見出し画像

フィリピンはなぜ「不登校」がないのか③

過去2回の記事で、フィリピンには日本のような「不登校」はほとんどないことをお伝えしてきました。

今回は、それら考える日本とフィリピンの「価値観の違い」について書いてみたいと思います。あくまで私の主観です。


「今のフィリピン=昔の日本」??

今のフィリピンの状態は、昔の日本のようなものなのかもしれません。
かつての日本は、大家族で、地域コミュニティのつながりも強く、人と人とのつながりや支えあいも強い時代でした。

今のフィリピンはまさにそれです。

では、それが本当に良いかというと、それは一概には言えないと思っています。

確かに、子どもたちの姿を見る限り、フィリピンのほうが幸せそうです。現に私の友人(日本人・配偶者はフィリピン人)は、フィリピンで子育てを決めた理由を以下のように語っています。

「フィリピンで子育てした方がいいと思ったのは、単純にフィリピンの子どもの方が、日本の子より楽しく過ごせてる感じがしたから。色々日本社会が子どもに与えているプレッシャーって、フィリピンと比べると確実に大きい。お受験あるしね。そんな中で、日本の子はセンシティブに育って、自己評価の低い子、自信のない子も多いような気がする。」

フィリピンに多様性はあるのか?

それでは、フィリピンのほうが素晴らしいといえば、必ずしもそうではないかなとも思っています。なぜなら多様性という点では、フィリピンは実に多様性のない学校環境だともいえます。

日本のフリースクールのような場所は当然なく、教育を受けたければ学校に行く「しか」ありません。そこに選択肢はありません。
※一部の富裕層に限り、家庭教師を雇っていたりはしますが。

今後フィリピンが経済成長を続けていくに連れ、日本がその道を辿ったように、少しずつ学び方や進路も多様化してくる(≒選択肢が増える)とすれば、子どもたちにとって、今の学校社会・環境が必ずしも居心地のいいものになるとは限りません。

国民文化(*)も大きく違いますので、日本と単純に同じ道を辿るとも思えませんが、可能性は大いにあるのではないでしょうか。
ホフステードの6次元モデル参照


最後はあなたの価値観次第


結局「日本とフィリピンどちらがよいか」というのは何を基準・価値観にするかによって変わってくると思います。

これまでの話をまとめれば、子どもたちがハッピーに学校に行っているか・過ごしているかという点ではフィリピンが優勢、(不十分とはいえ)多様な学びの機会があるという点では日本が優勢と言えるでしょう。

とは言え、価値観は育った環境や属する社会によってある程度決まってしまいます。それを外から「よい・悪い」と指摘するのもおかしいとも思っています。

過去3回にわたり「不登校」に焦点を当ててきましたが、私個人としては、日本とフィリピンどちらが良いということは、あえて結論付けません。それはみなさんの価値観次第で、どちらが「あなたにとって良い」が決まるからです。

ただ、違いを知ることで、「それもありなんだ」と思えることが、より自由になる一歩だと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?