人間は常に主体的。言うことを聞くAIと言うことを聞かない人間。
最近のAIの進化は本当にすごいですね。最初は文章を書いたり絵を描いたりする簡単なことしかできませんでしたが、今ではその組み合わせで様々な業務をこなせるAIも登場しています。
このペースだと、あと1年、2年もすれば、AIの方が人間よりも得意な仕事がもっと増えていくかもしれません。
このまま進化が続き高度なAIが普及すると、指示待ちの人材はAIに仕事を取って代わられる可能性があります。そうなると、会社はAIよりも成果を出せない人材をコストとして抱え込むことになり、大きな課題になりそうです。
会社経営者にとっては、指示待ちの受け身な人材ではなく、自ら考え自ら行動する主体的な人材の育成が急務になりますよね。
「社員が皆、主体的に動いてくれればいいけど、主体的に動く社員なんて、少数派なのでは?」
AIが浸透した社会では、これが経営者の悩みになるのかもしれません。
しかし、本当に人間は主体的に動けないのでしょうか?
実は、2年前、私が書いたノートにこんな内容があります。
ここで書いたのは、
「人間は全く思い通りには動かない」ということ。
いくら人に「しなければいけない」と言っても、本人がやりたくなければやらないし、手を抜いたり、やったふりをしてしまいます。
僕が怖い存在なら、恐怖から従ってくれるかもしれませんが、あいにく、僕の性格的にまったく怖いタイプではありません。
むしろ、弱すぎて存在すら忘れられがちです。
だから、こうしろ、ああしろと言っても、会社は全く動きません。 長年経営して行き着いたのは、社員の提案に「それはいいね」と乗っかる形で経営するスタイルになりました。
そんな話です。
そもそも、人は言うことを聞かないものです。 指示に従わないのですから、指示を純粋に待っている人材も実は世の中にはいないのです。
100パーセント指示に従ってくれるのはAIだけで、人間にそれを求めても難しいでしょう。
「社員が指示を聞かないのにどうやって経営するのですか?」と思われるかもしれませんが、実は単純なところに答えがありました。
何事も関係性なんです。
言うことを聞かない人間と関係性が悪いときは勿論彼は意地悪な行動をとりますし、関係性が良いときは彼は親切になってくれ良心的な行動をしてくれます。
つまり、人と丁寧に付き合うことが大事で、日頃からの関係性が土台だということです。
ここに「主体的に育つ人材の育成法」など難しいテクニックはありません。
基本的には、愛情や良心をもって付き合っていれば、人は100%言うことは聞かなくても、自ら考えて親切な行動してくれるものじゃないかと思います。
気の早い話ですが、これからやってくるAI時代の経営の根幹は、経営者のこういった姿勢にあるのではないかなと想像してます。
私たち経営者の役割は、AIと人間の長所を見極め、両者の力を最大限に引き出すことです。
AIが進化すればするほど、逆説的ですが、人間らしさがより一層際立つ時代がやってくることでしょう。
経営者は人間にしかできない素晴らしさを生み出す環境を整えることが大切な仕事だろうと思ってます。