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プロジェクト・ヘイル・メアリー 感想
プロジェクト・ヘイル・メアリ―を上下巻とも読んだので、感想を書きます。ちなみに、なるべくネタバレしないように頑張ります。
1.読む前の話
本作は、ネタバレ厳禁と言われていたのもあって、事前情報がほとんどない状態で読みました。これは、他の人の感想を読み漁ってから作品を読むのが基本の私にしては非常に珍しいです。
ちなみに、事前情報がない状態では、私は「プロジェクト・ヘイル・メアリ―」は、「主人公が気が付くと、火星探査船の制御コンピューターになっていることに気が付いた」という物語だと思っていました。これはネタバレですが、主人公は普通に人間だったので、あれなんか違ってるなというのが第一感でした。
2.読み始めてからの話
読み始めてから、作者が「火星の人」の作者と同じであることに気が付いたので、火星探査船のイメージはそこから来たのでしょう。なお、「火星の人」自体は未読ですが、その映画版である「オデッセイ(火星ジャガイモ物語)」は非常に面白かったので、私の中では作者の評価は非常に高いです。
3.SFファンの奇妙な習性について
プロジェクト・ヘイル・メアリーは、面白いSFだったこともあり、一気に読み終えてしまいました。その上で、思い出したのは昔読んだ「SFファンの奇妙な習性について」のコラムでした。
これは、TRPGの大家の方が書いたコラム「応用TNE(第3回)」に書かれていた内容になります。実物は、リンク先を見てもらうとして、対象部分を引用します。
まず、SFファンの奇妙な習性について説明しておくべきでしょう。
どういうわけか、一般にSFファンという人種は、技術的可能性については非常に厳しい考え方をするくせに、生命の可能性については極めて寛大な姿勢を示します。これは伝統といってよいでしょう。
~中略~
なぜかと聞かれると困るのですが、とにかくSFに登場する突拍子もないエイリアンの可能性については、非常に寛大に受け入れるというのが、SFファンの習性なのです。
ちなみに、上記の引用で言及されている中性子星の上で生命体が発生するというアイデアで書かれたSFとして「竜の卵」という作品があります。個人的には、結構面白いSFだったのでお勧めしておきます。
プロジェクト・ヘイル・メアリーは、まさにこのSFファンの奇妙な習性を利用した作品だったなあというのが、強く印象に残りました。
とりあえず、私はプロジェクト・ヘイル・メアリ―が名作だという情報を知ってから、実際に自分で読むまで2年ほどかかったわけですが、個人的にはこの内容でも別にネタバレをされても全然問題なかったなと思いました。
それでは、ごきげんよう。
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