令和5年仕込み『梅・波動干し』5・仕込み
■前のエピソード》
ある日の夕方、ほりぐち農園から予約していた完熟梅が届いた。完熟梅とは、梅の木に成った実が熟して『ボトッ』と足元に落ちてきた実のことだそうだ。
そういう実だけを3kg注文していたのだ。
去年はせいぜい1kg注文するのが気持ち的に精一杯だった。そんなキロ単位で注文しても持て余すに違いなかったからだ。
しかし、1kgの梅では楽しめる梅干しの量も随分と限られてしまうのだと分かり、今回思い切って3kg購入したというわけだ。
殆ど取り出した後の箱の写真だが、お分かりだろうか?表面に傷や泥が付いていたり、かなり熟して『ぷよ梅』『ぷに梅』『ぶよ梅』などが混ざっていたりする。これはそういう枠の商品なのだ。
去年までは、熟した梅を使って梅干しを仕込むなど僕には考えられなかった。が、2度3度経験を積むと、意外と大丈夫だと分かって来る。むしろ、追熟して実がまだしっかりした黄色くなっただけの、梅を使うと仕上がりが固めになるのだと分かった。黄色になっただけでも青梅で仕込むよりは柔らかくなる。が、伊勢丹とかで売ってるような梅干しとは硬さが違う。
自作PCを作るとき予算にも寄るが基本、メインメモリーやCPU、そしてビデオカードとかはマザーボードが許す限り最大最強の装備を載(の)せたりする。最低でもメモリーだけは最大容量にするものだ。
折角梅の実と仕込みに使うお塩を最大限によさそうなものを使うにもかかわらず、硬く仕上がってしまっては色々と勿体ない。
カメラ側に向けた面の大部分の色が変色している。この変色部分は『ぷにぷに』している。今年は選ばれしこういう梅の実を使って仕込んでみる。
ご覧いただきたい、この完熟具合を。表面に多少の泥もついていたりする。梅の木からも十分エネルギーを頂き、様々に天候を乗り越え、大地に迎えられたと言わんばかりの顔立ちのモノばかりが散見される。
泥や埃をのぞきたいので、一応さっと洗い、キッチンペーパーとかで優しく表面の水分をふき取る。優しくしないと、どれも精鋭(せいえい)ぞろいの『ぷに梅』なので、仕込む前から実が破れそうだ。
中には既に梅酢か何かを流出させる見切り発車しているヤツまで入っている。そういうやつは、仕込みでは上の方に入れてみた。
とりあえず
『梅』→『塩』→『梅』→『塩』→『梅』→『塩』『塩』『塩』
な感じで3kgを仕込んだ。
そして忘れてはいけない、『超強力磁力線発生器』。今年はこれの特殊磁場を出来る限り当てて、どんな結果になるか実験的試みもやっているのだ。
追熟の時既に過去の追熟ではありえなかった変化を感じているが、完成までやり通すと一体どうなるのか?
別日、超強力磁力線発生器。ラッキョウはさておき、梅シロップ・梅干しにまたも特殊磁場をあててみる。
さぁどうなる!
試した者にしか分からないぞ。
つづく