ずっと、この日を待っていたんだ。
やっと、来てくれたね。
何年待ったことだろう。そんなの覚えてないくらい、ずっと待っていたの。
出逢った時のこと、覚えてる?覚えてないよなぁ。キミも私もずっと小さかったし、見違えるほど変わってしまったから。
5歳くらいかな?父ちゃんに紹介してもらったっけ。キミは私と違って大人っぽくてさ、あの時は羨ましかったの。あの時”から”だけどね。
きっとあの日から惚れてたんだろうなぁ、私。
それからキミは凄く人気でさ。オシャレになって。大きくなって。それに、目力も強くなったよね笑。まぁ、そういうところも、かっこいいよ。
でも。それからキミは、私のところに来てくれなくなったよね。
親がいるときは時々一緒にいてくれるのに、2人きりなんてなかったし。目を合わせることも、遊んでもくれなかった。
母ちゃんにね、何度も聞いたんだ。「いつ私のとこに来てくれるの?」って。
でも、「あなたにはまだ早い」。それしか言ってくれなかった。
聞いたよ。私の同級生のところには来てたって。それに1人じゃなかった。クラスのほとんどじゃん。
だからね。キミの悪いところ、いっぱい考えたよ。
疲れると動けなくなるところ。頑張りすぎると熱くなって、パンクしちゃうところ。私なんかより体力がないところ。
父ちゃんも母ちゃんも。社長さんやOLも。高校生も小学生も。
こんな私の心まで、奪っていってしまうところ。
私には何が早いかわからなかったの。今はわからなくはないけど。
それにキミの代わりに私のとこに来たヤツはさ、太ってるし、遊べないし、散々にはちょんまげだったからね。ちょんまげ引っ張ったら大きな声出すし、全然帰ってくれないし。9年もうちに居座ってさ。
キミの代わりなんて、世界中の誰もできないんだよ。
やっと。やっと来てくれたね。
ちょっとスリムになったよね。え、目増えた?何、今健康管理とかもできるの?ま、いっか。キミであることに変わりないなら。
離したくない。
もう、キミなしで生きることなんてできないよ。
明日も、明後日も。この先もずっと。
一緒にいようね。
スマホ。
KaiTO
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