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伝わらない感性
私は自分に対し、人とは違った感性があると思っている。
その昔、当時付き合っていた人に「普段言っていることが全然理解できない!」と、喧嘩中に言われたことがあるくらいだ。
ちなみに普段どんなことを言っていたかというと、
「もし別れても、歴代で一番の人でいたい」とか、そんなこと。
他にも生活している中で「きっと、これは伝わらないだろうな。。」と思うことがある。感覚だから例をあげられるほど覚えていないけれど。
もしかしたら独特と思っているそれは、誰もが持っている物だけれど、言語化が下手くそなだけかもしれない。
でもその言葉が伝わらなきゃ私にはどうしようもない。
そうすると人間はワガママなもので、「自分と同じ感覚、感性の人がいたらいいな」とか思い始める。
でも現実問題、ホイホイとそんな人が出てくることもなく、どこか周りの他人に自分の感覚とかを理解してもらおうとしてしまう。
最近は笑いの感性を押し付けてしまっている。
話の中で、とあるネタのボケやツッコミをしてしまったり…。
大体、家に帰ったら反省会である。「また、やってしまった・・」と。
こうして書いているこれも、他人に理解をしてもらえない文になっているような気がしてしまうのである。
しかし、最近「他人に理解してもらいづらい感性」の例となるような作品を見つけた。
それが「竹内涼真の撮休」の第2話「人生」である。
https://www.amazon.co.jp/竹内涼真の撮休/dp/B08MSYDVPH
この作品は俳優・竹内涼真の休日を新進気鋭のクリエイターたちが「想像」したオムニバスドラマである。
この第2話では、外にでて、世間の人に認知はされていても、まだまだちゃんと知ってもらえていない現実に気づく竹内涼真と、自分のやりたいことがわからなくなってしまった妹の二人が中心の話になっている。
この作品の20:38〜あたりの会話の竹内涼真のジャガイモの例えが、私には理解ができ、妹の反応がまさに普段の周りの反応という構図になっていた。
この話の上手いところは、ちゃんとなんでそう思うのかをドラマという性質(映像で、話すよりも長い時間で描く)を活かし、大体の人に「意味のわからない例え話」を少しでもわかってもらえるようにしているところである。
これによって「感覚」を描写しているのだから、本当にすごいと思う。
この作品は全体的にとても面白く、大体の各配信サービスで見れるので、ぜひ見ていただきたい。
ここまでの「意味がわからない話」が引用により、少しでも「意味のわかる話」になっていれば嬉しい。
・・・しかし、「感覚が伝わらない」という感覚を共有しただけで、また私は感覚を押し付けてしまった……。