見出し画像

振り向くな 後ろに道は無い 突き進め

しょせん精神は肉体の影である
身体の形が変われば影の形も変わる
それ以上でもそれ以下でもない

あちゅむち『エロティック×アナボリック』第42話

2012年に羽ばたいて

遠藤さんが神の右膝で勝ったぞ!!!!!!
神の右膝、私の記憶が正しければ今年入ってから使い始めて2.15で遂に3カウント取れる技にまで仕上がったのって泣きますよ。わたくし、Eruption解散か宣言された大会を現地観戦していたのにいまだにEruptionの解散を信じきれてないEruptionゾンビなので……。

比較用に坂口さんの神の右膝載せてるポスト探しながら寂しさで泣きました。オタクすぐ泣く。

なんなら1ヶ月ぶり3度目の「遠藤哲哉の」神の右膝を見るより前に今の遠藤さんのスタイルに坂口さんを思い出してました。

坂口さんはプロレスラーとしては遠藤さんと同年デビューで、私が観戦を始めた時からの話をすると遠藤哲哉デビュー10周年記念試合、CFF後の遠藤哲哉復帰戦、2022年・2023年の遠藤哲哉凱旋試合で組んだり闘ったり闘ったり闘ったりしていました。リングを降りれば松山空港で一緒に顔ハメパネルに顔ハメて写真撮ったり食事行ったり坂口さんの引退試合後に遠藤さんはボロ泣きしながらツーショ撮ったりしてたけどリングの上では基本闘っていました。
しょーがないだろ、個人としては同期だけど所属ユニットとしてはDAMNATIONと酒呑童子、BURNINGとEruptionだったんだから……。

珍しく組んだ時に楽しそうに平田先輩をボコボコにするの図(平田さんの方が先輩だぞ!)

直前のKO-Dタッグ選手権試合後のマイクで涙ぐんでた遠藤さんが泣き顔も隠さずに現れたのでオタクも泣いた。
この後のサイン会で推しもオタクも涙目だった。

マイプロテインのチョコミント味と黒糖ミルクティー味は美味しいのでオススメです。
特に後者はコロナ罹患してホテル療養してた時の貴重な甘味だった(悲しい)

遠藤さんの過去ポスト掘ってたら坂口さんからレガース借りた時の写真出てきた

話がハイパー脱線してしまいましたが、遠藤さんにとって坂口さんの技をフィニッシャーもしくはフィニッシャーに繋ぐ要の技に据えるというのは生半可な気持ちではやらないだろうし、神の右膝を使うのは跳躍力は活かせるもののバックボーンに格闘技がない遠藤さんには使うだけならできるけど身体に馴染みやすい技でもないと思うんですよ。スポーツ経験が体育の授業とスキーと卓球しかない人間なので見当違いなこと書いてたら申し訳ありません。
じゃあ何故遠藤さんと坂口さんとの関係を知らない、下手をしたら坂口征夫すら知らない観客も多いだろうNOAHマットで神の右膝を使うかと言ったら、遠藤さんがNOAHの外敵として証明したいDDTの強さの一角に坂口征夫がいたという確信と、長らくの戦友だった同期への愛でしかないと思います。

遠藤哲哉vs坂口征夫のKO-D無差別級選手権試合めちゃいいので煽りVから観て下さい。

DDT所属としてNOAHで闘うことについての覚悟と凄み

話題の時系列を戻します。
1.11のタイトルマッチではその場飛びのフットスタンプやセントーン、テツヤ・イン・ザ・スカイ、遠藤スペシャルとこれでもかと“ハイフライヤー”遠藤哲哉をアピールし最後は凶器攻撃を組み合わせながらトーチャーラックボム→SSPの必殺フルコースと遠藤哲哉入門編みたいな試合展開で、以降はOZAWAさんのGHCヘビー前哨戦に組み込まれたのもあり突出して飛ばないな〜(※1.19春日部大会のナショナル前哨戦と1.26高松大会のGHCヘビー前哨戦ではSSPで勝利)などと思いながら観てたんですが流れが変わったのを感じたのは2.8新宿大会(GHCヘビー、ナショナルのW前哨戦)でした。

2.9にDDT所属の若手選手のみのリーグ戦D GENERATIONS CUP(略してGDC)の最終公式戦があり、BURNINGとして最後の対戦相手だったThe 37KAMIINAのTo-yさんと、BURNINGで一緒だった高鹿佑也さんの試合が組まれていたため、上記ポストにも書いたように高鹿さんへの言外のエールと自身の初防衛戦本番に向けて毒を仕込んだんかな〜と思い、実際調印式と防衛戦本番でも腕攻めを徹底していました。

腕相撲による腕攻め、やってることはえげつないヒールムーブなんだけどDDTっぽいユーモアあってめちゃめちゃ好き……。

反則カウント入ったのはあんまりにも「むんず」と掴んだからかなぁ……。
それはそれとしてストマッククロー、T2KX入ってからカットに使うようになった(より正確に言うとDDT欠場前最後の試合だった飯野雄貴選手とのシングルでも使ってはいました)男色クロー(相手の股間鷲掴み。言わずと知れた男色ディーノ先生の得意技)をハッテンさせた感じあってよい。
This is DDT in Pro-Wrestling NOAH.

個性である飛び技は出しつつ事前に痛めつけてた右腕をさらに集中狙いしていたのが2.11の遠藤哲哉の闘い方だったわけですが、さらにタイトル陥落後一発目の2.15試合は飛び技控えめ、腕攻めは一切使わず胴締めと打撃主体とあからさまにデッキ構築を変えており「まさか試合ごとに技コンフィグ変える気か!?」と動揺しました。
対戦相手の菊池選手はジュニアのハイフライヤーなのでハイフライヤーとしての実力の差を理解らせる闘いもできたはずなのに、スピードある闘いはしつつも相手の土俵にほぼ乗らない形で、同期のフィニッシャーで蹴り殺しました。

飛ぶのではなく「飛んでいる小鳥を撃ち墜とす」側になっていた。空中戦「も」観たかったから次戦に期待しちゃうな……。

遠藤さんもL2ボタンあたりにリバフラセットしてると思うんですけど(名推理)

不完全な彁鵈の為のダーザイン

試合ごとに技デッキ変えるほどのことはしなくての遠藤さんが今後定期的に使う技の傾向なりテーマなり変えて引き出しの数をアピールする気であるならおっかないですよ。
引き出しの数≒今まで受けてきた技≒今まで闘ったDDTの選手の技ですから。
全部は使えないですけどね。呪文とか手刀とか。

これは遠藤さんがアレックス・ゼイン選手の代打でGCWの興行に出た際、既にDDT対談を発表していた大石真翔選手のフィニッシャーのトルネードクラッチ(大石さんはMEN'Sテイオー選手直伝なので「直伝トルネードクラッチ」ですが)で勝った時の。

エモーショナル与太話

対戦相手の技を使う所謂「掟破り」や、リスペクトといった理由で誰かの得意技を使うというのはプロレス独自のエモーショナルポイントだと個人的には思うのですが、それを毎試合まではやらずとも定期的に手を変え品を変える形でやっていた場合何が起きるかというと、(必殺コンボの旋回式トーチャーラックボム→シューティングスタープレスはともかくとして)遠藤哲哉戦の対策が打ちづらくなる。今の体重に飽きたからというギャルのネイルみたいな理由で体重を変える上に技も定期的に変える正体不明の怪物になる。
複数の選手の得意技を模倣して実戦で使えるほどブラッシュアップしつつ試合とトレーニングこなすのは一朝一夕では無理でも日々の積み重ねができれば可能ですからね……。
今の所お披露目した坂口さんを彷彿とさせる締め技と打撃技については坂口さん引退決定から密かに練習していたとしても下準備期間は1年以上あるし、高鹿さんを思い出させる各種腕攻めに至ってはそもそも遠藤さんが高鹿さんに教えてた可能性が濃厚で、BURNINGとしての間だけ数えても3年間「使わないだけで使えた」状態だった可能性が結構な確率で「ある」んですよね……。
遠藤さんがNOAHでDDTを見せることをいつから考えてたかは分かりませんがそれこそ2022年から考えてその日が来るのを待ちながら刃を研いでたらとっくに5LDKのタワマンみたいな引き出しが完成してるかもしれない。語られないことは推測するしかできないので疑心暗鬼にすらなってしまうのですが、こっちは遠藤さんとヨシ・タツさんがいつどのタイミングでユナイトしたかもわかんねえんだぞ、遠藤さんがいつどのタイミングで「DDT背負って一生分の恥の清算しにNOAHのリングに上がるぞウオォー!」と思い付いたかなんて、それこそNOAHへの復讐が何かの形で終わって2025年を回顧するに当たって初めて語られるかもしれないし、語られないかもしれない。未来のことなんて何もわからない。
だって2022年初夏のあの頃、遠藤哲哉がDDT所属のままNOAHのヒールとして暴れ回ると予想できた人、います?
私は今だから言いますけど「DDTは2度とCF主催の興行でNOAHと絡むんじゃねえ!お互いの親戚を東女に出して試合させるのもダメだぞ!」ぐらいにしか考えてなかったですよ。

やれなかったことをできるようになるには

逆上がりとかフリーハンドで直線や円を描くことになると思うんですけど、そういう「練習すればできること」って目で見たことと頭で理解したことを運動神経に定着させて初めて「できる」になるんですよね。学習と反復。
神の右膝だったらどのタイミングで跳んでどこに当てているか/喰らう側はどう喰らったら一番効いてしまうのか。これを理解して殺ればいい。
その時に応じて自分が最適だと思う体重と筋肉量と体脂肪量の試行錯誤を続けている遠藤哲哉ならそれができる。何故ならボディメイクなんて頭で考えた理想を自分の身体に反映すれば誰にでもできるが成し遂げるには自分の身体への理解と目標達成までの心身の自己管理が必要だから。

地元凱旋試合&復帰戦前日に更新されたインスタのストーリーズで「この2ヶ月間マジで1日たりとも無駄にしなかった」とも書いていたので期待してたら予想以上の仕上がりでオタクは泣いた(オタクはすぐ泣く)

技は何度も受けている。欠場期間を差し引いても10年以上は受け続けた歴史が遠藤哲哉の肉体と脳に蓄積していて、あとは主客を逆にして自分が仕掛ける側に成ればいい。
簡単ではないが不可能ではない。やり遂げるための執念と頭を使った努力と成功できるフィジカルがあれば可能になる。
遠藤哲哉なら、できる。
敵に回すと厄介すぎるけど応援する分にはおもしれ〜ッ!!!!!!

遠藤哲哉にとっての体重、ギャルにとってのネイルか????????

さいごに

遠藤さんがヒールターン時に叫んだ目標の「プロレスリング・ノアを潰す」の着地点がどうなるかは分かりません。ただ分かってることは、2025年の遠藤哲哉はプロレスラーとしての人生を懸けて、DDT所属のままNOAHで何かを成し遂げようとしてるってことと、成し遂げたい「何か」にはDDTの厚みと強さの証明もきっと含まれてるということです。

まるで「DDTを背負ったから負けた」とヒールらしく開き直った佐々木大輔に逆張りするかのように、あるいは「共に一生分の恥をかいた」と寄り添う言葉をかけてくれた感謝のように。
遠藤哲哉にとってカリスマもまたDDTの強さの一端であると認識してることなんか、今のマイクの方向性見たらわかることですからね。

だらだらと書かせていただきましたが、オタクは妄言を語ることしかできないので未来のことはわかりません。3.2横浜武道館大会での遠藤さんの対戦カードすらまだ出ていません。
でも私は、遠藤哲哉というプロレスラーの動向をできるかぎり現地で観て、応援したいと思っています。なんでここまで心惹かれて揺さぶられるのかはわかりませんが、理由の理解も言語化もできないことをそのまま受け入れられるぐらいには、遠藤さんのことが好きです、間違いなく。
だからどうか、煌々と輝く憎しみと復讐の炎が方舟を飲み込み燃やし尽くせますように。
会場の片隅から、あるいは回線の向こう側から、心よりお祈り申し上げます。

ご清聴ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

鵜飼かいゆ
いただいたサポートはチェキ代になります

この記事が参加している募集