「教育」と「人材育成」は似て非なる。
今日は、文部科学省の事業である最先端の職業人材育成の推進と職業人材育成に資する教育課程等に関する研究開発を行う「マイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)」の成果発表会がありました。
私は、北海道にある水産高校「厚岸翔洋高等学校」の伴走者としてこの会に参加させていただきました。
全国の専門高校(水産・農業・工業・商業など)が2〜3年間取り組んできた取り組みを発表し合い、各校の先生方が1つのテーマについて話し合う分科会が行われました。
私は、水産系高校3校が発表し合う会の司会を務めましたが、宇宙食としてサバ缶が使われたり、ICTを活用し、リアルタイムに海の状況がわかる取り組みをしていたり、今の専門高校の取り組みは大人もびっくりするくらいのことを様々な取り組んでいます。
さて、今日の本題である「教育」と「人材育成」の重なるところを目指して、というテーマについて書きます。「人を育てる」という意味では似ているような言葉ですが、「教育」と「人材育成」は似て非なる言葉だと思っております。
今日は先生方と人材育成について議論したので、教育と人材育成の違いについて話したいと思います。
教育とは何か。
「教育とは何か」は、教育基本法を見ていくと紐解けます。
ちょっと難しい表現が多いですが、「国や社会を作る1人として、心身ともに健康に生きる」ことが目的とされています。つまり、誰かのためではなく、自分自身が健康に生きていくための営みであることを指しています。
自分の可能性を広げ、健康や幸福を追求することが大事。
人材育成とは何か。
一方で、人材育成は、
人材育成は、企業の成長のために必要な人材を育てるという明確な目的があります。それぞれの業界・産業界において、必要なスキル・マインドがあります。
「教育」と比較したときに目的が「企業のため」「個人のため」と異なっていることがわかります。
人材育成と教育は重なり合うのか。
ただ、人材育成=企業に属する個人がスキルやマインドを身につけるプロセスを通して、個々人が幸せになれるというところまで描くと、教育と人材育成が重なりなうことができます。
企業が社員をコマのように使う時代は終わりました。これからは、企業の願いと個人の願いが一致することで、事業や仕事への意義が生まれていきます。そういったことに取り組んでいる企業が生き残っている印象があります。
「学びたい」という欲が人にはある。
本人とって、必要だと思っていないスキルやマインドを企業から学ばされても、何も身につきません。
本人も必要だと感じ、主体性のある学びになることで、学習定着率も大きく上がります。
人材育成も教育も「学びたい」という本人の主体性を引き出すことが重要だと今日1日を通して実感しました。
同じく「人を育てる」という取り組みをしている学校も企業も歩み寄ることでもっと面白い取り組みができると確信ができました。
教育を批判するのは簡単。
先生も教育委員会も企業も「どう教育環境を整えるか」を必死に考えているし、取り組んでいる。
批判する人が多い中、手を差し伸べ、「一緒に取り組もう」と言える企業・個人は強い。
北海道の教育シーンが面白くなる取り組みを仕掛けていきます!