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「私も」の英訳は?

突然ですが

「私も」

これを英訳できますか?多くの人は「Me too」と答えると思いますが、この回答は必ずしも正解とは言えません。

実は日本語の「私も」は肯定否定どちらも表せるのに対し、英語の「Me too」は肯定しか表せないんです。

つまり「I like it.」に対して「Me too.」は問題ないですが、「I don't like it.」には「Me too.」は使えません。このやり取りを無理やり和訳すると

「私これ嫌いなんだよね」
「私も好きだよ」

という意味不明な訳になってしまいます。

じゃあなんて言えばいいの?

結論から言うと「Me neither」が正解です。

「Me neither」は否定文に対して、「私も」と言う時に使います。

肯定文に対して「私も」→「Me too」
否定文に対して「私も」→「Me neither」

上記のように使い分ける必要があります。

[余談]英語の特性-繰り返しは省略-

本題は終わりなのですが、少し余談をしようと思います。余談と言っても本題に全く関係ない話ではないので、是非お読みください。

見出しの通り、英語の特性の一つとして、「同じものの繰り返しは省略できる」というものがあります。

例えば従属接続詞です。

A man is calling while walking.
-男が歩きながら通話している。

上記の例文では、whileの後にhe isが省略されています。

このように「主節と従属節の主語が同じかつ、従属節内の動詞がbe動詞の場合は従属節内の主語+動詞を省略できる」というルールがあります。

Using the phone, you called a taxi.

他にも上記のような分詞構文でも接続詞、主語の省略が起こります。

このような英語の省略は厄介なものだと捉えられがちですが、英語の省略はルールに沿った省略なので、裏を返すと理屈的に元の形を復元できます。

ちなみに日本語の省略は英語ほどルールに沿ったものではないので、こちらの方がはるかに難しいです。

本題に戻って「Me too」「Me neither」の使い分けも同様に、日本語ではどちらも「私も」ですが、これによって

「私も(肯定)」
「私も(否定)」

なのかを判別が必要で、しかもそれは文脈や空気を読むことでしかできません。

しかし英語では、肯定か否定かで言葉を使い分けることで、明確かつ理屈で判別ができます。

英語話者は数多く、全員が同じ価値観や文化背景を持ち合わせているわけではないので、「空気を読む」なんてことはせず、明確に伝える言語であるということが、英語がこれだけ世界に広まった要因の一つなのかもしれませんね。

今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございます。



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