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フィリピンはなぜ「不登校」がないのか①

先日、とある方からフィリピンの不登校の現状についてお問い合わせをいただきました。感覚的に「ほとんどない」と思ったものの、フィリピン人の友人や、フィリピンで子育てした日本人の友人などにも聞いてみた内容を、せっかくなので記事にしてみます。

「不登校」はあるが、日本とはまるで違う

まずは統計データから見ていきます。

フィリピン統計庁(Philippines Statistics Authotiry:PSA)によると、2022年度、5-24歳で就学しているのはフィリピン全体で約82%とのこと。
Annual Poverty Indicator Survey | Philippine Statistics Authority | Republic of the Philippines (psa.gov.ph)

24歳といえば、順当にいけば大学院就学の年齢です。なお、フィリピンでも日本同様18歳で高校(義務教育)を卒業します。

18%の未就学のうち45%ほどが、学業を修めた(21%)、すでに就労中(19%)、就活中(5%)となっているため、実際に就学したくてもしていない割合は全体の10%程度となります。

それ例外の理由を見ると、その多くが経済的要因に起因しています。

直接的に「経済的理由」(9.9%)もありますが、婚姻(10.7%)・妊娠(1.8%)や家庭の事情(6.4%)などは、「経済的貧困」に関連して起きているものだと推察できます。*一部地域では宗教的な理由もあります。

一方で、日本の不登校の大きな一因となり得そうな「いじめ」はわずか0.3%しかありません。調査方法が日本と異なるとはいえ、日本と比較してこの数は極めて少ないと言えるでしょう。

それを裏付けるかのように、私の友人たちはみな口をそろえて、「(経済的要因以外の理由での)不登校を見たことも聞いたこともない」と言いました。

ではなぜ、フィリピンでは不登校がほとんどないのでしょうか?

次回、友人たちの話も踏まえ、考察してみます。

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