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介護ベッド導入に抵抗がある方への対処法

私は福祉用具専門相談員として、介護が必要になったお年寄り向けに福祉用具を導入し、お年寄りの生活を改善していく、そんなお仕事をしています。
しかしながら、これまで馴染んできた生活習慣に対して、年齢を重ねたお年寄りの方が、新しい生活の必需品として福祉用具をすんなり使用してもらえるか?と言うと、そんな簡単にはいかないというのが実状だったりします。
ということで、今回は福祉用具の中でも主力商品である「介護ベッド」について、導入に抵抗がある方、どのように対処していくべきか、についてお話ししたいと思います。



●床に布団の生活の慣れからベッドを拒否するケース

介護ベッドの導入に対して抵抗のある方の多くは、床に布団を敷いて日ごろ就寝されていた方です。そのような生活に慣れた方だと、いくら起き上がりや立ち上がりがベッドであればしやすかったとしても、床に布団の生活へのこだわりから、介護ベッドの導入に対してかなり否定的な反応をされたりします。
中には、自力では立ち上がることもできず、このままでは日常生活も成り立たなくなることがわかりきっているにもかかわらず、かたくなに介護ベッド導入を拒否し続けて、布団から四つ足でハイハイしながら家の中を移動して、トイレやお風呂まで移動するケースもあったりします。

私としては、何とかそれまでのこだわりをどこかで踏ん切りつけて、何とかベッドの生活に移行していただきたいのですが、人の気持ち・感情の話でもあり、なかなかすんなりいかなくて、もどかしく思ったりもします。


●ベッドの幅が狭いことを指摘されるケース

あとは、介護ベッドの導入を拒み続ける理由として、ベッドの幅の狭さを指摘されるケースも多いです。床に布団であれば、たとえ布団から寝返りを打って布団から体の位置が離れても転落することはないのですが、ベッドの場合だと、寝返りを打つと、ベッドの端まで一気に体の位置が寄ってしまいますし、転落防止のサイドレールは、ご利用者にとって非常に窮屈な寝心地に思えてしまいます。
そのような心境になることがわからないでもないですが、その先にある便利な生活・ベッドに馴染んだ暮らし方に向けて、今とのギャップを何とか解消したいと思ってしまいます。

●ベッド導入拒否のケースを乗り越える対策は「低床ベッド」

そんな悩ましいベッド導入への壁、そこを乗り越えるための対策は、
「低床ベッドの導入」
です!

昔はどんな介護ベッドも高さが最低でも約30センチ。その上にマットレス10センチが乗るので、ベッドの高さは40センチくらいでした。車いすの座面の高さくらいですね。
なので、ベッドといえば、高さのあるものがイメージされてしまうのかもしれませんが、今はベッドも低床化が進んでいます。
例えば、フランスベッドのフロアーベッドは高さがなんと11センチ!マット含めても約20センチくらいなので、床に布団の感覚に近い就寝が行えます!

もちろん、背上げ機能や、ベッド全体の高さ上げ機能も付いていますので、通常の介護ベッドと同じように使うこともできます!

このように、いろいろな福祉用具メーカーが改良を重ねて、日々進化を続けています。
福祉用具で色々解決できることが、実はたくさんあったりしますので、介護で困った際は、福祉用具専門相談員に色々聞いてみましょう!何か解決に向けて提案してくれると思います!

ではでは。

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