見出し画像

落としに行って病みつきに!1

 2023年5月の間に2回滝行を経験した。

 神仏の正式参拝について教えてくれるツアーがある。

 滝行一回目は5月4日。のちに同ツアーが予定している、手持ちの水晶玉に龍神様に入っていただくご祈祷がある。僕はそれに参加するのだ。

 水晶に龍神様に入っていただくには手持ちの水晶を清める必要があるのだそうだ。水晶を清める目的でも自分を清める目的でも、滝行に参加したというわけだ。

 龍神に特別興味があったわけじゃないが、自分がその流れにあるようで、そのつもりが無くてもそうなっていく
 因みにここで言う『流れ』の源流になった話があるとすると、直近だと今年3月の熊本遠征にある
■関連するエピソード≫

 一回目の5月4日、この日は時期としては気温が非常に高く、水を浴びるには絶好の日だった。

下市口駅から路線バスで龍泉寺最寄の終点『同川温泉』バス停からの一枚

 場所は奈良県・吉野・天川村(てんかわむら)・龍泉寺(りゅうせんじ)。

全国でも、ここが最も『貰いモノが落ちる』という。
ここ以外は『大して落ちない』らしい。

 境内(けいだい)に不動王明王の結界に守られた小ぢんまりとした滝つぼがある。書いて字のごとく、小さくともまとまりがあり、その上しめ縄も手入れもされ大切に管理されている様子の滝つぼになっている。

 ツアーを主催している人は神社仏閣に随分と詳しい。僕は過去にこの人の『先祖供養ツアー』に参加したことがある。先祖供養ツアーを通して、神仏事は正しく理解しそれらと付き合うことで形を成すと思ったので、滝行にも行ってみる気になった。

 滝行は、行をする側(ツアー参加者)が滝つぼに入り、それと向かい合わせに先達(せんだつ ※ここでは『せんだち』と読む)として主催者が前に立ち、滝行をサポートしてくれる。

 滝に打たれ始めるとすぐにスタート。一気に般若心経を一読後、不動王明王の真言を12回唱(とな)える。ものの2~3分で終了。

 滝つぼから上がるころには、何故か気持ちも体も肩も全てが軽くなったような感覚になる。ある意味なにかしらの『極限状態』を集中体験するかのような感じだ。

 実際滝に打たれ終わるころにはスッキリ感で充実し、京都の自宅から片道4時間のところ、復路(ふくろ)も4時間かかったが大した疲労もなく普通に帰った。いや、朝早起きした分バスでも電車でも殆ど寝て過ごした。それはさておき‥

 この日滝行に参加した人は7人。

 皆自前の水晶を持って来ていた。中にはドラゴンボールくらいの大玉を持っている人もいた。ドラゴンボールがどれくらいの大きさか漫画から想像するしかないが、大体それくらいだ。

 僕は、過去に金峯山寺(きんぷせんじ)で購入した四神相応(しじんそうおう)の四神獣(ししんじゅう)が4つの玉に掘り込まれ、さらに勾玉(まがたま)のついた水晶のブレスレットと、ドラゴンボールよりは小さいけどとってもきれいな水晶玉を一つ持って行った。

 これらの水晶を滝行を行う際、滝つぼに沈めて滝に打たれっぱなしの状態にする。こうすることで、水晶が清められるというわけだ。

 余談だが、今や国産の水晶を手に入れることは不可能と言っても過言ではない。水晶を買うイコール、ブラジル産を買うということにとりあえずなる。

■ブラジル産で水晶を二つ貼り合わせてブラジルの職人さんが『大体こんな感じでしょ?』と球形に磨いたモノは大変安価に。

■ブラジル産で一つの塊をブラジルの職人さんが『大体こんな感じでしょ?』と球形に磨いたモノはやや安価に。

■ブラジル産で一つの塊をブラジルの職人さんが『大体こんな感じでしょ?』と磨いたモノを山梨県の職人さんが『いや、もちょっとこうでしょ?』と磨きなおした水晶を京都の老舗(しにせ)が取り扱った場合は大変高価に。

■同じく山梨県の職人さんが磨きなおした水晶を、知り合いのつてで職人さんから直接買うと、大変高価なはずのモノがビックリするほど安価に。

 それぞれ買えるようだ。
 
 僕は、納得して3つ目の京都の老舗で購入した。『下手なものは買えない、本物がほしい!』そう思った僕は、頼れるのはプロの老舗店員しかその時は思いつかなかった。僕が購入した時の額面には、水晶の輸入額だけでなく、山梨県の職人さんによって磨きなおされた作業代に加え、お店の土地・家賃・上役の給料もおそらく上乗せされているのだろう・・。

 それでも間違いないものを購入したのだから良いのだ。

 僕が持っている水晶は本当に美しいからだ。

 白へびの水晶自慢はさておき‥

 龍泉寺の滝つぼに入る前に、先ずは寺務所(じむしょ)で白装束(しろしょうぞく)を借りる。一人500円。

 それを持って、本堂へ。ロウソクとセンコウでご挨拶する。

 自分が誰で、何をしに来たかそこに鎮座する仏(ほとけ)さんに言って伝える。他にも参拝客がいるのでボソッと呟く程度で良い。又は心の内で念じても良い。

 本堂入って左に踏み台風の階段と、格子状の引き戸がある。通常そこから先は勝手に入ってはいけない。
 白装束を寺務所で受け取るとき、本堂で滝行前の御勤め(おつとめ)させて頂く旨を伝えておく。
 靴を脱いで格子状の引き戸を明けて入る。右一番奥に不動王明王がいる。

 不動王明王の前に座ってツアー主催者が音頭をとる。

 自分が何者で、何をしに来たかあらためて声に出して伝える。「全員無事に滝行を行えますよう、お力添えお願いいたします」的な感じ。

 般若心経(はんにゃしんぎょう)を3回読み、不動明王(ふどうみょうおう)の真言をたしか12回唱えたと思う。

 般若心経を暗記するまで行かずとも、簡易経本でいいので般若心経を持っていると、一団の読経に置いてけぼりを食らわずにすむので、覚えていない人は持っていくと吉。持ってなくてもnetにいくらでも出ている。
■例えば「般若心経 全文」と検索

 次に、八大龍王堂(はちだいりゅうおうどう)へ移動。ここは特に先客による御勤めをやっていなければ自由に入っていいようだ。

八大龍王堂 靴を抜いで中に入って御勤め出来る
入ったら天井を見よう!

 ここでも簡単に御勤めする。建物外から見て左側に(写真に写ってない)ロウソク立てがあるので火をつけて一本立てたら、お堂の中に入って般若心経を3回読経、『なむ八大龍王』と3回唱えたと思う。

 この般若心経を唱える回数や真言を唱える回数は主催者に確認したところ、意味があると言う。しかし、時に「好きなようにやってください」とも言われてしまう。
 いま一つ正確なことが分からない。なので自分でやるときは、その時主催者がやった通りのことを真似て行うしかない。

 一応よくあるパターンとして、般若心経1回又は3回。真言7回・3回・12回又は21回。
 この21回というのは、『祈る』ときには区切りとして用いられる回数だと別の所で知りえている。なのでやや半端な数字に取れそうだが、21回というのは合点がいくのだ

 八大龍王というのは、仏さんの龍神ということだそうだ。神社でいうところの龍神とは異なるという。
 仏さんに祈願すると、仏さんはその人の『人を見る』という。八大龍王にもご挨拶することで、叶いやすくなるのだそうだ。即効性の追加効果がある点はさすが龍神様といったところだろうか。

 希望者は別途『八大龍王祈願』を申し出ることが出来る。

 八大龍王堂で御勤めをした後はいよいよ滝行を行う。

 滝つぼすぐ横に、男女別の更衣室がある。簡易的ではあるが意外ときちんとした建物になっている。しかし『滝行』の雰囲気を損ねないたたずまい。

男子更衣室の様子

 皆そこで白装束に着替える。装束は水に塗れるとスケスケになるので、男性は下に水着やパンツを履いておく。
 女性は上下透けないスポーツブラとスパッツなどを身に着けてその上に装束を着る人が多い。とにかく男女共に透けるのでそこは気を付ける。
 僕は白装束に溶け込む想定の下着をその日は身に着けていて、その上から装束を着た。行の後びしょびしょになるので、替えのパンツを用意しておいた。

 長くなるのでここで『つづく』

■次のエピソード》