散々だったロンドン初日を振り返る|ロンドン駐妻奮闘記
閲覧ありがとうございます🌻
前回までのnoteでようやく渡航前の準備情報がまとめ終わりました!ここまで長かった…。本当はもう少し早く始めておけばよかったのですが、あれよあれよという間に時は過ぎ、渡英から一年、イギリス滞在も折り返しというところでnoteを書き始めることになってしまっていました。
ようやく、英国での体験に関して書いていける!感動もひとしおというものです。
今回からしばらくは先に渡英していた旦那の苦労譚について。皆様が読みやすいように、旦那視点で文章を書いていますが、私もこんなトラブルがあったのか、と面白く伝記を書きしたためています。異国生活1日目の失敗談なので、貴重な内容になっていると思っています🌼
言うなればロンドン駐妻奮闘記のスピンオフ、ロンドン社会人学生単身奮闘譚。ちなみに私の渡航に関しては、夫の失敗を踏まえたり、空港まで迎えに来てもらったりしたので、あまり面白いことは起きませんでした!
朝6時 羽田空港 機械にトラブルはつきもの
朝9時台に羽田空港から出発するJAL便のチケットを購入していたので、前日は京急蒲田のホテルに宿泊。国際線搭乗ということで、離陸3時間前の朝6時に空港に到着。
妻に加えて、仲のいい友達も見送りに来てくれたので、ドラマでよく見る感動の別れ、と思いきや、自動チェックインの機械が故障。預け荷物のタグが印刷途中で大詰まり。チェックインが完了してしまっているので、他の機械を試しても荷物を預けられません。仕方なく長蛇のチェックイン列に並び、1時間ほどかけて荷物預けに成功。列並びに時間浪費してしまったので友達とも10分ほどしか話せず。せっかく朝早くに来てくれたのに申し訳ない…。見送られる方は焦りで気が気ではないし、荷物検査の時点でお別れになるので寂しい。トラブルはつきものなので、国際線3時間前に空港集合の教訓は正しい。
朝チェックアウトのタイミングでスマホのSIMを番号保存用に乗り換えたので、この時点で人との連絡手段を失っています。羽田空港のWiFiが機嫌が良い時にはLINEをギリ見れたり。荷物検査やパスポートチェックを受け、搭乗口へ。
朝9時 羽田空港を離陸 ハーゲンダッツは逃せない
大枚をはたいて直行便を購入していたので、離陸さえしてくれれば寝ている間に到着します。なお、当時もウクライナ情勢の関係でロシア上空を飛ぶことができず、アメリカ大陸周りの航路、すなわち遠回りで少し長めの搭乗。フライト時間は14時間30分ほど。
機内は冷房が強くやや寒めなので、気軽に羽織れるパーカーを持っておけばよかった。日本の夏は暑くて仕方なかったので、服装はアロハシャツのみのバカンススタイル。打って変わって寒くて仕方ない。どんなに日本が暑くても服装は油断しない方がいいという教訓。
機内食は合計2回。長期間の搭乗では毎度、何ご飯を食べているのかよくわからなくなる。タダ酒が飲める機会なので、少しでも航空券のもとを採ろうと別に好きでもないワインも飲む。正直、ぶどうジュースの方がおいしいと思う。そして、一食目後すぐにハーゲンダッツをもらえる。前の席からハーゲンダッツが配り始められた時、逃さないように絶対寝ないと静かに決意した。普段絶対に買わない高級アイスが、無料サービスで実質タダ。余計においしく感じる。舌ではなく、目と情報で飯食ってんだ。隣に座っていたヨーロッパ系の兄ちゃんは寝ぼけ眼でハーゲンダッツを受け取りそのまま静かに二度寝していた。僕はただ、ハーゲンダッツが静かに溶けていく様を眺めていることしかできなかったんだ。
飛行機といえば最新映画。ファンタビ3、ガーディアンズオブザギャラクシー3、すずめの戸締り。当時の新作映画をとにかく見漁って時間を潰し、眠くなったら寝ての繰り返し。こんなにも欲望に忠実な時間を過ごしたのは赤子以来だろう。時差ボケのことを考えると頑張って起きておいた方がよかったと思うが、アルコールを飲んでしまえば睡眠は不可避。後半は面白そうな映画は尽き、眠気が吹き飛ぶまで寝たせいで暇の極み。足腰も痛み出してくる。14時間の時間潰しは大変だ。
夕方15時 ヒースロー空港に着陸 (反省)入国は対人レーンに並ぶこと
ヒースロー空港にはフリーWi-Fiがあるからありがたい。日本では深夜0時。妻に到着を連絡しながら、入国審査へ。列は2種類。
対人レーン。入国審査官と1対1で入国審査を受ける。厳しい国だとスマホを触ることも禁止される。そういえば今日の宿の名前わからないけど、空港WiFi弱いから全然調べられないし、できれば並びたくないなあ、と思った。審査の流れで揉めることも多く長蛇の列。古き良き入国審査なので入国スタンプを押してもらえる。
機械レーン。EU圏や日本、アメリカ、カナダ、韓国等一部の国が発行する電子パスポート(ICチップが入っているもの)を所有する選ばれし者だけが利用できる。一瞬で終わる機械審査で入国の感慨もあったものではない。ゲート通過後にスタンプを押してくれる専用の人は存在しない。
どちらに並ぼうか思案していると、「Students should~」と、学生はどちらかに並べと書いてある貼り紙を発見。立ち止まって読んでいると、入国審査案内係のおっちゃんが話しかけてくる。つたない英語で「学生ビザで入国したい」と伝えると、「機械レーンに並びな!」とのこと。まあ選ばれしものだからな、と考えながら、機械にパスポートをスキャンし無事入国。この時点ではまだ精神的に余裕。
荷物のピックアップレーンで荷物を待っていると数個目で流れてきた。いつも30分くらいは待っていたのでびっくり。
1か月後の入国審査を不安がっていた妻に「人と話すまでもなかった。マジ楽勝。荷物もロストせず」とメッセージを送ったところ、「それ、やばいんじゃない?」と返信を受ける。なに言ってるんだ、こちとらもう入国成功しとる。順調中の順調だ。ビザ申請から今日まで全くこっち任せだったのに急に不安にさせるんじゃない。ところが。
自動ゲートで入国してしまうと観光入国、すなわち180日以内の滞在許可とみなされるようだ。こちとら正当に高い金を払って査証を取ったのに、6か月後に不法滞在者にされたらたまったもんじゃない。そのうえ、入国後のBRPカード(在留許可証)を受け取るのに、入国日が明示された入国スタンプが必要だと言うのだ。
大量の荷物を抱えつつ来た道を戻る。どうにか入国審査官の兄ちゃん2人を捕まえ、「スタンプ!スタンプが欲しい!BRPカードのために必要らしい」と伝えたところ、にこやかにスタンプを押してくれた。色々雑談をしてくれたけど、焦りで何を言っているかはよくわからなかった。渡英するまでインターネットの情報で印象が最悪だった英国の印象がかなり良くなった。ただ、最初のおっちゃんが適当すぎたので相殺。
夕方16時 空港から市街地へ!トラブルの連続
晴れて英国に入国成功したものの、トラブルは続く。
まずは荷物。大スーツケース2個、大リュック1個、中リュック1個。世紀末都市ロンドンの治安は最悪と聞いていたので、周りの人は全員敵(に見えていた)。最初に出会うのはスリかひったくりか。この大量の荷物を守りながら、今日の宿に辿りつくことはできるのか。
空港から市街地の行き方はろくに調べていなかったが、地下鉄が一番安いらしい、という情報だけは得ていた。エレベーターやエスカレーター、スロープと、ヒースロー空港はバリアフリーだが、荷物が多いとキツイ。
しばらく迷子になった後で、ようやく券売機を発見。Oysterカードを購入しようとしたがカードでの支払いが失敗。なぜだ。
何度かチャレンジしてみたが、メイン使用クレカはPINコード認証が拒否される。サブのクレカ2枚はPINコードを覚えていない。入国した瞬間から失敗の連続でパニックである。後日色々考慮してみた結果、日本の携帯電話会社を乗り換えた結果、紐づいたクレジットカードにも不具合が現れた可能性が高いようだ。(詳細は以前の記事(渡英準備:携帯電話編)にも記載)
結果、サブのうち1枚がタッチ決済対応だったため、それを使用し改札通過。恐らく過去の記録を調べれば、2枚のクレカのうちどちらかのPINコードを判明するはず、と自分を励ましつつ、ピカデリーラインに乗車。
ピカデリーラインの席は空いていることが多い。座ることはできたが、電車の揺れで荒れ狂う荷物を抑えるのに必死でスマホで情報を調べることもできず。揺れが落ち着いたタイミングでスマホを取り出すがフリーWiFiもなければ、この時点でまだ英国のSIMカードに交換もしていない。あれ、何処で降りるんだ?
ひとまず、日本人でも聞き覚えのあるシャーロックホームズでおなじみのBaker Street駅で下車し検索を試みる。地下鉄のホームフロアは電波が全く通じない。改札地上フロアに上がり、正体不明のフリーWi-Fiに接続し、宿までの乗換を調べる。基本、駅にはエスカレーター、エレベーターが無い。荷物両手前後を抱えアップダウンを繰り返す。通信も全く安定しない。異国の地で一人、間違いなくこの瞬間が、人生最大瞬間風速のストレスだった。宿までの乗換案内は遅くともヒースロー空港で検索を終えスクショしておくことを強くおすすめする。あるいは、出国前に素直に英国SIMカードを交換しておけばよかった。ちなみに、ロンドンの地下鉄車内は圏外が多いのでSIMを交換しても電車内での検索はあまり期待できない。最近、地下鉄内でもスマホが使えるように工事を行っているが、一部中心地に限られているのであまり期待はしない方が良い。
反省点としては、荷物が多い場合には、多少高くても良い交通機関(タクシー)を使った方がいい。SIMは、日本出国時にセットしておいた方がいい。宿までの道のりはスクショしておいた方がいい。
夕方17時半 満身創痍で宿に到着
予約していたホテルはHoxton iQ。
iQという学生向けの寮を提供しているグループが、短期宿泊学生向けにも破格でホテルを提供。二泊で131.84ポンド(約26,000円)。ヨーロッパ全般に言えるが、プライベートな空間を提供してくれるホテルの平均料金は一泊100ポンドないし100ユーロあたり。日本円で15,000~20,000円くらい。高い。ユースホテルの治安が気にならなければそっちに宿泊するが、こちとら大量の荷物を抱えている。
後に知ったが、あまり治安が良い地域ではなかった。が、電車から降りた瞬間にゴミの山と落書きだらけだった時に調べずとも悟った。また、ロンドンの大部分は石畳で舗装されており、スーツケースとの相性が最悪。やけにスーツケースが持ち主の意思に反して動き回るし、脚への攻撃性を感じていたが、タイヤが石畳で破壊されていた。駅からホテルの徒歩10分の間に、脚には無数の青あざができていた。
満身創痍で宿に到着すると、チェックインカウンターに人がいない。電話してくれ、という貼り紙が貼られている。ここでもSIMカードを交換しなかった弊害が。SIMカードもSIM交換用のピンもスーツケースの奥深くだ。時差ボケと焦りで疲労した脳みそをフル回転させ貼紙の番号がイギリスの携帯番号であることに気付く。Whatsappという海外でよく使用されるメッセージアプリが仕事の関係でスマホにインストールされていたことを思い出す。そしてここはまがいなりにもホテル、フリーWiFiがある可能性が高い。 Whatsappには、LINE同様に通話機能が搭載されており、電波さえあれば通話が可能。あとは、ホテル担当者がWhatsappをダウンロードしてくれていることを祈るのみだ。そして、この作戦は成功。朝、蒲田のホテルで起床してから苦節24時間ぶりにベッドに寝っ転がることに成功する。
食料調達に出かけ、泥のように眠る
ホテル自室で遂にSIMカードを交換。ビザ申請時にもらったSIMカードが初月7GB無料利用ということで、ようやく現代人の必須アイテム、インターネット接続を手に入れる。
Google Mapで周辺のスーパーを確認し、一番大手そうなSainsbury's Localへと駆け込む。機内食をしこたま腹に詰め込んでいたが、なんだかんだ腹は減るものだ。ここで焦ってレストランなんかに入ったりはしない。ロンドンの外食相場は高価であると聞いていた。ケチな自分が急に高価な外食に耐えられるわけがない。まずはスーパーで安く済ませて心を落ち着けるべきだ。
かといってスーパーもしっかりと高い。1ポンド200円くらいで換算する癖をつけているが、体感の物価は日本の2倍くらいだろうか。仕方なく、巨大パンと、力を出すために人造肉感が強いハム、水1リットルを購入。合計大体4ポンド、1000円くらい。物価の覚悟は事前に済ませておいた方がよかった。もちろん、2,3食に分けて食べた。
気温は涼しく、日本でいう秋10月くらいだろうか。半袖はやや寒い。ここでもバカンス気分の日本人男性は服装と気温のギャップに苦しめられる。日本の8月と欧州の8月は違う。そんな当然のことを知らないでいたのだ。秋冬服は圧縮してスーツケースに詰め込んでいたが、仮住まいで荷解きして荷物が増えることは避けたい。結果、夏服でしばらく凌ぐことになる。
こうして、激動のイギリス生活1日目を終えた。時差ボケとか関係なく熟睡。イギリスでの生活も1年を越したが、この日よりもうまくいかない日は無かった。情報は事前に調べておくに限る。