに…」と笑う、ワイルドな人もいるということです。
ボールなんて毎日練習で使っていますし、ボロボロで皮がはがれていても使い続ける人もいます。僕たちの中学生の頃なんて、下級生は体育館で練習させてもらえずに、外のリングで3対3(練習)くらいしかできないなんてざらでした。ハゲハゲの外用ボールで毎日練習していたものです。
練習球と試合球はちがうでしょと言う人もいるかもしれません。でも選手からしたら、練習球と試合球をしっかり区別している人は少ないと思います。普段から練習で使っているボールを試合で使うのが当たり前だと思いますので。そこにはプロもアマチュアもあまり差はないのかなと思います。
それでも気になる、許せない、というお客様がおられましたら、一度バスケットボールというスポーツを実際に体験してみていただきたいなと思います。
ちょっと気持ちが変わるかもしれません。
僕から言えるのはこのくらいです。