海の向こうに認められて感じる日本
海外の人たちから連日メッセージが届く。
3ヶ月ほど前から、ショート動画をSNSに毎日投稿しているのだが、日本の方より海外の方に多く見られていて、一部の方々が投稿にコメントをつけてくれたり、DMで歓喜の様子を伝えてくれたりするのである。
動画の内容は作業の様子。私が日々行なっている漫画制作の様子を録画して、1分程度に編集してお届けしている。
驚くのは彼ら彼女らのポテンシャルだ。
日本の方々も確かに見ていくれているのだが、熱烈なお言葉を下さる方々は決まって海外の方。英語、フランス語、イタリア語、広東語などを扱う方々である。
「あなたには才能がある!続けて!」
と、もう何人の方から言っていただいただろうか。
(心に響いたお言葉は全てスクショして保存してあります)
これまで日本人の方には、「才能がある」と言っていただけることはあれど、「続けて」と言っていただけることなんてなかった。どちらかと言えば「続けて」の対義語をよくいただいたものである。SNSでも、リアルでも。
まぁ、そんな言葉にめげず、12年も続けてきたが。
海の内側と向こう側とで、いただく言葉はこうも違うものなのか。と、少し驚いている。
向こうの方々は、日本の漫画アニメに対するリスペクトがとても高いことも同時に感ぜられる。メッセージをくださる方の中には、ご自身が好きな漫画アニメを語ってくださる方も少なくないし、日本の漫画アニメの絵を描いて投稿している方はとても多い。
私も幼少の頃から日本の漫画アニメをたらふく味わって育った身であるし、得た漫画技術だって、日本の偉大な作家たちから吸収したものであるから、私を応援してくださる向こうの方々はおそらく、そういったところも感じ取った上でメッセージをくださるのであろう。
そしておそらく、大半の人が続けられないことも知っているのだろう。
海外の方々に認めていただいて、日本の素晴らしさを改めて知る。
前途した通り、今の私の漫画技術は日本の作家らからいただいたものであるし、彼ら彼女らが創り上げた日本の漫画アニメ文化のおかげで、私のような端くれ漫画家にもたくさんの方が注目してくれる。
感謝の上ない状況である。
その脇で、ちょっと寂しい思いも感じている。日本の素晴らしさが、当たり前になってやしないかと。
前途したが、この12年間、日本の方に「続けて」と念を押される機会は皆無であった。むしろ、よくいただいたのは反対の意味を持つ言葉。こと素晴らしい漫画アニメを次々に楽しめる日本人にとっては、私が作品を作り続けなくたって十分に娯楽を満喫できるであろうから、そう言った言葉も平氣で届けられるのであろう。しかし、同じ日本人として少し寂しい。まぁ、その人たちが自分の人生に満足しているのなら、それで良いのだが。
でもおかげで反骨精神みたいなものは出来上がっていて、「見返してやる」みたいな氣持ちは絶えず持ち続けている。だから12年描き続けてこれたのかもしれないし、いいものを探求し続けられるのかもしれない。決して一概には言えない要因ではあるが、確かなことは、お陰様で今の私の作品作風が培われているということである。
全てお陰様である。
私を否定してきた人たちへも感謝だし、今応援してくださっている方々へも感謝なのある。
いただいた言葉全てで今の私ができている。
今の私をこれからも遮二無二描いていく。
石井嘉一郎|漫画家
【一作目】完結
本当は音楽をやりたい話
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https://note.com/kaichiroishii/n/ne2eeec39180f
【二作目】制作中
SNSで病む話
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現在、作品制作持続のためのクラウドファンディングを実施中!
人間を丁寧に描いています。
不器用にしか生きれない人へ贈る物語。
応援してくださると嬉しいです。
よろしくお願いします。
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