受験学習をいつ始めたらいいんだろう?
偏差値50の人が、一通り終えるのにかかる時間を科目ごとに書いてみました。例えばテキストを20ページ読んだら、わからないところは聞いたり調べたりして、テキストに書き込むし、問題集でアウトプットします。これを10回繰り返すと200ページです。たいていの歴史総合の教科書を終えられます。学習方法に無駄なこだわりがある人や、特性がある人はもっと時間がかかります。
塾に一科目ごとに週一回行く場合(授業90分、自習時間は日に90分)
・世界史探求 または 日本史探求 あっさりなら5か月-深くなら10か月
教科書はだいたい400ページあるので、あっさりは週に32ページくらいのペースです。深くは15ページくらいです。
問題集は同時進行です。そのあとで二週目に入るんですけど、一週目の半分の時間で終えられます。つまり、あっさりで合計7か月くらいですね。
・歴史総合 あっさりなら2ヶ月-日本史も世界史も深くなら3か月
あっさりは週に25ページのペースです。深くは15ページです。
・現代文 10か月
漢字は一週目は3か月-5か月です。偏差値60の人は一ヶ月ですね。
解法に3か月、同時進行で読解も始めると10か月です。
文法と四字熟語とキーワードは扱わない前提です。
解法を身に付けたら、二周目はしなくてもいいので、一通り解いた問題集が7割できていれば、次のレベルに進みましょう。6割以下なら、同じレベルの別の問題集をしっかりやりましょう。
・古文 4か月-6か月
単語、文法、常識、読解の同時進行です。
二周目もしましょう。問題集は2冊はしましょう。
・漢文 6か月
二周目もしましょう。問題集は2冊はしましょう。
・小論文 3か月-8か月
模範解答の書写をすると、成長は早いと思います。
・英語 9か月-15ヵ月
単語3か月、同時進行で熟語2ヶ月です。
文法3か月-6か月、同時進行で英文解釈3か月-4ケ月、その後で長文3か月-6か月です。
単語と熟語は三周はしましょう。九割五分さっと思い出せるようにしましょう。文法も二周はしましょう。苦手なところはないようにしましょう。長文は二周目に熟読と速読を同じ問題集でしましょう。偏差値50の人は多読をするところまで到達していないので、しなくてもいいでしょう。
スピーキングとリスニングは、偏差値50でも人によって素質に大きな差があるので、どれぐらいかかるかを言えません。同じ素材で、ゆっくり聞く、ナチュラルな速度で聞く、シャドウイングをするなどの基礎練習を繰り返しましょう。
・総合型選抜 2か月-3か月
一校につき、平均で志望理由書1か月半と面接1か月半。先生によると、90分授業では、最初のうちは同時進行はできないそうです。他にも書類があれば、もっと時間はかかります。SFCはもっとかかります。そもそも合格に値する評定平均、課外活動、英語のスコア取得などは、もっと前からしておく必要があります。9月、10月くらいの出願が多いので6月くらいから始めましょう。
・社会人入試 2か月
一校につき、平均で志望理由書1か月と面接1か月。先生によると、90分授業では、最初のうちは同時進行はできないそうです。他にも書類があれば、もっと時間はかかります。
あくまで平均なので、現代文の偏差値は50でも、小論文はすぐに偏差値70くらい書ける人もいます。逆の人もいます。上の時間は、集団授業の平均的な受験生の場合です。小論文の偏差値を自分でわかっていなくても偏差値50くらいの人ということです。大手の集団授業と、意を酌んでくれる中小の個人指導でも早さは違います。
また、質が高くないと、一周終えても偏差値は50のままです。
独学の場合、週一回進むという制約がないので、一日テキストを読んで、その日の残りと、あと二日を理解と整理、アウトプットに充てれば、塾よりも早く一通り終えられます。
世界史探求 3か月も可能です。
歴史総合 1ヵ月も可能です。
ただ、一通り終えたから成績が上がるというものでもありません。偏差値50の受験生が、長い方の時間で、平均的な大手塾の集団授業で、基礎的な参考書と問題集を一冊しっかりやって(つまり二周か三周して)、完璧に知識と技術を身に付けたという場合で、偏差値は5あがって55になるくらいです。
塾に行く場合は、授業90分、自習時間は科目ごとに毎日90分です。
塾のある日は、例えば3時間の学習としましょう。塾のない日は4時間30分の学習としましょう。
例えば、塾で月曜日に英語、家で英の自習、火曜日と水曜日は英現世の自習、塾で木曜日に世界史探求、家で自習、金曜日は英現世の自習、塾で土曜日に現代文、家で自習、日曜日は英現世の自習。
周囲の受験生も学習しているので、最短期間だと、あなたの偏差値は50を維持するか、少し下がるくらいです。
これでも古文、漢文、小論文、歴史総合は入っていません。
偏差値50の段階で、偏差値50前後の大学を目指しているなら、英語は12か月前から始めましょう。3月に始めて、11月末に一通り終えて、それから過去問や問題集の二週目をして、2月に受験です。
日に4時間30分も学習できないなら、早く始めるか、二科目に絞るかなどの検討が必要です。
成績を上げたいなら一日の量を増やすか、長期にするか、どちらかで学習時間を確保して、さらに上のレベルの参考書を読んだり、上のレベルの問題集や過去問を解く必要があります。英語の偏差値50の人が偏差値60になるには、日に5時間英語だけを学習して、4か月くらいはかかります。現代文と古文と世界史探求と歴史総合もとなると大変ですね。
もちろん、偏差値50なのに、偏差値60用の問題集を解いても力はつきません。本文を読んでも意味がわからないのに解法だけ学んでも、たいていの場合は力はつきません。今の自分のレベルにあった参考書で理解して、問題集で身に付けましょう。