
「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」を見てきたので、ラスボスのバブル・オドロキー氏の話をします(ネタバレあり)
1.はじめに
8月10日(日)に「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」を見てきました。クレヨンしんちゃん自体は25年前から知っていますが、劇場版を見るのは31作品目の本作が初めてだったので、せっかくなので感想を書きます。
2.映画全体の話(ネタバレあり)
映画全体として思ったことは以下の2点です。
(1)リアリティラインが反復横跳びしている
クレヨンしんちゃんは基本的にはギャグ漫画なので、登場人物の体力とかはかなり高い(基本死なない)のですが、ところどころでシリアスなバトルシーンが入ってきて、大ケガしてもおかしくないのではみたいな感じで、リアリティラインが動きまくりだなと感じました。
(2)恐竜の話だと思ったらロボットの話だった
タイトルだけ見て恐竜の話だと思っていたのですが、視聴後はほぼロボットの話だったなと思いました。もちろん恐竜は出てきますが、ロボットの方が色々な意味で目立っていたので、タイトルはあまり適切ではないなと思いました。
とはいえ、令和最新のクレヨンしんちゃんの劇場版ってこんな感じなのかということで、個人的にはかなり楽しめました。
3.ラスボスのバブル・オドロキー氏のはなし
バブル・オドロキー氏というのは、タイトル画像で赤丸で囲った人物で、本作品のラスボスです。簡単に経歴を紹介すると、、東京湾に本物の恐竜にをよみがえらせた一大テーマパーク「ディノズアイランド」をオープンさせた人物で、世界的に成功したイベンターの大金持ちです。
本作品のメイン視聴者である子供には、間違いなく嫌われそうなキャラクターですが(ラスボスだから嫌われてなんぼだとも言えますが)、私は映画で一番好きなキャラクターでした。なので、ここからはバブル・オドロキー氏の凄いところを書いていこうと思います。
(1)イベントの誤魔化し方が凄すぎ
バブル・オドロキー氏は、イベンターとして本物の恐竜をよみがえらせると宣言したにもかかわらず、結果としてよみがえらせることができませんでした。その意味では、嘘つきということになります。ただ、それを誤魔化すために、最強のロボット恐竜軍団を作り上げており、私は映画を見ていて、これはこれで凄すぎるのではと思っていました。映画で例えるなら、「ジュラシックパーク」は作れなかったけど、「ターミネーター」は作れましたみたいな感じです。「ターミネーター」単体でもイベンターとしては大成功なのではと思わずにはいられなかったですが、本人が完璧主義者であることもあり、最後までロボット恐竜軍団は、所詮はまがい物という評価でした。
(2)メディアを支配していない
典型的な悪のイベンターだと、メディアを支配して世間にいいイメージだけを発表するけど、実態はボロボロみたいな感じですが、バブル・オドロキー氏は大金持ちのイベンターでありながら、自前のメディアを持っていません。メディア対応はするものの、あくまでテーマパークの組織のみで戦っています。なので、個人的にはバブル・オドロキー氏は、悪のイベンターというよりも、マッド・サイエンティストの方がしっくりきます。善悪でいうなら悪だとしても、本人に実力と実績がちゃんとある感じです。
(3)子供たちが良く育っている
クレヨンしんちゃんの映画は、親子で視聴することを想定しているため、親子関係をテーマに入れているイメージがあるのですが、本作でもバブル・オドロキー氏とその子供たちとの関係が描かれています。そして、バブル・オドロキー氏の子供は二人とも優秀です。色々あった結果、親子仲はあまりうまくいっていないですが、ここは個人的には評価したいポイントです。
(4)大金持ち設定がちゃんと生きている
バブル・オドロキー氏は、ラスボスとして東京各所や春日部市を破壊しまくったわけですが、最終的に現状復旧することで逮捕を免れています。劇中の大暴れっぷりを考えると、保証金額は1兆円の単位になると思うのですが、いくらクレヨンしんちゃんがギャグ漫画だとしても、よく逮捕されなかったなと思いました。
ちなみに、バブル・オドロキー氏のイベンターとしての代表的な過去の実績として、劇中では「無重力ラーメン」というのがあるのですが、初めはマジック的な演出をラーメンに加えたイベントだったのかなと思いましたが、今は反重力装置+ラーメンみたいな力業のイベントだったのだろうと思っています。
4.おわりに
バブル・オドロキー氏を見て、私は「本人の能力」と「目的」と「やっていること」がちぐはぐすぎるキャラクターが好きなことが分かりました。ちなみに類似キャラクターだと、鬼滅の刃の「鬼舞辻無惨」がそうです。だから、私は無残様が大好きなのです。
というわけで、「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」は、バブル・オドロキー氏が凄く良いキャラクターでした。
それでは、ごきげんよう。