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フィリピンはなぜ「不登校」がないのか②
前記事でお伝えしたように、フィリピンには日本のような「不登校」はほとんどありません。フィリピンで子どもが学校に行くことができない場合は、そのほとんどが経済的要因によるものです。
ではなぜ、フィリピンには日本のような「不登校」がないのでしょうか。
人とのつながりが強い
それは、人的ネットワークの強固さが最大の理由であると、私は考えています。
友人曰く、まずフィリピンには「いじめ」がほとんど存在しないということです。もう少し詳しく書くと、仮に誰かがいじめにあっていても、必ず誰かが助けてくれるというのです。「いじめ」が悪いことだとを強く認識していて、してはいけないことだと子どもたちがわかっている。だから誰かが酷い目にあっていたら、必ず助けてあげる。
助けてくれる人がいると、いじめにあってしまった子どもは孤独には絶対にならない。だから自殺なんてことも起こらない。
日本の場合は、見て見ぬふりをするケースが多い印象です(あくまで想像ですが)。
例えば、以前働いていたNGOで日本とフィリピンの中学生が交流する機会がありました。ある日本の生徒が、友人がいじめによって自殺をしたという話をした際、フィリピンの子どもは、なぜそうなるのか理解できなかったようです。
ある生徒の机を廊下に出してしまうようないじめがあると、「いじめられた子は追いつめられる」ということがあるとします。しかし、フィリピンの子どもは、その「追いつめられる」が理解できなかったのです。「誰かが元に戻してあげたらいいじゃん」と。フィリピンでは誰かが追いつめられる前に、誰かが必ず手を差し伸べてくれるのです。
学校カウンセラーの存在
フィリピンの学校には、教員とは別に「カウンセラー」と呼ばれるスタッフが常駐しています。進路などの相談もあるようですが、学業以外で困ったことがあった際、いつでも相談に乗ってくれる存在です。
(いじめなどに限らず)何か問題があれば、カウンセラーが継続的に問題解決のために動いてくれるので、問題が大きくなりすぎることもあまりないとのことです。
日本では教員がこの役割を担ってしまい、教員の過度の負担にもなっているかと思いますが、フィリピン(他国でもあるとのことですが)ではしっかりと役割分担がされており、しっかりと対応してくれるのです。
友達との仲が良い
フィリピン人を見ていると、そもそも日本人とは違う友人関係を構築しているように思えます。本当に男女含めて仲が良いのです。
恥ずかしがり屋の一面はあるものの、明るい性格な人が多いので、打ち解けると(いい意味で)やかましいくらい騒いで遊びます。そしてそれは大人になってもそれは同じなのです。
家族・コミュニティのつながりが強い
昔の日本がそうだったように、フィリピンは今も家族・親戚や地域コミュニティとのつながりが強固です。家族・親戚、あるいは地域で誰かが困っていれば、みんなで助け合います。
フィリピンはカトリックの国でありますので、宗教の考え方も大きく影響しているといえますが、基本的に学校でも、そして地域でもフィリピン人が孤独になることはなく、必ず誰かが手を差し伸べるのです。
「不登校」になる理由がない
既述の通り、フィリピンには日本のような「不登校」はなく、また「不登校」になる理由がほとんどないのです。*前述のとおり、経済的な要因によって学校に行けなくなる生徒は、日本よりもはるかに多いです。
一方で、「今のフィリピンだから」不登校がないとも言えるかもしれません。このあたりは次回の記事で書いてみたいと思います。