もっと心躍る通りが他にある
久しぶりに朝練をした。
今年は体調が優れないこともあり、朝練ができていない日が多い。
朝練といっても大したことはしていなく、15分程度の絵を描く練習と、同じく15分程度のキーボードを弾く練習である。とはいえこの30分の自主練時間が1日の内で最も心落ち着いた時間だったりする。改めてこの時間を大切に感じたのは、今年の体調があまり思わしくないからに他ならない。健康に且つゆっくりと味わえる時間は真に至福である。
昔はあまり自主練が好きではなかった。
20歳の頃から出版社に通っていたのだが、担当編集さんから課された課題は1ヶ月ほどですっぽかしてしまったり、毎日の絵の練習もしたりしなかったりで、まぁ、トータルで見ると自主練をしなかった日がほとんどであった。しかしながら出版社に通わなくなってからの自主練は、圧倒的にしてる日の方が多いのが事実である。
出版社に通っていた当時は、自主的に練習できない自分を非道く悲観していたものだが、そんな当時を今振り返ると、「自分は何かに縛られるのが向いていなかったのだ」と片付けることもできる氣がしている。
出版社からの作品連載を目指すとなると、色々な制約が付くものである。ぼくが当時の担当編集さんに言われたことだけでも記しておくと、例えば「流行りの絵柄に合わせろ」だったり、「感動を演出しろ」だったりだ。まぁ、結局プロでやっていくということはそういうことで、大抵の方々は言わずともわかっていると思うのだが、要は上手に作らなければいけない道なのである。
其の道から離れた今だからこそ理解できるが、当時は其の道しか知らなかったが故に、その道だけが正解だと思っていたので、其の道を上手に進めない自分は悲観せざるを得ない状況だったのだ。
しかしながらこうしてその道から離れてみると、やっぱりぼくは自分の好きなように描きたいのだなと思う。中学生の頃、初めてまともな物語漫画を描いていた当時のように、自分の好きな作家の絵柄を模倣した拙い絵で、自分の幼い頭の中を自由に描き出すことが何より楽しいのであって、わざわざ流行りの絵に合わせたり、内容に構わず感動を演出したりしながら描くことには最初から魅力を感じていなかったのだ。と、離れた今だからことそ思うことができるのである。
今は、自分の読みたい漫画を、応援してくださっている方々と一緒に作ることができている。何の制約もないものだから、それこそ、中学生の頃のように自分の絵柄で、自分の中に在る物語を描いている。心から描きたいものを描くことができているのである。だから、そのために必要な自主練習も楽しむことができているのであろう。
全く人間というものは厄介である。世界が狭いうちはどうにも自分を貶すことしかできないのだから。世界を広げることが自分を守る一つの方法であることは間違いない。ものの捉え方など千差万別であるのだから、いつ如何なる時も自分にとって都合のいい解釈ができるよう、世界はできるだけたくさん持っておきたい。
やりたいことに対して氣持ちがうまく乗ってない日が長く続いているのであれば、一度いま通っている道を疑ってみるのも悪くない。終点は一つでも、もっと心躍る通りが他にあるはずである。たった一つの大通りの中で活躍できないからといって、自分を悲観する必要は全くないのである。
今年から自主練の記録を録ろうと思う。人間、人目に触れる意識を持つことで成長速度も上がるものであるから、少しでも成長速度を上げるべく、どこかに記録して公開していこうと思う。ぼくが抱いている最も大きな夢は、〝原作作画作詞作曲作品を創る〟ということである。できればその夢を、40歳までに達成したいと考えているのだが、音楽面の技術の進みがどうも思わしくない。少しでも早く音楽面の成長を促していくために、できることはやってみようと思う。
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