「私のファン、おじさんばっかり…」な女性シンガーソングライターが取るべき戦略
こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。
この記事は、いわゆる「SSWおじさん(シンガーソングライターおじさん)」に支えられて活動している、インディーズ規模の女性シンガーソングライターさんに向けて書きます。
そうです、あなたです。あなたに届け!
SSWおじさんは自然に集まる
まず前提として共有しておきたいのは、本人が望まなくとも女性シンガーソングライターとして定期的にライブハウスに出演していると言うだけで、自然とSSWおじさんは集まってくる、ということです。
これは別に顔がアイドル系だとか、キャラが思わせぶりだとか、曲がポップだとか、そういうことにはあまり関係がありません(増えるペースにある程度の差はありますが)。
では、そうやってSSWおじさんファンが付いてくるとどうなるのか。
簡単に言えば、おじさん以外のファンがつきにくくなります。
想像してみて欲しいのですが、もしあなたが10代の女性だったとして
「ちょっといいな」と思ったアーティストのライブに勇気を出して行ったら、客席の前方がたくさんのおじさんで埋まっていたらどう思うでしょうか?
少なくともこのコミュニティに混ざりたいとは思わないのではないでしょうか。
おじさんたちに罪は無いのですが、現実的にそういう効果をもたらしてしまいます。
アーティスト本人が「私はおじさんファンを増やしていきたい」と考えているなら問題はないのですが、
不幸にも多くの女性シンガーソングライターは同性にも受け入れられたいと考えているため(海保調べ)悩みのタネになってしまうのです。
脱却の是非
すると当然、おじさんばかりに支えられている状況をなんとかしなくては、と考えるようになります。
SSWおじさんに支えられている状況から脱却するのは、決して簡単な道ではありません。
それに取り組む前にぜひ「そもそも本当に脱却するべきなのか」という部分から考えて欲しいとぼくは思います。
SSWおじさんの支援から脱却するという事は「音楽のみを商品として戦うことを受け入れる」という選択に近いのですが、
そもそもあなたが作っている音楽は、あなたが歌っている歌は、本当に音楽だけで勝負できるクオリティーなのでしょうか。
aikoやあいみょんよりもいい歌を本当に歌っているのでしょうか。
もしそうでないなら、脱・おじさんを実現した結果、本当に誰もファンがいなくなってしまう可能性だってあるわけです。
それは本当にあなたにとって幸せなことなのでしょうか。
まずはそれを、改めて自問自答しましょう。
脱却の方法
その上で「やっぱり脱却したい」ということであれば、まずは今応援してくれているおじさんたちを手放す覚悟決めてください。
具体的には
・物販に出ないようにする
・写真撮影不可にする
・写真を売らない
・路上ライブをやめる
・ネット上での顔出しをやめる
などのように、コミュニケーションが取れる口と、顔を売りにするシーンを減らしていくのです。
そしてこれらを減らしただけでは新規ファン開拓のチャンスや、リピーター獲得のチャンスが減るだけになってしまいます。
そのかわりに、別の方法でのプロモーションやリピーター獲得の施策を考えて実行していくのです。
事務所契約などをしてマスメディアでプロモーションしてもらえるのであれば、それは話が早いですし、
そうでなくても、ネット上などを使ってセルフプロモーションを行っていく方法はたくさんあります。
参考 >> インディーズアーティストが自力でできる宣伝方法・10選
自分に合ったそれらの方法を駆使していきましょう。
場合によっては音楽性やビジュアルの見せ方なども、新しいターゲット層に合わせて再考していった方がいいかもしれません。
顔を売りにしないのであれば、そもそも顔出しをしなくてもいいはずです。
10代の女性ファンにつけたいのならば、今の10代女性がどんなものに興味を示すのか、どんな音楽を聴いているのか、というリサーチを前提に今一度コンセプトを考え直しても良いでしょう。
それらを徹底していくと、SSWおじさんからしてみればあまり楽しくない(魅力的でない)アーティストになっていくはずです。
そうして自然と彼らは離れていきます。
そのかわりに別のファン層があなたに流れ込んでくるかどうかは、あなたの音楽的実力と、ビジネス的なアプローチ次第です。
SSWおじさんに支えられている活動がダメだという事は全くありません。
ただ、もしそれがあなたの望む音楽活動の形でないならば、勇気を持って踏み出してみるのもいいかもしれません。
この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。
海保けんたろーより。
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当記事は「海保けんたろーの思考集積場」の過去記事を加筆修正したものです。