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劇場版モノノ怪 唐傘 考察4 ※がっつりネタバレ※ 好きなシーンはどこですか?

さて皆さまにおかれましては、何回映画館に足を運ばれたでしょうか。私は10回です!ちなみにこのページは自分の為に書きました。いつでもあのシーンの公式様リンクに飛べる為に覚書です。もしよろしければ貴方様もご活用くださいませ♪

一回目は あまりの極彩美に度肝を抜かれ、坤の新・薬売りさんにこれはこれで実にアリ!と瞬殺され、ストーリーは分かったような分からないような?で終わる。帰宅後、考察動画を読み漁り次に備える。

二回目に及んでは、ストーリーと登場人物をほぼ把握でき、起きた出来事、”まこと”が見えてくる。理(ことわり)は な~んとなく分かる。

三度目に至っては、いろんな象徴が見えてきて今さらながら感嘆する。捨てたモノ、北川の幽霊がここにも居た、目線の動き、雨が降るタイミング・・全部意味があって作られてるっ。中村監督が繊細で大胆で天才すぎるっ(制作陣もっっ)

四度目は、やっと話の全体が見渡せて、この話の奥深さに改めて感嘆する。しかし何度見ようがあまりの美に今回も打ちのめされ、呆けたようになり帰宅する。そして中毒のようにXのMVをループ再生してしまう。

おそらく、多くの方に激しく同意していただける過程ではないか、と。

※ネタバレだらけのページにつき、ご注意ください!

では、ここから先は、がっっつりネタバレで好きなシーンを共有したく。

1、ラストの薬売りさんの微笑み

薬売りさん達は離れた人の心の機微を感知する能力があるように思います。唐傘が祓われた後にアサが見た北川の人形は、傘をさし、笑ってた。薬売りさんはそれを感じ取り、遥かな宙を見つめて微笑むんですよね。最高に美しい・・・ただただ、美しい。そんなラストシーンでした。(公式様よりリンク貼らせて頂きました)

2、神儀の姿へ様変わりするシーン 天地が手印と共に覆る!

これは圧巻でしたね。目の隈取りが流れて足元に護符を描き、手印を返すと共に天地が覆る!

パンフレットの中で山本プロデューサーが中村監督について「普段の柔らかい姿からはあまり鬼才は感じられない」と語った。だがその監督により創られたこの物語が神域に達してるという事は、ファンである貴方が一番ご存じではなかろうか

思うに、神儀に変身した姿というのはその人の持つ天賦の才が発動した象徴なのだと思う。中村監督がこの物語を世に解き放ってくれたことが監督の中の神儀の技に思えてならない・・薬売りでなくとも実は一人につき一神儀!? そうであれば・・・きっとあなたの中にも眠っている神儀の力!


3、傘をさし 微笑む北川のお人形さん

大餅曳の晴れ舞台に北川の人形も一緒に参加させたアサ。箪笥に人形をしまう際に気づく。「笑ってたんだ・・」北川の人形は傘をさし、唇には紅が戻り、笑ってた。

心打たれる、このシーン。ここに 二重、三重、四重の意味があると気づく。

<1つ目の意味>
放っておくとアサとカメが辿ってしまいそうな、自分達と同じ結末を食い止めようとする北川の思いが、巡り巡って北川自身の乾いてしまった心を取り戻せた事を 傘が戻った、という絵で表している。

<2つ目の意味>
北川が大奥で最初に捨てた人形は傘をさしていたが、井戸に投げ入れた時に傘が離れてしまった。劇中では顔が渦巻きの女中 (おそらく北川の相棒さん)が傘をさして出てくる。そしてアサは、(物理的に人形に傘は戻っていないのだけど) 人形の傘を(心で)見た。つまり、アサも大事なものを取り戻した事を表している。

本当にこの映画は、象徴での表現が見事なんです・・天才!!

デジャヴ、繰り返す光景。カメが麦谷に引っ張られて行ったようにかつては北川の相棒が・・
傘をさす女中 北川の相棒さん・・かな



<3つ目の意味>
捨てられた傘が化けるという昔話でおなじみの一本足の傘のお化け。捨てられた傘に、大井戸の底によどんだ情念が結びついてあやかしになるのだから、しっかりと人の手に (人形の手に) つなぎとめていれば暴れない。

現(うつ)し世に顕現しようとする唐傘の触手は涙みたいだ、と思う。怒り狂う奥の本当の感情は悲しみなのだから・・カワイチョ…

<4つ目の意味>
中村監督いわく「傘と人形、お互いがお互いを必要としているんですね」。
アサにはカメが、カメにはアサが。北川には相棒が。全く違う境遇・性格でありながら、お互いがお互いにとって束の間の雨の、雨よけの傘となり支え合う。そして、すべては自分の心ひとつ。傘をひらくも、閉じるのも。

4、「よいしょー!!」

大餅曳の儀で、観衆の柏手と共に段をあがり、御筆を振りあげ勇ましく、凛とたたずむアサ。普段の透き通る声に少々ドスのきいた「よいしょー!」が最高です!


5、アサが叫び、三郎丸が叫び・・一斉に慟哭するシーン

冷静なアサが叫び、時を同じくして三郎丸が大井戸の底で見た女中たちの大切なもの、干からびた骸・・

大奥の安泰を掲げて 長い間なきものとして大井戸の底打ち捨てられた無数の思いが、かえりみられなかった無数の声なきものの慟哭が、地下神殿に響き渡り、大奥を揺るがす。この表現はモノノ怪ならでは。(好きなシーンという言い方はふさわしくないですね・・)この悲しみの光景は、胸に迫るものがありました。



6、動線があまりに見事!アクションシーン 

坤の薬売りさんの立ち回りは何をか言わん、劇場で堪能するしかありません!翻る着物の裾もあでやかに、坂下を飛び越え。欄干に降り立ち。(牛若丸??天狗??)

回転するお札の結界、お札が天井から床まで貼り付けられていく見事なカメラワークの、伝説のあのシーンは劇場版でもしっかり健在してました!

音響も立体的になっていて、映画館ならでは。


7,細部まで全シーン 全力の美背景

襖絵が、障子の色彩が・・どんな細部に至るまでどこもかしこも全力込めた美しい背景でした。それも、美しすぎて・・・その贅沢な悲鳴の中で物語も同時に超速進行していくのですから、もう、どこを見ればいいのか分からない。本当に困りますよ!!(←嬉しいだけ) 

DVDなど発売された暁には、普通に鑑賞もしますが、音を消して0.25倍速でも再生し堪能することでしょう。2倍速再生で流し見する動画は多けれど0.25倍速で再生するのはモノノ怪だけです。


さて、あなたの好きなシーンはいくつかぶってましたか?
次章、火鼠もとっても楽しみですね♪


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