絆創膏

絆創膏って応急処置としては優秀じゃん?

ちょっと手を切っちゃった時もとりあえず絆創膏しておけば傷の処置も出来るし、なんとなく心も落ち着くよね。

それって身体的な怪我じゃなくて、心の怪我でも言えるよね。

他人の言葉で傷ついたり、他人と比べて傷ついたり。

人間は毎日考え事して生きてるから、傷つくことなんて山ほどあるじゃん?

深く落ち込んだりする時だってあるし、ちょっと寝るだけで回復する時だってある。

傷の深さはそれぞれあるけど、心の傷にも絆創膏って有効じゃん?

この場合の絆創膏は実物の絆創膏じゃなくて、誰かからかけられる言葉だったり、無償の愛だったり。

長期的に効く薬ではないんだけど、短期的には効果が大きいよね。

俺はこの絆創膏について語りたい。

最近ふと気づいたんだ。

これまで負ってきた心の傷、ひとつも完治してないなって。

まあ完治するほうが珍しいんかもしれんけど。


そこら辺の人よりかは超ハードモードで生きてきて、映画みたいな人生だなとかお前よく生きてこれたなとか、そういう声をかけてもらうくらいには苦労してきたのさ。

まあ今も苦労してんだけど。笑

20年ちょっと生きてきて、傷が蓄積されてきて、月日が経つにつれて絆創膏は有効的じゃないんだなって気づいてしまったの。

それは自分の努力が足りなかった結果も含まれてるから一概には言えないんだけどさ。

あくまで自分の例の話ね。

過去にも話してるけど、うちは祖母が認知症になってから急激に家庭崩壊が始まった。

認知症の老人の相手をするって理不尽な攻撃をたくさん受けるわけ。
もちろん相手には悪意ないよ。

ちょっと前のことを覚えてないのは病気のせい。
家を忘れるのも病気のせい。
キレやすくなるのも病気のせい。
耳が遠いのは老化のせい。
足腰が弱いのは老化のせい。

全く悪意はない。
人間誰しも老いていくから、将来こうなる可能性はある。

でもそれをわかってるからこそ辛いよね。

元気だった頃を知ってるからより辛いんだよな。

元々短気だった祖母が認知症によってさらにキレやすくなってからというものの、家族全員ストレスが溜まっていた。

やっと寝れたと思えば叩き起こされたり、理不尽に大声で怒鳴られたり。

子どもながらに全部受け入れたのさ。

病気のせいだから仕方ないってね。

だけど両親はそうじゃなかったんだよ。

でも当たり前だよね。

みんな極限までストレス溜まってたら反撃するよね。

俺は我慢してたんだけど。笑

そのせいで家は喧嘩が絶えなくてさ。

夫婦喧嘩もそれなりに多かったんだけど、祖母と父親の親子喧嘩がひどくてさ。

毎日のように家が揺れてさ。

お前を殺して俺も死ぬとか

どうせ全員死ねばいいと思ってんだろとか

刑務所入ってこいとか

喧嘩がヒートアップして

ボールペンが飛んだりさ

お金が飛んだりさ

散々だったんだよ。笑

それでもその場から逃げなかったのは、父親が祖母を殺しかねなかったからね。

母親は喧嘩を聞くのが嫌になって別の場所に避難してたりもしたな。

あの時は薄情やなって思ってたけど、正解だと思う。

そんな母親から八つ当たりされてたのも俺ら子どもたち。

殴っていいか?

蹴るよ?

包丁ちらつかせて殺されたいのか?

とかね。

喧嘩ほどの頻度じゃないからまだマシなんだけどさ。笑

喧嘩は1時間に1回は声を荒げてたからな。

家の外まで聞こえてたんだろうなぁ〜。

近所の人はどう思ってたんだろう。笑

そんな喧嘩を致死量浴び続けてきた。

その喧嘩のたびに心臓がバクバクして、涙が出るくらい辛い思いをしてたけど、その場で助けてくれる味方なんていなくてさ。笑

でも学校に行けば親よりも信頼してて、安心感のある大人がたくさんいたのは救い。

毎日話して「辛かったな」とか「怖かったな」とかそんな一言が絆創膏になってた。

でも絆創膏止まりだった。

そりゃそうだよな。

浴びてる喧嘩の量と愛情のバランスが8:2くらいだもん。

一時的に愛情をもらっても、家に帰れば全部マイナスになるんだから。

絆創膏も剥がれ落ちる。

傷がさらに抉られる。

気づいたらもう治せる傷じゃなくなってた。

先生たちからもらった絆創膏で抑えられていた傷跡が、最近またぱっくり開いてきた。

それはトラウマなのかもしれないし、今でもフラッシュバックして、根本的な治療ができてないからなのかもしれないし。

もう絆創膏はひとつも貼られてない。

笑っちゃうよな。

そのくせにこれから長い長い大人生活が始まるんだぜ。

大人としての生き方がわかんねぇの。

というか人としての生き方がわかんねぇの。

死んだように生きてきたからさ。

なのにこれからは完全に独り立ちしなきゃいけないんだぜ。

大人とは言えどいろんな人に支えてもらいながら生きてるのは理解してる。

だけど見渡す限りみんなは地に足ついた状態で周りから片手で支えてもらってるみたいな感じじゃん?

でも俺はそもそも地に足つけて歩けてねぇの。

まだ浮いてんの。

大人びてるねって言われて子ども時代過ごしてきたけど、それは大人びてたんじゃなくて大人になるしかなかったの。

だから周りの子達に比べたら精神年齢高く思われてたの。

高校生ぐらいまではね。

でも最近気づいちゃったんだよ。

みんな俺より大人になってんの。

逆に今俺がガキなの。

情けねぇよな。

苦しくてたまんねぇよ。

死にてぇよ。笑

まあ適切な手当を怠ったから、こんなに周りに置いてかれてるのかもしれないな。

手当を怠ったと言っても俺に非はないと思うんだ。

あの時は生きるのに必死だったんだから。

自分を傷つけてまで生き抜いた俺を褒めてくれよ。

もうお疲れ様って言ってくれよ。

俺の20年はお前らの80年。

舐めんなよ俺の人生。

俺のこと知らねぇくせに無責任な言葉投げてくる能天気野郎には腹が立ちますねぇ。

ちょっと取り乱してしまった。

子どもは守られるべき存在であり弱者なんだよ。

だから俺が今こうなってる責任は周りの大人にある!

なんてね。

それほど他責思考ではないから、そのレベルまでは思ってないけどさ。

でも年齢的に大人になったからわかるよ。

子どもは守られるべき存在なんだよ。

そうやって声に出せない子どもたちに手を差し伸べる人間にならなくてはと子どもの頃から思ってきたね。

そう思ってたのも子どもの頃なんだけどね。

子どもが子どものことを考えてるんだ。

まじで異常だよ。

先輩として子どもたちへ伝えたい。

俺みたいに自分を後回しにする人間にはなっちゃダメだぜ。

大人がやるべきことは大人に任せたらいいんだぜ。

子ども時代はちゃんと子どもらしく生活したほうがいいぜ。

手のかからない子って言われてもそんなの演じなくていいぜ。

成績が悪くなったって問題ないぜ。

成績はちょっと勉強すれば良くなるよ。

大人になってから勉強しても間に合うし。

だけど子どもという時間は取り返しのつかない時間なんだ。

俺は20歳を超えてめちゃくちゃ後悔してる。

子どもだからっていう免罪符を使える時代が気づいたら終わってたことに絶望してる。

俺みたいになってほしくない。

子どもの時の我慢は取り返しがつかなくなる。

周りからの見られ方を気にして大人っぽく振る舞ってんならやめたほうがいいぜ。

いい子を演じてるならやめたほうがいいぜ。

子どもらしく生きたほうが未来は明るいぞ。

話なら聞いてやるからな。

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K
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