24時間警備の子育てを終えて。
4月。
16年前の4月に母が亡くなった。
母を喜ばせるために生きてきたような人生だったので、それはそれはショックだった。
親を亡くす悲しみ以上のものはこの世に存在しないと。
そう思いながら生きていた。
なんとなく時が過ぎて
結婚から10年ほど経ってから
4月。息子が誕生。
大切で大切で、命がけで守らなければ!と必死の日々で。
ちょっと声をあげようもんならすぐに飛び起きたし、眠ったから今のうちにご飯を…と箸を持った瞬間に『ふぇ…👶』と起きたら箸をぶん投げて飛んでいった。
目を離した隙に何かあったらどうしよう…と不安で不安でたまらない毎日。
『大丈夫大丈夫!ちょっとくらい泣いても大丈夫。少し休みな~見ててあげるから~』という人生の先輩達の声も私の心には届かず。
『何かあったらどうしよう。何かあるかもしれない。突然何かが起きるということを、あなたは知らないでしょう?!私は知っているの!!』
という気持ち。
そう。私は知ってしまったのだ。
親を失うよりも耐え難いことがあるということを。
この子を失ったら、今度こそ生きていけない!という気持ちが、私をそこまで不安にさせていたのだ。
片時も目を離せない。
目を離さない。
誰にも任せない。
抱かせない。
ほぼ眠らず、気を張り続けた状態で
産後の体で、続くわけがない。
産後うつなのか産後クライシスなのか、メンタル崩壊なのかわからないけど、
もつわけがなかったのだ。
そこから『安心』を手にするまで、いろんなことがあって、ようやく本日4歳の我が子。
安心というのは、私にとっては
【周りを信用すること】にあったと今振り返る。
まず
自分が自分を信用していなかったんだということの気付きがあって、
自分を信じたいと思うようになり、
自分を信じられると自分の子育てを信じられるようになり『大丈夫』を感じられるようになった。
『大丈夫』と思えることで、どれだけ心が強くなったことか!
自分が信じられるようになって、初めて他人の言う『大丈夫だよ』が信じられる。
信じられる人に大事な我が子を少し預けてみた。
数時間後、我が子が元気に自分の元へ戻ってきた!
その成功体験が、私の中の周りの人たちへの信頼度を高めてくれた。
いつの間にか失っていた自分と他人への信頼を少しずつ取り戻すことができた!
託児に預けて休憩したり、
幼稚園の満3歳クラスに預けたり、
自分以外の誰かに息子をお願いすることで心と体に余裕ができ始めると、育児のしんどさが物凄く軽減されたのだ。
24時間警備からの解放である。
余裕ができると横を見ることができた。
同じ年頃の子供を育てるお母さんお父さんの存在をようやく認識したのだ。
同じ苦しみ、違う大変さ、涙が出るほどの嬉しさと大いなる喜び。
きっとあの人もその人も味わっている。
ベタベタしないししょっちゅう話すほどの時間も余裕もない。でも横で泳いでる音は聴こえてくる!
大海原を必死こいて泳いでる。
先人達が『こっちだよー!』と呼んでくれている。
たまに変な声もあるがそれは無視(笑)
無視でいいよー!と隣から。
同じ時代に子育てをする戦友。
後ろからは『先輩ママ』と私のことを呼んでくれる声。
めちゃめちゃ繋がってる。
繋がってた。
リレーじゃん。
100年200年前もきっとそうだったのかも。
繋がりたくても繋がれない自分がいた。
信じたくないは信じたいの裏返し。
自分の心1つで、手を差しのべてくれている存在に気づけたし、その手をとることもできた。
180度世界が変わる瞬間だった。
息子が教えてくれた大切なことの1つ。
信じられるということは幸せだ。
私が生まれた4月。
母が亡くなった4月。
息子が生まれた4月。
生と死が訪れるこの4月に、私は息を吹き返し、
この世界と繋がった!
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