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脳出血に気付くためのチェックポイント:介護現場での注意事項

脳出血に気付こう!

介護現場では、利用者さんの様子がいつもと違う場面に遭遇することがあります。
例えば、足に力が入らなかったり、いつもより動きが悪い時などです。

そんな時に注意が必要なのは、「脳血管障害が起きていないか?」という点です。
まずは脳出血の症状をチェックしてみましょう。


脳出血の症状

🟡 身体の半分に感覚障害がある
「なんか右側が感じない」「片側だけ動きが悪い」といった症状。

🟡 言葉が出づらい(失語)
いつもより言葉がうまく話せていない。

🟡 左側が見えていない(半空間無視)
特定の方向に意識が向かなくなる。

こんな症状がないか、しっかり観察しましょう。


出血部位と特徴

脳出血の部位は大きく5つに分類されます。


🟡 被殻(ひかく)

最も多いのが被殻という部位で、脳出血の約4割がここで起こります。

被殻は何をしているところ?
被殻は身体の運動調節に関与しています。
脳の中心に近い大脳基底核の中で外側にあり、近くには内包があります。

👉 被殻で出血すると内包に浸潤して、運動や感覚の伝導路に障害を起こします。


🟡 視床(ししょう)

次に多いのが視床(約3割)。

特徴:視床痛
視床で出血すると非常に強い痛み(視床痛)が起こることがあります。
視床は感覚の伝導路の一部であるため、痛みに敏感になり、少しの刺激でも強い痛みを感じるようになります。
※後遺症として視床痛が残るケースも多く、非常につらい症状です。


🟡 脳幹(のうかん)

脳幹出血は主に橋(きょう)で起こります。
脳幹からは第3〜12脳神経が出ているため、以下のような幅広い症状が現れます:

縮瞳:動眼神経が圧迫刺激されて起こる

眼球運動障害:動眼神経、滑車神経、外転神経の障害

構音障害:顔面神経、舌咽神経、迷走神経、舌下神経の障害

嚥下障害:顔面神経、三叉神経、舌下神経、迷走神経、舌咽神経の障害

呼吸障害:延髄にある呼吸中枢の障害

👉 眼球運動や瞳孔の確認が大切です。


🟡 小脳(しょうのう)

初期症状として、めまいが見られます。
進行すると運動失調が現れ、歩行時にふらつきが生じることがあります。


🟡 皮質下(ひしつか)

大脳半球の表面を覆う大脳皮質の下で起こる脳出血です。
出血すると、突然の激しい頭痛や意識の低下が見られる場合があります。


国試で覚えるポイント

⭕️ 脳出血は被殻が1番多い!


現場での対応

⭕️ 片麻痺や感覚障害、歩行時の変化、眼球の動き、話し方など、いつもと違うことがあったらすぐに周りに相談しましょう。
※自分だけで判断せず、必ず周囲と連携することが大切です!


以上の内容を参考に、現場での気付きにつなげてくださいね☺️


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