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大学の国際化の第一歩①

管理人Oです。

皆様、年末年始はいかが過ごされましたでしょうか。

2022年を迎え、気持ちを新たに仕事、私生活に取組もうとされている方もいらっしゃるかと思います。中には、新たなことにチャレンジすることを新年の抱負として掲げている方もいるのではないでしょうか。

今回は、とある異文化理解・異文化間コミュニケーション能力向上プログラムの内容に触れつつ、そこで学んだ内容を切り口にして、『大学の国際化』に関して雑感をまとめます。ボリュームが大きいので、記事を3つのパートに分けて投稿いたします。

パート1:Global Competenceについて
パート2:異文化理解・異文化間コミュニケーション能力向上プログラムについて
パート3:大学の国際化を担う職員像について

Global Competence

まず、経済協力開発機構(OECD)が実施する『生徒の学習到達度調査』の中で提唱されている、Global Competenceについて紹介いたします。

OECDによれば、Global Competenceとは『地球上の課題の解決や異文化交流の実施に活用できる知識・スキル・態度・価値観の掛け合わせを根底とする多元的な概念』を指します。ここで言う「地球上の課題」と「異文化交流」は、それぞれ、『全ての人々に影響を及ぼし、現代および将来の世代に深い意味を持つ課題』、『自分とは異なる文化的背景を持つと思われる人々との、対面/バーチャルでの会合』と説明されています。(参照:https://www.oecd.org/pisa/innovation/global-competence/

また、Global Competenceを向上することで以下に挙げることが可能となり、その可能性ゆえに学生にとって重要だと説かれています。

●成長する多様な社会における、文化的な認識や敬意を持った交流の力を養うことができる。
●文化的な偏見や固定観念を認識し、それらに対して異議を唱えることができ、また、多文化コミュニティでの調和のとれた生活を促進できる。
●特に今は科学技術が進歩し、国を越えて人々と繫がることのハードルが下がり続けているため、効果的にコミュニケーションが取れ、異文化を背景に持つ人々に対してオープンで、多様なチームの中で信頼を築け、そして、他者への敬意を示すことができる人材を必要不可欠としている仕事にも適応できる。
●各々が相互に繫がっているデジタル空間を活用し、偏ったメディア表現に問題を提起し、そして、オンライン上で責任を持って自分の意見を発信できる。
●地球上の課題に気を配り、社会的、政治的、経済的、環境的な課題の解決に向けて取り組むことができる。

Global Competence Certificate

私は、上述の説明だけ見ても、頭ではGlobal Competenceを向上することが大事とは分かっても、実際どのように能力向上できるか分かりませんでした。入職以来、他国の教職員・留学生達と密に関わっていますが、地球上の課題への対応や、異文化交流を円滑にするための具体的な知識・スキル・態度・価値観については、あまり意識せずに過ごしてしまっていました。

そんな中、留学促進を目的とするニュージーランド政府機関の一つEducation New Zealandから、初等~高等教育関係者が対象のGlobal Competence向上プログラムの案内がありました。それが、非政府・非営利組織AFS Intercultural Programsが展開するGlobal Competence Certificateという学習プログラムです。

私が参加したプログラムでは、オンライン学習とLIVEディスカッションの2つを活用した反転授業(Flipped Learning)形式で、Global Competenceを体系的・実践的に学ぶことができました。一緒に学んだクラスメートは、タイ・ベトナム・ニュージーランド・日本の4カ国からの参加者80名で、多くは初等~中等教育の英語教員でした。このようなグループ構成のもと、Massey University of New Zealandの先生方がファシリテーターを務め、各参加者が密に異文化間コミュニケーションを実践する場が形成されていました。

コンテンツ一覧

次のパートでより詳しく説明しますが、Global Competence Certificateで学んだコンテンツは次のとおりです。

1.Learning Style
2.Who Am I !?
3.Leaving Your Comfort Zone
4.Observe Your Context
5.Stereotypes & Generalizations
6.Empathy & Listening
7.When Differences Collide
8.DIVE - Suspending Judgement
9.Cultural Value Dimensions
10.Communication Styles
11.Dealing With Conflict
12.Polarized Societies
13.Spiritual Diversity
14.Understanding Inequality
15.Microaggressions
16.Power & Privilege
17.Coping Strategies
18.21st Century Skills
19.Taking Action

まとめ

本記事では、主に以下のことに触れました。
地球上の課題の解決や異文化交流の実施に活用できる知識・スキル・態度・価値観の掛け合わせを根底とする多元的な概念を、Global Competenceと呼ぶ。
Global Competence Certificateというプログラムでは、Global Competenceを体系的・実践的に学ぶことができる。

次回の投稿では、学習の振り返りも兼ねて各コンテンツについて紹介いたします。

今回もお読みいただきありがとうございました。

【管理人O】

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