追悼録~死んだらゼロになりたい~
初めてお会いしたときには、彼はすでに余命2か月を宣告されており、ベッドから起き上がれない状態だった。
「死ぬまで自宅で一人暮らしを続けたい」というご本人の強い意志のもと、ケアマネージャーさんをはじめ、在宅医の先生、看護師さん、薬剤師さん、ヘルパーさん、訪問入浴のスタッフさんなど、関わる皆さんがそれぞれの役割で彼の生活を支えていた。
そのとき一番困っていたのは、お金の管理や支払いをする人がいないことと、亡くなった後のことをどうしたらいいのかわからないこと。
そこで私がその