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CLUSTARS学園で学べる【可能性】の話(CLUSTARSTRY2月22日/発表原稿第一稿)

 2月22日、CLUSTARSTRYにて「CLUSTARS学園で学べる【可能性】の話」と題して、5分程度のトークを行いました。
 なんとか強制カットは食らわずに済みましたが、元は2000字を超える「5分の制限時間ってなんだ…?」という原稿を前日に書き上げ、出番ギリギリまで原稿の調整を行っていました。

 今回のnoteはその原稿の修正前のものです。
 youtubeで発表された内容と比較すると、統計データをざっくり消したり、5分で話すという括りにおいて余分になりそうな描写を削除していますが、これはこれで「良い」と感じているので、自戒も込めて公開させていただきます。
 逆に、これだけ下地を作ったからこそ、ある程度削ってもきちんとお話が出来たのかなと感じています。

 当日現地にいた人はその肌感の違いを、これが初見であるという方は、「CLUSTARS学園はこういう場所なんだな」と何となく感じていただければ幸いです。



起:「学校の良い所を詰めた」

 CLUSTARS学園の説明を行う時、学園長うしくんは「学校の良いところだけ詰めたイベント」とお話しました。では、私たちが通っていた、あるいは通っている「ほんとうの意味の学校」と、CLUSTARS学園は、一体何が違ったのでしょう。
 本業の教育機関と一週間だけ開講されるバーチャルな、言ってしまえば学園を比較することに異論のある方を承知のうえでいえば、うしくん学園長の仰った「良いところを詰めた」という言葉は、ジョークでもなんでもなく、正しかったと思っています。

承:勉強だけを出来る幸福

 最初に「普通の学校」のお話をします。
 あくまで私自身は小学校から大学までを卒業しただけの一般人、ということを前提でお話をすると、これらの学校生活で何事もなく社会に出れる方は非常に稀だと思います。そのような方は本当に家族や先生、友人などに恵まれ、自分自身のやりたいことをブレずにやれた方のみというのが私自身の見解です。
 実際に学校を卒業された方に、「学校で勉強だけを行いました」と言い切れる方、少ないと思います。なぜかカリキュラムに組み込まれた運動会を訳もわからずやらされたり、なぜ育てるのかを理解できないまま夏休みに朝顔やひまわりの栽培を行ったり、それの観察日記をつけた人、多いと思います。
 ありがちなところだとクラスの委員長をやらされたりとかもそうですね。
 もしすべての学校を笑顔で卒業出来たという方がいらっしゃれば、それは先程いったように適切な人間関係に恵まれたか、自分自身が何をしたかを覚えていないかのどちらかだと思います。もしこの中に在学者の方がいるのであれば、どうか前者のまま学生生活を生きてほしいと願います。

 簡単に統計を調べたんですが、令和4年の時点で日本には小学生・中学生・高校生をすべてあわせると、約1230万人の学生がいるそうです。
 そのうち、明確に暴力やいじめを受けていると訴えているのは約68万人。パーセンテージに直すと5%です。猛毒であれば致死量でしょう。
 
 もし学校に勉強だけをしに行けるのであれば、それはそれで非常に幸せなことだと思います。
 問題は、交友を広げたり、マウントの取り合いであったり、あるいはただ「なんとなく」という言葉に出来ない理由で、人間関係という授業では習わせてくれない課題を課せられることです。いじめほど苛烈なものでなくとも、話をしていて「なんとなく居づらい」程度のものであれば感じた方も多いのではないでしょうか。
 漫画みたいな描写のいじめを見たこともされたこともないですが、いきなり肩を叩かれたり、持ち物を攫われたり。なんでこの人はこんなことをするんだろう、というクラスメートには心当たりがあるのではないでしょうか。

 そういう距離感の間違え方やコミュニケーション・エラーは、現実もメタバースもあんまり変わらないと感じます。

転:CLUSTARS学園とは

 CLUSTARS学園は、たった一週間だけの学校です。生徒も十名、宿題もなければ教科書もありません。そもそもはすきぃ先生の栄養学、オモイカネ先生の「ものの作り方」は私にとって初めて学ぶ分野だし、普通の学校の体育に「メンタル」がつくことはないです。
 会場は授業開始時間の1時間前には開場し、先に入った生徒やスタッフから、やれVRchatで何があっただの、やれこんな調べ物をしてた、学園バッヂはデュエルディスクだ、といった雑談をします。
 授業が始まったら全員授業に集中していましたし、放課後のレクリエーションにもほぼ全員が参加していました。
 最終的には学園3期生はあだ名で呼び合う仲になり、卒業後にも他の方が主催するイベントに積極的に参加しにいくようになります。

 ようするに、このイベントは本当に「勉強だけをしに行け」たし、「人間関係」という学校最大の課題を、参加者スタッフを含めた全員で乗り越えさせてくれるイベントなんですよ。
 学園長の言う通りに、「学校の良いところ」だけを切り抜いてイベントにしているようなものでした。

 うしくん学園長は、先日行われた合同説明会の発表において、「ボイスチャットで積極的な相互交流が出来る」「これまでにない新しい知識の習得やVRでの体験ができる」「自ら壇上に上がるイベンターを目指せる」を学園の特色として説明されていました。
 実際、学園期間中の交流はほぼすべてがcluster内部のボイスチャットで完結しており、期間終了後もここでの体験をきっかけにVRchatのダンスイベントに直接行ったり、今回同期となった方が主催しているイベントにも出向くようになったり、実際にイベントにも登壇させていただくことも増えました。

結:CLUSTARS学園と「cluster」の考え方

 関連する話題を出します。
 cluster社の加藤社長は、2017年にスタートアップカンファレンス「IVS」でclusterをプレゼンする際、「とにかく移動する手間を無くしたい」と述べています。
 同社の会社概要でも物理的制限について強く言及されています。

 面白いのが、加藤社長のメタバースや経済圏に対する考え方です。「窓の社」にインタビュー記事があったのですが、とにかく小さなクリエイティビティを見せあい、それに対して感謝や感動の気持ちを受けることで、この「小さなクリエイティビティ」を積み重ねていき、ひとりでも多くのひとがclusterで生きていけるという実感を得ていく。
 加藤社長は明確に『「モノを作りました、これで何千万円何億円稼げる!」とかではなくて。』と話をされています。

 CLUSTARS学園はそういった、多文化に触れていくことで「小さなクリエイティビティ」を一週間のうちに育て、「clusterで生きる」「VRで生きる」ことを育ませてくれる、とてもよく出来た「学園」でした。


【原稿執筆のために参考にしたサイトなど】

【令和4年度学校基本調査の概要、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(文部科学省)】

https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

https://www.mext.go.jp/content/20221221-mxt_chousa01-000024177_001.pdf


当日のCLUSTARSTRYの録画

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