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6月上旬。 奴は日本に帰国した。 "奴"とは、 付き合いの長い地元の友人である。 奴が大学卒業後、 仕事のためバングラデシュに移住し、 日本には年1で帰国する。 その度、僕らは会って近況を報告しあう。 ただ、 今回は違う。 奴が住むバングラ(デシュ)では、 コロナの蔓延が凄まじいく、 一日で感染者が数千人という増え方で急増してるらしいのだ。 その影響により、 奴に会社から日本への帰国命令が出て、 暫くバングラには戻れないという。 そう。 無期限の日本滞在が決ま
奴との同居生活が始まってから数週間が経った。 同居したては、 奴の異常行動に僕の細胞が過剰に反応し、 何度も発作を起こしていた。 そんなアレルギー反応に苛まれる毎日を過ごしてきたわけだが、 不思議なことに体が奴の生命活動に適応して きた。 ようやく仕事が終わり、 途中コンビニに寄ってお気に入りの炭酸水を数本とタバコを購入。 「奴の分も」 と、いつもより多めに買う。 自宅マンションに辿り着けば、 鍵のかかっていない玄関を開け、 雑に脱ぎ捨てられた靴を一瞥した後