ノック・ノック・ノック
「この間、幽霊マンションに行ったんだよね」
”幽霊マンション”とは過去に殺人事件のあったマンションだ。
現在は、廃墟と化している。
「夏だし、廃墟でも行ってみるか!」
そんなノリで、Kさんの友人は幽霊マンションに向かった。
Kさんの友人を、仮にOさんと呼ぶ。
Oさんは、”幽霊マンション”の1F玄関から入り、1部屋づつ部屋の扉を開けて行った。
扉が古びているのか、開かない部屋が数部屋あった。
殺人事件のあった部屋は、×印が書いてあった。
屋上まで来たら、特に見る物もなく帰ることにした。
1F玄関に戻る道中、何となく、先ほど開かなかった部屋の扉に手をかけた。
『ガチャッ』 扉が開いた。
反対に、来た道で開いたはずの扉は、閉まっており
開かなくなっていた。
廃墟には、Oさん以外居なかった。
そんな不思議なことがあったんだと、友人のOさんが話していると
少しづつ、Kさんの肩が重くなってきた。
その後、Kさんが部屋に帰ると、普段しまっているはずの物干し竿が出ており、左目の上をぱっくり切った。
その夜鏡を見ると、何かが写った気がした。
とても怖がりのKさんは、自称幽霊が見える知り合いに
相談した「お前の中に何かいる」そう言われた。
その時、解決策は言われなかったそうだ。。。
その日の夜に、玄関をノックする音が聞こえた。
”コンコンコンコン、、、” ずっとノックしている。
うるさいと感じるほど、音も大きい。
それなのに、家族も犬も誰も騒がない。
Kさんは痺れを切らして、「誰?」と訪問者に問いかけた。
”コンコンコンコン、、、”
問いかけには答えずノックが続く。
その日から、夜中のノックが続いた。
問いかけても、答えは返ってこない。
訪問者は、ノックだけを繰り返している。
困ったKさんは、自称幽霊が見える知り合いに相談したところ
「お守りを首にかけろ」と言われた。
藁にもすがる思いで従ったところ、夜中にノックされることは無くなった。
私は、この話を聞いた時に
「最初に相談した時に、お守り首からかけるの教えてやれよ」って思った。
以上が、Kさんから聞いた話です。