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カタールとパリサンジェルマン

お久しぶりです。

今回は中東・カタールにクローズアップしてみたいと思います。コロナによる旅行縛り解禁後、即座に中東へ旅立ちたいと考えてます。

世界一裕福な国

カタールは中東に位置する国で、人口は280万人(大阪位)、11000㎡(秋田位)です。何処にでもある中東の小国ですよね。

衝撃なのはこれから。

在住者の約9割が外国人労働者で、カタール人は極僅か。1割のカタール人はほぼ公務員で、平均年収は1600万円。医療・学費・通信費・通信費は無料。成人後、土地を国からレンタルでき、10年後には所有権が受け取れます。せいぜい日本で成人式後は年齢確認されなくなる程度の権利が与えられますが、成人後に土地をあげちゃうのは世界で雄一カタールだけでしょう。

中東×裕福。。。「どうせまた石油だろ」と思う所ですが、実は天然ガスを売りにしている国です。石油も取れますがほんの少しです。

もともとお馴染みのUAE(アラブ首長国連邦)と、国の規模的に一緒になる予定でしたが、莫大な量の天然ガスを掘り当てた結果、自分たちで国作れると確信した、第五代アフマド国王が小国のカタールを1971年頃、独立させます。

サーニー家「札束でぶん殴って国民を黙らせる」

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サッカーアジア予選なんかで、「バーレーンとカタールの国旗一緒じゃね?」騒動がたまに起きてますが、もともと両国は一緒の国でしたが、王族の喧嘩で国を分けることにしました。故に国旗が似ているというわけです。

カタールはサーニー家と呼ばれる王族が支配し、政治を行う国です。1850年頃から今まで10代続く老舗の王族国家です。因みになぜ国民にこんなに優しい生活を送らせる理由は、クーデターを恐れての富の分配です。中東にかかわらずアフリカなんかでは独裁者と呼ばれる一人が富を集中的に受け取ると国民から反感を買い、クーデターや王族への批判が必ず起こります。

偶然にも、カタールは天然資源で莫大な富を築き上げているので、サーニー家は国民を札束で黙らせる事にしました。北朝鮮も大量の資源があったらこうなっていたのかな?それとも主導者の人間性?色々想像が膨らみます。

カタール政府「金使いきれないから、外国のサッカーチーム買うわ」

日本がこんな事言い出したら、全国で一揆が起こり、国会議事堂がとんでもないことになりますね。

でも札束と生活費を賄ってもっているカタール国民は非常に穏やかです。

パリサンジェルマンという、フランスの首都パリにあるサッカーチームをカタール政府の子会社であるカタール・スポーツ・インベストメント(QSI)が2011年に購入します。因みに2000年代のPSGはとても弱かったです。カタール政府はその後、数々のビックネームを獲得し、2021年には地球連合軍と呼ばれる世界で最強のチームを作り上げる事に成功しました。

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2021年現在スターティングメンバーだけで、な860億円を費やしています。おおよそ日本代表の久保くん45人分です。

QSIが2011年から2019年にかけて投資した金額は約1500億円に上るとされています。

流石に馬鹿じゃなかったサーニー家

いつか天然資源の終わりが来る。そう確信したハマド国王は、天然資源の富でやっていける理論を唱える父親がスイスへバカンスに行っている、1995年クーデターを起こします。

ハマド国王からは、情報・観光・経済へ天然資源で得た国益を注ぎます。

観光のハブとなるハマド国際空港を2003年から計画し、2013年に新設。ハマド国際空港はユーラシア大陸のハブ空港として機能し始めます。それに伴い、自国の航空会社、カタール航空への莫大な投資を始め、全世界へと路線を拡大。現在カタール航空は世界150都市への路線、世界で一番の航空会社へと生まれ変わりました。ANAは67都市、ライバルUAEのエミレーツ航空は122都市。世界一退屈な都市と呼ばれていたドーハを、空港新設に伴い、多くの人々が出入する高層ビルの新設、モールの新設、人工島により超大型商業施設の新設など、一面砂漠のドーハは観光都市、経済都市へと生まれ変わりました。

世界の航空会社を乗りましたが、カタール航空の機内サービスと機内食はエコノミークラスでも半端じゃなかったです。世界で一番も納得な航空会社でした。

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そして情報は、「アルジャジーラ」を設立。中東のCNNと呼ばれるネットワークを持つ衛星テレビ局を持ちたいとの事で、ハマド国王のポケットマネーから150億円を投資し、設立されました。アルジャジーラはCNNの様に、中東を始め、世界各国の中立的な立場で情報を発信し続けます。結果としては、CNNとのタイアップによる圧力やカタールとサウジアラビアの関係悪化により、中東での放送国は少なくなっていますが、インターネットを通じ、世界で約4億人話す人のいる、アラビア語唯一中立的な立場で世界の情報を発信し続けている情報局になります。

https://www.aljazeera.com/

さて、最後に経済ですが、題にもなっているカタールは馬鹿じゃなかった理論がここに来ます。

QSIによるサッカーチームの大型買収、大型投資はすべてカタール政府の計算の下に行われた計画でした。2006年頃から、カタールサッカーの国内リーグではブラジル代表選手を多額の資金力で獲得し、カタールサッカーの強化を図りました。観光都市として都市開発したこともあいまって、2010年に念願の2022カタールワールドカップ開催が決定します。

カタール・スポーツ・インベストメントがパリサンジェルマンを買収したのが2011年。ワールドカップ開催決定が2010年。もう皆さん気づいてますよねー。フランスの首都にありながら結果を出せずにくすんだサッカーチームを買収し、世界各国のスター選手を獲得。そして、自国のワールドカップで、ムバッペやネイマール、メッシが活躍する。これ以上にないパリサンジェルマン=カタールの宣伝はないでしょう。そして、パリサンジェルマンの権利をワールドカップ終了後の2023年以降、カタール政府が手放すというゴシップも後を絶たないです。

パリサンジェルマン・サッカー界のスターのベッカムはカタールワールドカップのアンバサダーになりました。サッカーというツールでカタールを世界に宣伝させようとする政府の意欲凄いですね。。。

カタールの本気です。次に国際スポーツ大会を開く際にも使用できますよね。

カタール政府にとっての、パリサンジェルマン買収と世界各国のスター選手獲得はビジネスに過ぎず、調べる前は「また中東の国が馬鹿みたいに金ばらまいてるなー」と思ってましたけど、まじでカタールすげえってなりました。

カタールの今後

カタール政府は2030年に向けてビジョンを発表し、天然資源の枯渇による国家危機を中心に、カタール人の積極的な労働参加やさらなる金融市場の拡大、観光に力を注ぐと発表しました。第一優先として、資源の呪いからの脱却を目指しているみたいです。

昨今話題にもなっているタリバンですが、カタールはアフガニスタンのタリバンとの連絡局を持ち、ムスリム同胞団とのコンタクトを図っています。中東の中立国としての役割を担いたいみたいです。

ヨーロッパへ旅行へ行かれる方、是非カタール航空でカタールへ行ってみてくだい♪



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