人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり
「そもそも、俺はなにも高望みなんてしていないんだ。ただ普通につきあいたいだけだ。なのにあいつは気持ち悪すぎる。俺の理解の範疇を超えている。」
…同棲までしている恋人同士なのに、いつも必ず別れる前提で話を進める。清居と自分がつきあっていること自体神の采配ミスだと言う。だから神がミスに気づいて修正に乗り出せばつきあいは終わると言う…
…清居とつきあっている今が幸せすぎて、きっと一生分の運を使い果たしてしまっただろうから、自分はいつ死んでもおかしくないと結論づける。しかも清居を美術品や夜空に輝く星扱いして、はなから人間・清居その気持ちを考えようとしない…
「清居くん、そのノロケまだまだ続く?」
「ノロケじゃなくて、俺は嫌がってるんだ。」
「ううん、どう聞いてもバカップルのノロケにしか聞こえない。」
『美しい彼』の一説です。
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」
武田信玄が残したとされる言葉です。
「人は城」という言葉から、信玄は城を築かなかったと思われがちですが、実際は国境や侵攻先に城郭を築き、支配体制を固めていくのが、信玄の戦略です。
さらに「人は石垣」と言いながらも、信玄の躑躅カ崎館(つつじがさきやかた)では、石垣が確認されています。
「人は堀」と言いながらも、半円の堀を伴った「丸馬出し」や、ブーメラン型の「三日月堀」を使って城郭を守っています。
勿論、上記の言葉は「人材が重要」という比喩であり「情けは味方、仇は敵なり」という部分に、信玄の人となりが凝縮されているように感じます。
信玄は、多数の隠密により、家臣達を監視していました。
信玄は、味方に対しても、警戒を緩めませんでした。
「女房と寝る時も、刀を手放すな」という言葉を遺しているように、信玄は、家族すら、信用していませんでした。
それには、理由があります。
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