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「消えた」「止まった」「解放された」の誘惑

アリス学園 研修センターの寺西由美子です。

ある日の新聞の第1面。
「消えた」「止まった」「解放された」

シニア世代には刺さりまくる言葉が並んでいました。

☑つらい耳鳴り・難聴をこんな簡単なことで治した
☑不安神経症(過度の不安・緊張)から
 こんな簡単なことで解放された
☑舌がヒリヒリ、口も渇く! 
 口腔熱感症候群はこれで治せ
☑フラフラ、クラクラ
 めまいがこんな簡単なことで消えた
☑特効薬がない「肺マック症」はこれで撃退

まだ、続きます。

☑大好評! すぐに出来る後鼻漏の簡単解消法
☑シビレ・痛みがすぐ消える
 脊柱管狭窄症の楽々改善法
☑終わりのない帯状疱疹後神経痛の
 こじれた傷みがこれで止まった
☑高齢者のしつこいかゆみが
 ピタッと止まった

これ全部、同じ日の新聞にあった出版社の広告です。
それぞれの本の監修には、医学博士薬学博士という肩書が並んでいます。

どれも高齢者には多く見られる不調・症状なのでしょう。
私の両親を考えてみても、
半数以上の症状
父母どちらかにあてはまります。

キャッチコピーは多少大げさに表現されているとわかっていても
「これで止まった」の「これ」って何だろう?
「こんな簡単なこと」ってなになに?
 
気になってしまいます。

多くの人が
今抱えている不調や症状のすべてが、
一度に解決しなくてもいいけれど
どれかひとつでも忘れられたら、
そんな目でこの広告をみているに違いありません。

こういう日は、案の定、
父からも母からも電話がかかってきます。
なにせふたりとも時間はいっぱいあるので、
新聞は毎日、すみからすみまで読んでいます。


「今、お母さん出かけてて、内緒で電話してるんだけど
今朝の新聞に出てるこれ、お母さんにどうかと思うし、調べてみてよ」


「今朝の新聞に出てたのって、
もしかしたら、お父さんにもいいんじゃない? 
お父さんにも勧めてみたいわ」

自分のことじゃなく、お互いに相手のことを言っている、
しかも、「まずはこっそり」というのも
この年代の夫婦にはあるあるのことなのかも。

「ちょっとうさん臭くない???」
「そんな素晴らしい解決方法・治療方法があるなら、
今のこの時代、わざわざ本を注文して読まなくたって
あっという間にテレビでもネットでも話題になっているよ。
主治医の先生がいるんだし、調子よくないなら先生に言わなきゃ」

いつも、そう、いなしてしまう私。

「やっぱりそうか・・・。
デイサービスの人も、そう言ってたわ」

父に残念そうに言われると、少し心が痛みます。

「そろそろ親も年だし・・・」
「親の介護が気になってきて・・・」

アリス学園で学ぶ人たちに
介護について勉強してみようと思ったきっかけを聞いてみると
意外と多いのが
家族の病気介護の問題。

いつか必ず訪れるであろう課題に向けて
準備しておくひとつの方法として
「介護について知識を得ておく」ことはとても有効です。

資格取得の方法や講座の選び方について
ぜひご相談ください。

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