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【まんが少年日々記】72話 しゅりけんにどぅみられたらでーじやむんどー【コラム】

大多数のマンガは、破壊やキルだった。

当時、子どもたちは忍者とちゃんばらごっこに魅了されていた。

路地からは「変身!」「赤影だ」「忍法」のセリフが飛び交っていた。
バシ、ビシ、バーンっと竹や棒の手作り刀の叩き合う音。
強く叩かれたり、突かれてわめき声や泣き声が昼日中に爆音がごとき。おおげさな。
マンガ誌面のコマに溢れるカタガナの擬音を叫びながら擬似マンガ世界を妄想して遊びに興じた。
マンガの影響ってあなどれないとはこのことぞ。

で、ご近所のおじーやおばーから罵声でののしられる。
家から出て来て遊ぶ子を張り倒す大人もいた。
この当時は、他人の子といえども大人は容赦無く躾の鉄拳だ〜。
うちの母ちゃんは、その最たる躾閻魔大王だった。
あ、母ちゃんごめん。怒るな〜脚色さー。

忍者ごっこやちゃんばらごっこは、フリづくめの遊びだ。
死んだフリ、切られたフリ、消えるフリ、変身したフリ。
と、当時の石垣の小学生は全員フリの上手な千両役者たちだった。
皆、演技賞ものだ。あはははは、おおげさな。

なに「キル遊びに興じていたのか」ってか。
生死に向き合う。反面教師然と捉え教わったのよ。
為べからず悪書呼ばわりするが、正悪ってどこで教わるの?
マンガは、子どもの情操を席捲した時代だった。
めちゃ不良もいたが、真面目な子もいたのよ。了解してね。
マンガの忍者は宿敵となる相手や、命令された相手をバッタバッタとキル。
変身マンガはすべからず相対するやからを成敗と言ってキル。
正義のある主人公側へ応援をしていた少年たち。
思い返すとキルの応援って姿勢は、空恐ろしいではないか。
悪が平民をキル。正義が悪をキル。キル連鎖の続出。いや〜ん。
忍者マンガは穏やかに愛にまみれて過ごしたい気分はご法度らしい。
過ぎた歴史や時代も破壊や戦争やキルだらけのてんこ盛り世界。

なに「キルや破壊がなければ文明は開花しないのよ」ってか。
人間の対立って、キルしキルされの憎しんでと、エンドレスの対決だね。
マンガ世界も然り。「カッコいい〜」と少年の私は、人キルの次回を待ち望み毎週読書を渇望。

興奮おさまらず、自分でもわら半紙にマンガを描いたりした。
変身忍者嵐の似顔絵をパクリって、わけのわからんキルの必殺技を創作していた。
そんな自分を天才だと自負して憚らなかった。
なんて薄っぺらい愛を学び、対決心ばかりを育んでいたのでしょう。

なに「暴力や争いは消えないのよ」ってか。
そうね、対立構造が消えない限り対決という噴出は起きるのよ。
愛のバリアで今を仲良く楽しく嬉しい日々を生きるって大切だな〜。

そんなマンガは、今や哲学書に変貌したり。
恋愛のハウツー本のような愛いっぺんとうのお話などだ。
絵はアートの世界に踏み込んで世界市場でバカ売れ。
アニメを作成すると、あれよあれよの輸出産業呼ばわり。いいね〜。

忍者を扱っていたマンガは、忍者の如く忍法を使いだした。
しのぶ、しのび、って文字なのに、静かが嫌いらしい。
忍者という武芸も有名になって、ひくて数多。

じじーも何やら胸熱の感情的になってきたぞ。
路地裏のごっこ遊びか〜。やや、涙腺が。

これまで、これまでにしましょう。

読書感謝。拝




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次の更新は 73話の標準語版 です。
初めて読む方へ → まんが少年日々記について

ブログにも掲載してます。他の漫画もあるので良かったらみてなー( ´ ▽ ` )

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